誰かの感情を、代わりに伝える仕事がある。
そう言うと、大抵の人は冗談だと思う。でも実際に、それを生業にしている人間は存在する。
別れを切り出せない人の代わりに、関係に終わりを告げる。謝れない人の代わりに、頭を下げる。もう会えない誰かへ、最後の言葉を届けることもある。
中には、退職の意思を上司に伝えてほしい、なんて依頼もある。
理由は様々。
怖いから。傷つけたくないから。あるいは、自分の口で言ってしまえば、取り返しがつかなくなるから。
そういう言葉を、私は預かる。
感情ごと引き受けて、一言も違えずに、相手に届ける。そのとき、私自身の感情は一切挟まない。
それが、感情代行人の仕事。
今年でこの仕事も五年目。
かなり板に付いてきたのか、自分の感情を切り離して取り組むことが出来ている。
後輩もできて、よく「無感情のやり方」を聞かれるようになった。私はその時にこう答える。
「どうせ自分の言葉ではないんだから、何を言われても、他人が言われていると思えばいいんだよ。それが、この仕事の本質だしね」
そう言うと、大抵の返事はこうだ。
「それが出来ないから聞いてるんすよ~、俺この仕事向いてないのかな~」
彼らはきっと、自分の感情を表に出すことに抵抗がないんだと思う。だから、他人の感情を自分と分離することが出来ない。その性質を持ち合わせていると確かに、この仕事には向いてないのかもしれない。
「一ノ瀬、これ次の依頼」
会社に出勤したのと同時に、事務職の田中さんから次の依頼書を貰った。デスクに座って資料を開く。次の依頼は何だろう。三月に入ってから、退職代行の仕事が一気に増えた。感情を代行する仕事だから依頼の内容は何でもいいけれど、こうも同じ言葉の依頼を受けていると、正直つまらない。変化が欲しいと思い始めていた。
「えーっと次は…好きな人に、好きを伝えてほしい…?」
この仕事を始めて五年が経ったけれど、告白の代行人をするのは初めて。正直、恋愛が絡んでいる依頼を、私は毛嫌いしてしまう。以前に別れの代行人をした際、相手の男性に水やパフェをぶっかけられると言う、散々な目に遭ったからだ。
「一ノ瀬さん、次の依頼何でした?」
後輩の佐藤が私の依頼書を覗き込んできた。彼は一瞬で眉間に皺を寄せてみせた。
「うわー、告白なんて自分でするからいいのに。何で代行に頼むんすかね~」
本当にその通り。と言いたいところだけれど、私自身、昔に好きと言えずに終わった恋がある身分だからか、そんな大それた事は、この依頼人に言えない。好きな人に、好きの二文字が言えない気持ちはよく分かる。
依頼書を読み進めていくと、この依頼人はある事情があってどうしても想い人に気持ちを伝えられないと言う。
その事情と言う障害が気になるところだけれど、依頼人と直接コンタクトを取らないのがこの仕事のルールだ。私達代行人は、この依頼書に記されている言葉のみで、この仕事を遂行する。そして会社の規定により、細かく記されていなかった場合、依頼は見送られる。
相手の男性の事は細かく書いてあるだろうと、依頼書を捲ってみる。すると、どうだ。大抵は、相手の名前と職場、年齢と見た目の情報が書かれているものなのに、この依頼書にはそれらの情報が一切載っていない。その代わりに、不思議な情報が記されていた。
・毎週水曜日に喫茶『しずく』の、時計にいちばん近い窓際に座っている男性
・コーヒーを飲みながら読書をしている。
・本の題名は『せせらぎの先』
この三つの情報のみ。
そして一つ、星マークの付いた条件が書かれていた。
☆私の名前は最後に伝えてください。途中で彼から尋ねられても、絶対に言わないでください。
白石架純という名前を言わずに、相手に告白をしてほしいと言う謎の依頼。相手の男性の情報も不確かだし、こんな依頼は初めてだ。
私にこの依頼書を渡してきた田中さんに確認してみると、「一ノ瀬のキャリアなら、熟せる依頼だと思った」と、何とも他人任せな言葉が飛んできた。
期待されているのだと受け取って、やりきるしかない。今回も、自分の感情を切り離して、悠々と代行人の仕事を熟してみせる。と、意気込んでいると、依頼書に挟まっていた封筒が足に当たって落ちた。
