第二話 前回とは違う日常
〇一話の続き、場所は診療所の玄関
あまね「り、つき様」
律月「帰宅したら、あまねの姿がないので探していた」「さっきここで働きたいと言っていたが、どういうことだ」
あまね、気が動転して口をパクパクさせるだけ。水都があまねの腕を引き、自分の背に庇う。
水都「いきなり現れて、あんた誰だ?」「あまねが怖がっているだろう」
律月「俺はあまねの夫だ」ぎろりと水都を睨む。
水都「夫? あまね、結婚していたのか?」
振り返って背後にいるあまねに聞く。あまね、硬い表情で頷く。
律月「龍泉院律月だ。妻が世話になったようだな」「あまね、帰るぞ」
律月が立ち去ろうとする。だけれどあまねは動かない。そんなあまねを不機嫌な表情で睨む律月。
あまね(このまま帰ったら、私はまた殺されてしまう)(私だけじゃなく、お腹の子供も)
お腹に手を当てる。ぎゅっと唇を噛むと律月を見上げる。
あまね「勝手なことをして申し訳ありません」「ですが、龍泉院家に私の居場所はありません」
律月「どういうことだ?」
あまね(前回も、女中たちに意地悪をされていると訴えたけれど、信じてもらえなかった)「……説明したくありません」
律月「それでは分からない」
あまね「理解していただこうなど、思っていません」「家には戻りますが」「診療所を手伝うのを許してください」
深く腰を折り頭を下げる。
あまね(逃げ場所だけは作らなくては)(赤ちゃんのために、強くなるって決めたんだ)
震える手足の描写。律月、険しい顔のまま背を向ける。
律月「とにかく帰るぞ」
あまね、水都と医者を見る。ふたりともどうしていいか分からず、困った顔。
水都「あまね、とりあえず帰宅したほうがいいよ」「ここへはいつ来てもいいから」
医者「あぁ、人で不足だから手伝ってもらえると助かる」
あまね「ありがとうございます」頭を下げて、律月の後を追う。
〇場面転換
場所:龍泉院家の玄関。律月、靴を脱ぐと廊下をどんどん進んでいく。
紅葉「律月様、ご帰宅されたと思ったら出かけられて」「どちらに行かれたのですか?」「どうして穢れ……奥様も一緒に?」
律月、無言であまねの部屋の襖を開ける。がらんとして何もない部屋。
律月「この部屋を、あまねが使えるようにしろと言ったはずだ」
あまね「えっ?」(私の部屋は裏口に一番近い物置のはず)
青い顔で俯く紅葉。律月、今度は物置に向かい引き戸を開ける。窓がなく昼間でも薄暗い。湿気が多く、壁にはカビが生えていて埃っぽい。しなびた布団が部屋の端に畳まれている。
律月「これはどういうことだ」「あまねがこの部屋を望んだのか?」
問われ、ぶんぶんと首を振るあまね。
あまね(どうしてここが私の部屋だと知っているの?)(前回の人生では無関心だったのに)
律月、部屋の端にある箪笥を開け、中から破られた着物を取り出す。
律月「これは?」
紅葉「そ、それは! 奥様はご自分の思い通りにならないと癇癪を起こして……」「私達も困っているんです」焦りながら作り話で誤魔化そうとする。
あまね(前回も同じことがあった)
・回想
紅葉と律月が廊下で話しているのを、偶然立ち聞きするあまね。
紅葉「食べ物の好みも激しくて」「気に入らないと御膳をひっくり返すんです」「私達が『穢れ者』と悪口を言っていると思い込んでいて」「それに、頻繁に男性と会っていて……」
あまね(律月様は、初夜で妊娠した私の不貞を疑っているようだった)(信じてと言ったのに)(まるで確証を得ているようで)
・回想終了
あまね、小さくため息を吐く。
あまね(今回だって、私を信じてくれないはず)
律月「あまね、これはお前が自らしたのか?」
何を言ってもしかたないと諦めた顔で、あまねが俯いたまま首を振る。
