蒼い椿椿と騎士科の少女

【プロローグ】

明治日本。
人々は、鉄道を敷くために山を切り開き、産業の発展、近代化を進めるために自然を破壊していった。
そのせいで、古くから土地に流れていた霊脈が断ち切られ、汚されていき、そこからドス黒い「瘴気」が吹き出してきてしまった。
瘴気は、人々の不安を糧に成長をし、魔物へと発展をする。魔物は人々を襲い、時には喰らう。

そんな魔物に対抗できるのは、国家に選ばれた「騎士」と「魔術士」のみ。そして彼らが真の力を発揮するには、学院に通う六年間のうち三年の間に異性のパートナーと「番(つがい)契約」を交わさねばならない。
守るべき国のため、自らの未来のため。
少年少女たちが運命の岐路に立たされる、六年間全寮制の学び舎、創星騎士魔術学院。

代々、高貴なる魔術士を輩出してきた名門・アイゼン家の長女であるエルナもまた、その門をくぐろうとしていた。
誰もが彼女は優秀な魔術士になるだろうと疑わない中で。
すべての運命が決まる「選定の儀」の幕が、今、上がる――。