「それ、その手紙に書いてある内容を伝えてほしいってさ」
私の様子を見ていた田中さんが声が飛ばす。好きを伝えてほしいと言う依頼だけど、「好き」を口にするだけではないみたい。何だか今回の依頼は、従来とは違う所が多くて、私の代行人の仕事としての力試しの機会になりそうだ。
水曜日、喫茶『しずく』の前に到着。外からざっと見た感じだと、依頼人の言う男性はまだ来ていないみたい。
鈴の音と共に入店する。店内に居るのは老夫婦が一組と、女子高生二人組のみ。緩やかな音楽に、温もりのある木造の喫茶店。少し肌寒い今日は、店内がより心地よく感じる。
「こんにちは、お好きなお席にどうぞ」
エプロンを付けた若い女の子が声をかけてきた。カウンターの奥にいる白髪のマスターととても親しそう。
私は一度カウンターに座り、窓際の席に男性が来るのを待つことにした。
コーヒーを頼み、飲み始めて十分程経つと、入口の鈴が鳴った。振り向くと、そこに居たのは手を繋いで来店した老夫婦。窓際に居る仲のいい老夫婦と、どうやら知り合いみたい。ダブルデートのように並んで座る姿は、とても微笑ましい。マスターとも仲良く話していて、常連客のようだ。
微笑ましく眺めていると、私はある事にハッとした。依頼書に何時頃と言う指定がなかったから、なんとなく昼に来てしまったけれど、もしかしたらもう既に帰ってしまっているかもしれない。慣れない分野の依頼だからか、昨日から緊張していてドジをしてしまった。慌てて時計にいちばん近い窓際の席を見ると、予約と書かれた紙を持っている、クマの置物がポツリと寂しそうに置かれていた。
「あの、すみません。あの席を予約された方って、男性の方ですか?」
カウンターの方に戻ってきたマスターに声をかける。いきなり怪しい質問をしたにも関わらず、マスターはすんなりと応えてくれた。
「そうですよ。あの席は毎週予約席でね。僕も今、彼が来るのを待ってるんだ、そろそろじゃないかな」
時刻は午後一時を回ろうとしている。時計の長い針が、数字の十二を指した時、入口から鈴の音がした。
「っ、…え?」
私は待っていたはずの男性の姿を見た瞬間、あまりの驚きに思わず反射的に顔を背け、変な汗が止まらなくなった。マスターと挨拶を交わしてから、あの予約席に座った男性の姿をもう一度見直す。
やっぱり、古賀くん、だよね…?
間違いない。彼はあの古賀くんだ。この私が、彼を見間違うはずがない。学生の頃に席が隣で、休み時間はいつも本を読んでいた、古賀悠人くん。そして、私が恋焦がれていた「好き」が言えなかった相手。
私はお店を出て、急いで田中さんに電話をかけた。
「田中さん、この依頼、無理かもしれません」
「何言ってるの、もう受けちゃってるのに」
「や、あの、緊急事態と言いますか、その、告白する相手が…」
「ん?相手の男性が?なに?」
「…昔の、好きな人なんです」
「…だれの?」
「私の!」
「…わーお、すごい偶然」
「そうなんです、奇跡起きてるんです、だから…」
「いやいや、昔の好きな人だからって、別に今も好きとかじゃないでしょう?」
「そうですよ?そうだけど…」
「どんな依頼でも熟すエースの一ノ瀬が珍しいね、慌てちゃって」
「いやだって、びっくりして…」
「いい?これは仕事よ。あんた言ってたじゃない、どうせ自分の言葉じゃない、それがこの仕事の本質って。動揺してこんな電話かけてきてないで、依頼人の言葉をただ預かって、ただ伝えればいいの。あんたのキャリアならそれくらい出来るでしょ」
「うぅ…はい、出来ます…」
「よし、頑張れ。じゃ、終わったら報告よろしく」
私の意思は受け入れてもらえず、そのまま電話がきれた。今の会話中、声色のトーンが全く変わらなかった田中さんの方が、私よりもこの仕事に向いている気がする。
空を見上げて、大きく深呼吸をした。私は今日、キャリアを評価されてここに来ている。そして、五年この仕事を続けてきて、もう熟ない依頼はないと断言してきた。動揺なんて一切せずに、むしろ気づかれないうちに淡々と手紙を読み上げて、仕事を終わらせてやる。そう心に決めて、胸を軽く叩いた。
「慌てて出てかれましたけど、大丈夫でしたか?」
「あぁ大丈夫です、仕事の電話で…」