律月「あまねは違うと言っている」
紅葉「それは! 奥様が嘘を言っているんです」
律月「俺はあまねを信じる。すぐに部屋を戻せ!」
驚いて顔を上げるあまね。律月は硬い表情であまねを見下ろす。
あまね「信じて……くださるんですか?」
律月「お前は……俺の妻だ」「信じると決めている」
〇場面転換
それからの日々をこま割で
【私の部屋は、律月様の部屋の隣に移された】【食事も時間があるときは一緒に摂ってくれる】【昼間数時間だけならと、診療所に通うのを許してくれた】部屋の様子、一緒に食事をする姿をコマ割りで描く。
場所:診療所
あまね、診療所の扉を開ける。
あまね「おはようございます」
医者「おはよう、来てくれて助かるよ」
医者の妻・幸(産婆)「昨日、お産があったから、洗濯してほしい布が沢山あるの。お願いできる?」医者の妻の容姿:髪を首の後ろでまとめた五十歳ぐらいの女性。てきぱきとした口調。医者は妻の尻に敷かれている。
水都「幸さんは相変わらず人使いが荒いねぇ。あまねは今来たところだよ。ほら、汗だくじゃないか」
水都、湯飲みに入った水を手渡す。
あまね「うわっ、行動が男前」
水都「だろう」
水都、ふざけてあまねに流し目を送る。
医者「男前はいいが、そのままじゃ嫁の貰い手がないぞ」
水都「いいよ。この国で女性に求められる生き方を、私はできない」「異国に行って、自分らしく生きる術を知ったんだ」「それに異国行を勧めたのは師匠だろう」
医者「だからって、ここまで開き直ると思っていなかった」「ま、お前が幸せならいいが」
医者が薬や包帯の準備を進める。あまね、幸から洗濯物を手渡される。
あまね「異国は、この国と違うの?」
水都「うん、女性が仕事をして、自分の意見も堂々と口にしていた」
あまね「それは、すごいわね」
水都「いつかこの国もそうなるといいな。ま、その頃にはあまねはお婆さんだけれど」
あまね「酷い! 同じ年なんだから、水都だってお婆さんになるんだからね!」
あまね、洗濯に行こうとして立ち眩みを起こして、その場にしゃがむ。幸が駆け寄り、あまねの脈をとる。
幸「顔色が良くないね。食べているかい?」
あまね「それが、食欲がなくて」(前回の人生では、まだ自分が妊娠していると知らなかった)(腐った食べ物ばかり出されて吐き気がしていたけれど)(つわりだったんだ)
幸があまねの顔をじっとみる。
幸「もしかしてだけれど、妊娠しているんじゃないの?」
あまね、頷く。
あまね「……月のものが三週間ほど遅れています」
うつむくあまね。水都、幸、医者が顔を見合わせ、ぱっと笑う。
水都「おめでとう」
幸「まぁ、おめでただね! 無理をしてはいけないわ」
医者「果物なら食べられるかい? 幸、もらった桃があっただろう」
幸「ええ、用意します」
水都が洗濯物を手にして、代わりに洗いにいく。医者はあまねの目を見たり、脈を測る。桃ののった皿を幸が持ってくる。
あまね(妊娠して祝福してもらえるなんて)
・回想
【前回の人生では、律月様は無言で頷くだけだった】【おめでとうと言ってくれなかった】
寄り添うように話す律月と佳穂理の姿。
女中「やっぱりあの二人はお似合いね」「どうして律月様は穢れ者と結婚したのかしら?」
「なんでも軍で穢れ者について調べているそうよ」「異能者同士からしか異能者は生まれない。穢れ者との間に生まれた子供は、どうなのかしら」
あまね(律月様にとって、私は穢れ者の実験台のようなものだった)
・回想終了
水都「ほら、あまねの分だよ」
ぼんやりしていたあまねは、出された皿にちょっと驚きながら受け取る
あまね「ありがとう」
