現在。
取調室で、黒川が最後の質問を投げかけた。
「……あなたが手をかけた、そういうことでいいですね?」
真琴は、少しだけ考えた後、こう答えた。
「私は……あの人を“殺そう”とは思っていませんでした。
でも、“死んでもいい”と思っていた。それが、“殺した”ことになるのなら……その罪は、受けます。」
「なぜ、遺書に“私が殺した”と書いた?」
「玲奈おばさまが、書いたんです。あの刺繍。最初から、自分の死に“意味”を持たせたかった。
私を罰することで、最後まで“純白”の自分でいようとした。
でも私は、黙って裁かれることで、その仮面を壊せると思ったの。」
「……あなたも、また“白”を演じたんですね。」
真琴は、穏やかに微笑んだ。
「ええ。でも、私はそれを“影”と呼ぶわ。雪に咲く影。白の中にしか見えない、本当の色よ。」
取調室の窓の外では、また雪が降り始めていた。
すべてを覆い隠し、すべてを静かに見下ろす、純白の雪。
だがその下には、誰にも知られない影が確かに、息づいている。
取調室で、黒川が最後の質問を投げかけた。
「……あなたが手をかけた、そういうことでいいですね?」
真琴は、少しだけ考えた後、こう答えた。
「私は……あの人を“殺そう”とは思っていませんでした。
でも、“死んでもいい”と思っていた。それが、“殺した”ことになるのなら……その罪は、受けます。」
「なぜ、遺書に“私が殺した”と書いた?」
「玲奈おばさまが、書いたんです。あの刺繍。最初から、自分の死に“意味”を持たせたかった。
私を罰することで、最後まで“純白”の自分でいようとした。
でも私は、黙って裁かれることで、その仮面を壊せると思ったの。」
「……あなたも、また“白”を演じたんですね。」
真琴は、穏やかに微笑んだ。
「ええ。でも、私はそれを“影”と呼ぶわ。雪に咲く影。白の中にしか見えない、本当の色よ。」
取調室の窓の外では、また雪が降り始めていた。
すべてを覆い隠し、すべてを静かに見下ろす、純白の雪。
だがその下には、誰にも知られない影が確かに、息づいている。
