「本当に、僕、この研究室を使ってもいいんですか?」
リアムは改めて研究室を見回しながら聞いた。
「ああ。ルシアン先生はリアムは非常に優秀だから研究室を与えるべきだと考えている。しかし、空きの研究室が多くないようだ。俺とリアムは仲がいいからな。共有するようにと言われた」
「ルーカス様はそれでいいのですか?」
「俺はリアムなら大歓迎だ」
リアムと親しくなりたいという下心込みだが、リアムなら大歓迎なのは本当だ。
「先生が、この部屋でならルーカス様といつでも会えると言っていたのですが、本当ですか?」
「先生がそんなことまで……」
俺が運命の相手をずっと待っていることはルシアン先生も知っていたから、俺たちのことを応援してくれているのかもしれない。
「実は、公爵邸の執務室とこの部屋を繋ぐ魔術具を作ったんだ」
「そうなんですね! 僕、ルーカス様と話したくて、何度かこの部屋に来たんです」
俺はどきりと心臓が跳ねた。
リアムが、俺に会いに来てくれていた。
それは思ってもいない言葉だった。
「ど、どうして俺に……」
やばい。また緊張で口の中が乾いてきた。
「この本に書かれていることで、ルーカス様にお聞きしたいことがあったんです!」
俺はがくりと膝から崩れ落ちそうになるほど脱力したが、なんとか耐えた。
俺はなんとか耐えたが、リアムの後ろでマティスとアズベルトがガックリしている。
「そ、そうか……わざわざ出向いてくれたのに、部屋にいなくてすまなかった」
「このままお会いできなかったらどうしようかと思いました」
リアムが眉尻を下げて笑う。
リアムも俺に少しでも会いたいと思ってくれていたのなら嬉しい。
「この本もお返ししなきゃですし」
「あ、うん……」
リアムの後ろでマティスとアズベルトが再びガックリしている。
「それに、ルーカス様とお話しできなくなるのは寂しいですし」
俺の心象風景は秋の哀愁漂う風景から、一気に春になる。
花が咲き誇り、ひだまりのように温かくなった。
「俺もリアムとたくさん会いたいから、たくさん研究室を使って欲しいな」
「お仕事の邪魔をしないように、静かにしますね」
「いや、むしろ、積極的に会いにきてほしいかな」
「ルーカス、それはまずいだろう? レジナルドに見つかる」
「でも、俺たちも自由に出入りしてるし、執務の手伝い要員を連れてきたとか言えば、バレないんじゃないか?」
マティスとアズベルトはベランダから入ってくることもしょっちゅうだ。
執事のレジナルドから注意されてもしれっとしている二人にレジナルドは呆れている状況だ。
そんな二人が誰かを連れてきたと言っても、レジナルドは呆れて放置してくれるかもしれない。
「それじゃ、休憩時間には一緒にお茶をしてくださいますか? 僕の方からでは、お仕事の邪魔かどうかがわからないので」
「では、そうしよう」
とは言っても、レジナルドから休憩を取ってもいいとは言われたことは一度もないのだが、しかし、食事の時間以外は頑張っているのだから、休憩時間くらいはもらっても問題ないだろう。
しかし、それは甘い考えだった。
魔術具を作って執務室とホクマカム魔導学園の研究室を繋いではや数日……全く休憩の時間はなかった。
「なぁ、これ、俺たち何日も睡眠時間を削って魔術具を作った意味あるか?」
アズベルトにはそんなことを言われる始末。
これは環境を改善せねばならないだろう。
「ルーカス様、昼食の準備が整いました」
「今日から俺はこの部屋で昼食をとることにする!」
もう昼食の時間にリアムに会うしかないだろうと思ったのだが、レジナルドはじっと俺を見た。
「……」
俺の企みがバレたのだろうか?