水都「どういたしまして。私は子供が産めないから、あまねの子供は私の子供だと思って可愛がるよ!」
元気に笑う水都。
あまね(水都は三年前、十五歳で結婚した)(そして流産してもう子供を産めないと言われた)(前回も同じ言葉をくれた)
あまね「うん、私、この子を絶対に幸せにするんだ」
笑顔で決意を語るあまねに、三人が嬉しそうに笑う。
〇場面転換
場所:龍泉院家
あまね、お腹を撫でる。
あまね(前回、妊娠が分かったのは律月様が帰宅後だった)(律月様には妊娠したことをぎりぎりまで黙っていよう)(できるなら、子供ができたと分かる前に逃げたい)
外からおはやしが聞こえてくる。近くの神社で夏祭りがあることを思い出す。廊下から聞こえてくる女中の声
女中「あのね、彼が星祭で渡したいものがあるって言うの」「きゃぁ、それ絶対に簪よ!」「星祭で簪を渡され、愛を誓う……憧れるわ!」
子供の肌着を塗っていた手を止める。小さくため息を吐く。
あまね(前回、この時期、律月様はまだ地方にいた)(でも、佳穂理さんには簪を送っていた)
・回想
簪をつけた佳穂理が、女中と話しているのを聞くあまね。
佳穂理「内緒よ」
紅葉「分かっています。やはり、律月様の想い人は佳穂理様です! あぁ、あんな穢れ者、早く追い出せばいいのに」
・回想終了
廊下を歩く音に、顔を上げるあまね。律月が襖を開ける。※(律月の服:ジャケットにスラックスの洋装)
律月「今日は診療所へ行かないのか?」
あまね「はい、お祭りなので診療所も休みです」
律月「そうか、では出かけるぞ」
あまね「えっ、私とですか?」
戸惑うあまね。律月、あまねが縫い物をしていたのに気づき、近寄ってきてしゃがむ。
あまね「あっ、それは!」
律月「小さい……赤子の肌着?」
表情を険しくして、あまねを見る律月。あまねの手から、縫い物を奪う。
あまね「えっ、あの」(どうやって誤魔化そう)
〇一話の続き、場所は診療所の玄関
あまね「り、つき様」
律月「帰宅したら、あまねの姿がないので探していた」「さっきここで働きたいと言っていたが、どういうことだ」
あまね、気が動転して口をパクパクさせるだけ。水都があまねの腕を引き、自分の背に庇う。
水都「いきなり現れて、あんた誰だ?」「あまねが怖がっているだろう」
律月「俺はあまねの夫だ」ぎろりと水都を睨む。
水都「夫? あまね、結婚していたのか?」
振り返って背後にいるあまねに聞く。あまね、硬い表情で頷く。
律月「龍泉院律月だ。妻が世話になったようだな」「あまね、帰るぞ」
律月が立ち去ろうとする。だけれどあまねは動かない。そんなあまねを不機嫌な表情で睨む律月。
あまね(このまま帰ったら、私はまた殺されてしまう)(私だけじゃなく、お腹の子供も)
お腹に手を当てる。ぎゅっと唇を噛むと律月を見上げる。
あまね「勝手なことをして申し訳ありません」「ですが、龍泉院家に私の居場所はありません」
律月「どういうことだ?」
あまね(前回も、女中たちに意地悪をされていると訴えたけれど、信じてもらえなかった)「……説明したくありません」
律月「それでは分からない」
あまね「理解していただこうなど、思っていません」「家には戻りますが」「診療所を手伝うのを許してください」
深く腰を折り頭を下げる。
あまね(逃げ場所だけは作らなくては)(赤ちゃんのために、強くなるって決めたんだ)
震える手足の描写。律月、険しい顔のまま背を向ける。
律月「とにかく帰るぞ」
あまね、水都と医者を見る。ふたりともどうしていいか分からず、困った顔。
水都「あまね、とりあえず帰宅したほうがいいよ」「ここへはいつ来てもいいから」
医者「あぁ、人で不足だから手伝ってもらえると助かる」
あまね「ありがとうございます」頭を下げて、律月の後を追う。
