蒼い椿椿と騎士科の少女

【一章】

「わぁ…!」
立派な門、創星騎士魔術学院の校門の前で長い銀髪で、紫紺の瞳を持つ少女、エルナ・アイゼンがいた。
この創星騎士魔術学園には騎士科、魔術科の二つの科があり、入学生たちは一人ずつ「選定の儀」という儀式を受けて、どちらの科に入学するかが決まる。
エルナの実家、アイゼン家は代々魔術士を輩出する由緒ある家だ。
(きっと、私も魔術科だよね)
エルナは、魔術士の由緒ある家系の子孫であることに多少の誇りを持ってはいるが、個人的には魔術士よりも、剣を握って戦う騎士の方が好きだったりする。
まあ、そんなことを思ってもどの家に生まれるかなんて自分で選ぶことはできないから、意味がないのだが。
エルナは校門をくぐり、新入生の集合場所である体育館の前に集まった。クラス分けは選定の儀をしないとできないため、まだ教室に入れないのだ。
体育館の前にはもう、たくさんの新入生が集まってガヤガヤとしていた。
「エルナ、立派な魔術士になれるよう頑張るんだぞ」
「はい。お父様」
父親から声をかけられる。父親は、エルナが魔術科に行くと疑っていないようだった。

ふと視線を感じてエルナは後ろを振り返った。その先にいたのは、整った顔立ちをした背の高い青年がいた。
(かっこよ… あれはモテそうだな)
そう思いながら青年の方を見つめると、青年の蒼い瞳がこちらを向き、視線が交差した。
そのまま前を向くのも失礼かと思い、とりあえず会釈をしておく。すると、青年の蒼い瞳がびっくりしたかのように見開かれた。
(…? なんだろう?)
少し疑問に思いながら、少し気まずかったので前を向いた。

「新入生の皆さんは、入学式及び選定の儀を始めますので、体育館の中に入場してください。」
いつの間に来ていたのか、教師のような人がそう言い、入学生たちがぞろぞろと体育館の中に入っていった。