カウンターに戻ると、店員さんが声をかけてくれた。慌ててのどが乾いたのか、むせ返りそうな喉を抑えて、残りのコーヒーを一気に飲みきった。
ふと彼をみると、彼はあの頃と変わらない姿で本を読んでいて、表紙には『せせらぎの先』の文字。その表紙に何故か懐かしさを感じながらも、依頼人の相手が彼だと確信をした。
悪い夢なら覚めてくれと、何度見直しても、そこに居るのはやっぱり彼だ。あの頃のままの横顔に、懐かしさが溢れ出す。
私はなんだか、もう少しだけここから彼の姿を、私として見つめていたいと思ってしまった。そこからは、彼のアイスコーヒーが汗をかくまで、静かに眺めた。
つい先程決意した気持ちとは裏腹に、彼のページをめくる手を懐かしく思った。
そう言うと、大抵の人は冗談だと思う。でも実際に、それを生業にしている人間は存在する。
別れを切り出せない人の代わりに、関係に終わりを告げる。謝れない人の代わりに、頭を下げる。もう会えない誰かへ、最後の言葉を届けることもある。
中には、退職の意思を上司に伝えてほしい、なんて依頼もある。
理由は様々。
怖いから。傷つけたくないから。あるいは、自分の口で言ってしまえば、取り返しがつかなくなるから。
そういう言葉を、私は預かる。
感情ごと引き受けて、一言も違えずに、相手に届ける。そのとき、私自身の感情は一切挟まない。
それが、感情代行人の仕事。
今年でこの仕事も五年目。
かなり板に付いてきたのか、自分の感情を切り離して取り組むことが出来ている。
後輩もできて、よく「無感情のやり方」を聞かれるようになった。私はその時にこう答える。
「どうせ自分の言葉ではないんだから、何を言われても、他人が言われていると思えばいいんだよ。それが、この仕事の本質だしね」
そう言うと、大抵の返事はこうだ。
「それが出来ないから聞いてるんすよ~、俺この仕事向いてないのかな~」
彼らはきっと、自分の感情を表に出すことに抵抗がないんだと思う。だから、他人の感情を自分と分離することが出来ない。その性質を持ち合わせていると確かに、この仕事には向いてないのかもしれない。
「一ノ瀬、これ次の依頼」
会社に出勤したのと同時に、事務職の田中さんから次の依頼書を貰った。デスクに座って資料を開く。次の依頼は何だろう。三月に入ってから、退職代行の仕事が一気に増えた。感情を代行する仕事だから依頼の内容は何でもいいけれど、こうも同じ言葉の依頼を受けていると、正直つまらない。変化が欲しいと思い始めていた。
「えーっと次は…好きな人に、好きを伝えてほしい…?」
この仕事を始めて五年が経ったけれど、告白の代行人をするのは初めて。正直、恋愛が絡んでいる依頼を、私は毛嫌いしてしまう。以前に別れの代行人をした際、相手の男性に水やパフェをぶっかけられると言う、散々な目に遭ったからだ。
「一ノ瀬さん、次の依頼何でした?」
後輩の佐藤が私の依頼書を覗き込んできた。彼は一瞬で眉間に皺を寄せてみせた。
「うわー、告白なんて自分でするからいいのに。何で代行に頼むんすかね~」
本当にその通り。と言いたいところだけれど、私自身、昔に好きと言えずに終わった恋がある身分だからか、そんな大それた事は、この依頼人に言えない。好きな人に、好きの二文字が言えない気持ちはよく分かる。
依頼書を読み進めていくと、この依頼人はある事情があってどうしても想い人に気持ちを伝えられないと言う。
その事情と言う障害が気になるところだけれど、依頼人と直接コンタクトを取らないのがこの仕事のルールだ。私達代行人は、この依頼書に記されている言葉のみで、この仕事を遂行する。そして会社の規定により、細かく記されていなかった場合、依頼は見送られる。
相手の男性の事は細かく書いてあるだろうと、依頼書を捲ってみる。すると、どうだ。大抵は、相手の名前と職場、年齢と見た目の情報が書かれているものなのに、この依頼書にはそれらの情報が一切載っていない。その代わりに、不思議な情報が記されていた。
・毎週水曜日に喫茶『しずく』の、時計にいちばん近い窓際に座っている男性
・コーヒーを飲みながら読書をしている。
・本の題名は『せせらぎの先』
この三つの情報のみ。