〇場面転換
場所:龍泉院家の玄関。律月、靴を脱ぐと廊下をどんどん進んでいく。
紅葉「律月様、ご帰宅されたと思ったら出かけられて」「どちらに行かれたのですか?」「どうして穢れ……奥様も一緒に?」
律月、無言であまねの部屋の襖を開ける。がらんとして何もない部屋。
律月「この部屋を、あまねが使えるようにしろと言ったはずだ」
あまね「えっ?」(私の部屋は裏口に一番近い物置のはず)
青い顔で俯く紅葉。律月、今度は物置に向かい引き戸を開ける。窓がなく昼間でも薄暗い。湿気が多く、壁にはカビが生えていて埃っぽい。しなびた布団が部屋の端に畳まれている。
律月「これはどういうことだ」「あまねがこの部屋を望んだのか?」
問われ、ぶんぶんと首を振るあまね。
あまね(どうしてここが私の部屋だと知っているの?)(前回の人生では無関心だったのに)
律月、部屋の端にある箪笥を開け、中から破られた着物を取り出す。
律月「これは?」
紅葉「そ、それは! 奥様はご自分の思い通りにならないと癇癪を起こして……」「私達も困っているんです」焦りながら作り話で誤魔化そうとする。
あまね(前回も同じことがあった)
・回想
紅葉と律月が廊下で話しているのを、偶然立ち聞きするあまね。
紅葉「食べ物の好みも激しくて」「気に入らないと御膳をひっくり返すんです」「私達が『穢れ者』と悪口を言っていると思い込んでいて」「それに、頻繁に男性と会っていて……」
あまね(律月様は、初夜で妊娠した私の不貞を疑っているようだった)(信じてと言ったのに)(まるで確証を得ているようで)
・回想終了
あまね、小さくため息を吐く。
あまね(今回だって、私を信じてくれないはず)
律月「あまね、これはお前が自らしたのか?」
何を言ってもしかたないと諦めた顔で、あまねが俯いたまま首を振る。
律月「あまねは違うと言っている」
紅葉「それは! 奥様が嘘を言っているんです」
律月「俺はあまねを信じる。すぐに部屋を戻せ!」
驚いて顔を上げるあまね。律月は硬い表情であまねを見下ろす。
あまね「信じて……くださるんですか?」
律月「お前は……俺の妻だ」「信じると決めている」
〇場面転換
それからの日々をこま割で
【私の部屋は、律月様の部屋の隣に移された】【食事も時間があるときは一緒に摂ってくれる】【昼間数時間だけならと、診療所に通うのを許してくれた】部屋の様子、一緒に食事をする姿をコマ割りで描く。
場所:診療所
あまね、診療所の扉を開ける。
あまね「おはようございます」
医者「おはよう、来てくれて助かるよ」
医者の妻・幸(産婆)「昨日、お産があったから、洗濯してほしい布が沢山あるの。お願いできる?」医者の妻の容姿:髪を首の後ろでまとめた五十歳ぐらいの女性。てきぱきとした口調。医者は妻の尻に敷かれている。
水都「幸さんは相変わらず人使いが荒いねぇ。あまねは今来たところだよ。ほら、汗だくじゃないか」
水都、湯飲みに入った水を手渡す。
あまね「うわっ、行動が男前」
水都「だろう」
水都、ふざけてあまねに流し目を送る。
医者「男前はいいが、そのままじゃ嫁の貰い手がないぞ」
水都「いいよ。この国で女性に求められる生き方を、私はできない」「異国に行って、自分らしく生きる術を知ったんだ」「それに異国行を勧めたのは師匠だろう」
医者「だからって、ここまで開き直ると思っていなかった」「ま、お前が幸せならいいが」
医者が薬や包帯の準備を進める。あまね、幸から洗濯物を手渡される。
あまね「異国は、この国と違うの?」
水都「うん、女性が仕事をして、自分の意見も堂々と口にしていた」
あまね「それは、すごいわね」
