【五章】
第二回合同練習から何ヶ月かたち、季節は秋に移り変わろうとしていた。
秋といえばこの創星騎士魔術学院では文化祭が行われ、それぞれ騎士科と魔術科で一学年二人ずつ代表者が試合を行う催しがある。
代表者はその科のその学年で強い二人が選ばれるため、選ばれるためにいつもより学校内がずっと活気だっていた。
そんな中の実技の授業中のことだ。
「──おっと、危ねえ!」
レインが私の刺突を、紙一重で首を傾げて躱す。
今の私たちが使えるのは、身体強化なんていう便利な魔法ではない。お互いに番契約をしていないため、筋力もスピードも普通の人間と同じだ。
だけど、だからこそ私たちはこの数ヶ月、純粋な『剣の技術』と『体捌き』だけで、身体強化を使う周りの生徒たちに勝てるよう、血の滲むような特訓を重ねてきた。
「はぁっ!」
「うおっ!?」
回り込みながら放った私の鋭い一撃が、レインの木剣を綺麗に弾き飛ばし、その喉元でピタリと止まる。
「……そこまで。私の勝ち、だね」
「参った! まじかよエレナ、身体強化なしの生身同士の戦いなら、もう完全に俺より上じゃん。お前、本当にあの『出来損ない』って言われてた奴か?」
レインが頭を掻きながら、呆れたように、でも嬉しそうにニカッと笑う。
今やクラスの誰も、私のことをそんな風に呼ぶ者はいなかった。
第二回合同練習から何ヶ月かたち、季節は秋に移り変わろうとしていた。
秋といえばこの創星騎士魔術学院では文化祭が行われ、それぞれ騎士科と魔術科で一学年二人ずつ代表者が試合を行う催しがある。
代表者はその科のその学年で強い二人が選ばれるため、選ばれるためにいつもより学校内がずっと活気だっていた。
そんな中の実技の授業中のことだ。
「──おっと、危ねえ!」
レインが私の刺突を、紙一重で首を傾げて躱す。
今の私たちが使えるのは、身体強化なんていう便利な魔法ではない。お互いに番契約をしていないため、筋力もスピードも普通の人間と同じだ。
だけど、だからこそ私たちはこの数ヶ月、純粋な『剣の技術』と『体捌き』だけで、身体強化を使う周りの生徒たちに勝てるよう、血の滲むような特訓を重ねてきた。
「はぁっ!」
「うおっ!?」
回り込みながら放った私の鋭い一撃が、レインの木剣を綺麗に弾き飛ばし、その喉元でピタリと止まる。
「……そこまで。私の勝ち、だね」
「参った! まじかよエレナ、身体強化なしの生身同士の戦いなら、もう完全に俺より上じゃん。お前、本当にあの『出来損ない』って言われてた奴か?」
レインが頭を掻きながら、呆れたように、でも嬉しそうにニカッと笑う。
今やクラスの誰も、私のことをそんな風に呼ぶ者はいなかった。