「ルーカス様は旦那様よりも真面目で大変感心しておりましたが、さらに昼食のお時間まで執務に励むとは大変良い心構えだと存じます」
「感心していたのなら、もう少し執務の量を減らしてくれてもいいのだが?」
「今のうちに旦那様が放置していた書類も確認していただこうと思いまして」
この忙しさは単純に公爵領の業務が多いだけでなく、これまで叔父上がサボっていたせいでもあったようだ。
今度会ったら文句を言わせてもらおう。
「と、とにかく、今日から昼食は執務室でとるので、食べやすいものを用意してくれ」
「わかりました」とレジナルドは頭を下げて一度下がり、すぐに三人分の昼食を運んできてくれた。
リアムは改めて研究室を見回しながら聞いた。
「ああ。ルシアン先生はリアムは非常に優秀だから研究室を与えるべきだと考えている。しかし、空きの研究室が多くないようだ。俺とリアムは仲がいいからな。共有するようにと言われた」
「ルーカス様はそれでいいのですか?」
「俺はリアムなら大歓迎だ」
リアムと親しくなりたいという下心込みだが、リアムなら大歓迎なのは本当だ。
「先生が、この部屋でならルーカス様といつでも会えると言っていたのですが、本当ですか?」
「先生がそんなことまで……」
俺が運命の相手をずっと待っていることはルシアン先生も知っていたから、俺たちのことを応援してくれているのかもしれない。
「実は、公爵邸の執務室とこの部屋を繋ぐ魔術具を作ったんだ」
「そうなんですね! 僕、ルーカス様と話したくて、何度かこの部屋に来たんです」
俺はどきりと心臓が跳ねた。
リアムが、俺に会いに来てくれていた。
それは思ってもいない言葉だった。
「ど、どうして俺に……」
やばい。また緊張で口の中が乾いてきた。
「この本に書かれていることで、ルーカス様にお聞きしたいことがあったんです!」
俺はがくりと膝から崩れ落ちそうになるほど脱力したが、なんとか耐えた。
俺はなんとか耐えたが、リアムの後ろでマティスとアズベルトがガックリしている。
「そ、そうか……わざわざ出向いてくれたのに、部屋にいなくてすまなかった」
「このままお会いできなかったらどうしようかと思いました」
リアムが眉尻を下げて笑う。
リアムも俺に少しでも会いたいと思ってくれていたのなら嬉しい。
「この本もお返ししなきゃですし」
「あ、うん……」
リアムの後ろでマティスとアズベルトが再びガックリしている。
「それに、ルーカス様とお話しできなくなるのは寂しいですし」
俺の心象風景は秋の哀愁漂う風景から、一気に春になる。
花が咲き誇り、ひだまりのように温かくなった。
「俺もリアムとたくさん会いたいから、たくさん研究室を使って欲しいな」
「お仕事の邪魔をしないように、静かにしますね」
「いや、むしろ、積極的に会いにきてほしいかな」
「ルーカス、それはまずいだろう? レジナルドに見つかる」
「でも、俺たちも自由に出入りしてるし、執務の手伝い要員を連れてきたとか言えば、バレないんじゃないか?」
マティスとアズベルトはベランダから入ってくることもしょっちゅうだ。
執事のレジナルドから注意されてもしれっとしている二人にレジナルドは呆れている状況だ。
そんな二人が誰かを連れてきたと言っても、レジナルドは呆れて放置してくれるかもしれない。
「それじゃ、休憩時間には一緒にお茶をしてくださいますか? 僕の方からでは、お仕事の邪魔かどうかがわからないので」
「では、そうしよう」
とは言っても、レジナルドから休憩を取ってもいいとは言われたことは一度もないのだが、しかし、食事の時間以外は頑張っているのだから、休憩時間くらいはもらっても問題ないだろう。
しかし、それは甘い考えだった。
魔術具を作って執務室とホクマカム魔導学園の研究室を繋いではや数日……全く休憩の時間はなかった。
「なぁ、これ、俺たち何日も睡眠時間を削って魔術具を作った意味あるか?」
アズベルトにはそんなことを言われる始末。
これは環境を改善せねばならないだろう。
「ルーカス様、昼食の準備が整いました」
「今日から俺はこの部屋で昼食をとることにする!」
もう昼食の時間にリアムに会うしかないだろうと思ったのだが、レジナルドはじっと俺を見た。
「……」
俺の企みがバレたのだろうか?
「ルーカス様は旦那様よりも真面目で大変感心しておりましたが、さらに昼食のお時間まで執務に励むとは大変良い心構えだと存じます」
「感心していたのなら、もう少し執務の量を減らしてくれてもいいのだが?」
「今のうちに旦那様が放置していた書類も確認していただこうと思いまして」
この忙しさは単純に公爵領の業務が多いだけでなく、これまで叔父上がサボっていたせいでもあったようだ。
今度会ったら文句を言わせてもらおう。
「と、とにかく、今日から昼食は執務室でとるので、食べやすいものを用意してくれ」
「わかりました」とレジナルドは頭を下げて一度下がり、すぐに三人分の昼食を運んできてくれた。