水都「いつかこの国もそうなるといいな。ま、その頃にはあまねはお婆さんだけれど」
あまね「酷い! 同じ年なんだから、水都だってお婆さんになるんだからね!」
あまね、洗濯に行こうとして立ち眩みを起こして、その場にしゃがむ。幸が駆け寄り、あまねの脈をとる。
幸「顔色が良くないね。食べているかい?」
あまね「それが、食欲がなくて」(前回の人生では、まだ自分が妊娠していると知らなかった)(腐った食べ物ばかり出されて吐き気がしていたけれど)(つわりだったんだ)
幸があまねの顔をじっとみる。
幸「もしかしてだけれど、妊娠しているんじゃないの?」
あまね、頷く。
あまね「……月のものが三週間ほど遅れています」
うつむくあまね。水都、幸、医者が顔を見合わせ、ぱっと笑う。
水都「おめでとう」
幸「まぁ、おめでただね! 無理をしてはいけないわ」
医者「果物なら食べられるかい? 幸、もらった桃があっただろう」
幸「ええ、用意します」
水都が洗濯物を手にして、代わりに洗いにいく。医者はあまねの目を見たり、脈を測る。桃ののった皿を幸が持ってくる。
あまね(妊娠して祝福してもらえるなんて)
・回想
【前回の人生では、律月様は無言で頷くだけだった】【おめでとうと言ってくれなかった】
寄り添うように話す律月と佳穂理の姿。
女中「やっぱりあの二人はお似合いね」「どうして律月様は穢れ者と結婚したのかしら?」
「なんでも軍で穢れ者について調べているそうよ」「異能者同士からしか異能者は生まれない。穢れ者との間に生まれた子供は、どうなのかしら」
あまね(律月様にとって、私は穢れ者の実験台のようなものだった)
・回想終了
水都「ほら、あまねの分だよ」
ぼんやりしていたあまねは、出された皿にちょっと驚きながら受け取る
あまね「ありがとう」
水都「どういたしまして。私は子供が産めないから、あまねの子供は私の子供だと思って可愛がるよ!」
元気に笑う水都。
あまね(水都は三年前、十五歳で結婚した)(そして流産してもう子供を産めないと言われた)(前回も同じ言葉をくれた)
あまね「うん、私、この子を絶対に幸せにするんだ」
笑顔で決意を語るあまねに、三人が嬉しそうに笑う。
〇場面転換
場所:龍泉院家
あまね、お腹を撫でる。
あまね(前回、妊娠が分かったのは律月様が帰宅後だった)(律月様には妊娠したことをぎりぎりまで黙っていよう)(できるなら、子供ができたと分かる前に逃げたい)
外からおはやしが聞こえてくる。近くの神社で夏祭りがあることを思い出す。廊下から聞こえてくる女中の声
女中「あのね、彼が星祭で渡したいものがあるって言うの」「きゃぁ、それ絶対に簪よ!」「星祭で簪を渡され、愛を誓う……憧れるわ!」
子供の肌着を塗っていた手を止める。小さくため息を吐く。
あまね(前回、この時期、律月様はまだ地方にいた)(でも、佳穂理さんには簪を送っていた)
・回想
簪をつけた佳穂理が、女中と話しているのを聞くあまね。
佳穂理「内緒よ」
紅葉「分かっています。やはり、律月様の想い人は佳穂理様です! あぁ、あんな穢れ者、早く追い出せばいいのに」
・回想終了
廊下を歩く音に、顔を上げるあまね。律月が襖を開ける。※(律月の服:ジャケットにスラックスの洋装)
律月「今日は診療所へ行かないのか?」
あまね「はい、お祭りなので診療所も休みです」
律月「そうか、では出かけるぞ」
あまね「えっ、私とですか?」
戸惑うあまね。律月、あまねが縫い物をしていたのに気づき、近寄ってきてしゃがむ。
あまね「あっ、それは!」
律月「小さい……赤子の肌着?」
表情を険しくして、あまねを見る律月。あまねの手から、縫い物を奪う。
あまね「えっ、あの」(どうやって誤魔化そう)



