──大したカメラテクニックもなく、まして何も教えてはくれない先輩に、せめて貼り付いて覚えようと、始終その後をついて回った。
時には「うっとうしい!」となじられ、「ついてくんな!」と怒鳴られたりもしたが、何度もめげずにそうするうちに、いつしか先輩が咎めることはなくなった。
そうしてある日の放課後──、
カメラを手にした先輩が向かったのは、校舎の裏手にある墓地だった──。
とある墓標の前で、カメラを胸に固く抱えて立ちすくむその姿を、僕はひっそりと写真にとどめた。
「そろそろコンテスト用の写真を選定するから、ちょっと出してみろよ」
先輩からそう言われて、撮りためた写真を、作業台に並べて広げた。
すると、中に、あの時の写真が混じっているのが目に入った。
脆く儚く胸に響く憧憬に、思わずシャッターを切ってしまったが、同意もなく撮ったものでもあったので、コンテストには出さないつもりでいた。
なのにいつの間にか、そこに混じってしまっていた。
先輩の目がその一枚を捕らえるのを見て、慌ててしまおうと手を出した。
「すいません、これは……っ!」
「……しまわなくていい」
先輩の声が低く止める。
「……勝手に撮って、すいません」
頭を下げて謝ると、「いい」とだけ先輩は口にして、それを手に取った。
時には「うっとうしい!」となじられ、「ついてくんな!」と怒鳴られたりもしたが、何度もめげずにそうするうちに、いつしか先輩が咎めることはなくなった。
そうしてある日の放課後──、
カメラを手にした先輩が向かったのは、校舎の裏手にある墓地だった──。
とある墓標の前で、カメラを胸に固く抱えて立ちすくむその姿を、僕はひっそりと写真にとどめた。
「そろそろコンテスト用の写真を選定するから、ちょっと出してみろよ」
先輩からそう言われて、撮りためた写真を、作業台に並べて広げた。
すると、中に、あの時の写真が混じっているのが目に入った。
脆く儚く胸に響く憧憬に、思わずシャッターを切ってしまったが、同意もなく撮ったものでもあったので、コンテストには出さないつもりでいた。
なのにいつの間にか、そこに混じってしまっていた。
先輩の目がその一枚を捕らえるのを見て、慌ててしまおうと手を出した。
「すいません、これは……っ!」
「……しまわなくていい」
先輩の声が低く止める。
「……勝手に撮って、すいません」
頭を下げて謝ると、「いい」とだけ先輩は口にして、それを手に取った。