そして一つ、星マークの付いた条件が書かれていた。
☆私の名前は最後に伝えてください。途中で彼から尋ねられても、絶対に言わないでください。
白石架純という名前を言わずに、相手に告白をしてほしいと言う謎の依頼。相手の男性の情報も不確かだし、こんな依頼は初めてだ。
私にこの依頼書を渡してきた田中さんに確認してみると、「一ノ瀬のキャリアなら、熟せる依頼だと思った」と、何とも他人任せな言葉が飛んできた。
期待されているのだと受け取って、やりきるしかない。今回も、自分の感情を切り離して、悠々と代行人の仕事を熟してみせる。と、意気込んでいると、依頼書に挟まっていた封筒が足に当たって落ちた。
「それ、その手紙に書いてある内容を伝えてほしいってさ」
私の様子を見ていた田中さんが声が飛ばす。好きを伝えてほしいと言う依頼だけど、「好き」を口にするだけではないみたい。何だか今回の依頼は、従来とは違う所が多くて、私の代行人の仕事としての力試しの機会になりそうだ。
水曜日、喫茶『しずく』の前に到着。外からざっと見た感じだと、依頼人の言う男性はまだ来ていないみたい。
鈴の音と共に入店する。店内に居るのは老夫婦が一組と、女子高生二人組のみ。緩やかな音楽に、温もりのある木造の喫茶店。少し肌寒い今日は、店内がより心地よく感じる。
「こんにちは、お好きなお席にどうぞ」
エプロンを付けた若い女の子が声をかけてきた。カウンターの奥にいる白髪のマスターととても親しそう。
私は一度カウンターに座り、窓際の席に男性が来るのを待つことにした。
コーヒーを頼み、飲み始めて十分程経つと、入口の鈴が鳴った。振り向くと、そこに居たのは手を繋いで来店した老夫婦。窓際に居る仲のいい老夫婦と、どうやら知り合いみたい。ダブルデートのように並んで座る姿は、とても微笑ましい。マスターとも仲良く話していて、常連客のようだ。
微笑ましく眺めていると、私はある事にハッとした。依頼書に何時頃と言う指定がなかったから、なんとなく昼に来てしまったけれど、もしかしたらもう既に帰ってしまっているかもしれない。慣れない分野の依頼だからか、昨日から緊張していてドジをしてしまった。慌てて時計にいちばん近い窓際の席を見ると、予約と書かれた紙を持っている、クマの置物がポツリと寂しそうに置かれていた。
「あの、すみません。あの席を予約された方って、男性の方ですか?」
カウンターの方に戻ってきたマスターに声をかける。いきなり怪しい質問をしたにも関わらず、マスターはすんなりと応えてくれた。
「そうですよ。あの席は毎週予約席でね。僕も今、彼が来るのを待ってるんだ、そろそろじゃないかな」
時刻は午後一時を回ろうとしている。時計の長い針が、数字の十二を指した時、入口から鈴の音がした。
「っ、…え?」
私は待っていたはずの男性の姿を見た瞬間、あまりの驚きに思わず反射的に顔を背け、変な汗が止まらなくなった。マスターと挨拶を交わしてから、あの予約席に座った男性の姿をもう一度見直す。
やっぱり、古賀くん、だよね…?
間違いない。彼はあの古賀くんだ。この私が、彼を見間違うはずがない。学生の頃に席が隣で、休み時間はいつも本を読んでいた、古賀悠人くん。そして、私が恋焦がれていた「好き」が言えなかった相手。
私はお店を出て、急いで田中さんに電話をかけた。
「田中さん、この依頼、無理かもしれません」
「何言ってるの、もう受けちゃってるのに」
「や、あの、緊急事態と言いますか、その、告白する相手が…」
「ん?相手の男性が?なに?」
「…昔の、好きな人なんです」
「…だれの?」
「私の!」
「…わーお、すごい偶然」
「そうなんです、奇跡起きてるんです、だから…」
「いやいや、昔の好きな人だからって、別に今も好きとかじゃないでしょう?」
「そうですよ?そうだけど…」
「どんな依頼でも熟すエースの一ノ瀬が珍しいね、慌てちゃって」
「いやだって、びっくりして…」
「いい?これは仕事よ。あんた言ってたじゃない、どうせ自分の言葉じゃない、それがこの仕事の本質って。動揺してこんな電話かけてきてないで、依頼人の言葉をただ預かって、ただ伝えればいいの。あんたのキャリアならそれくらい出来るでしょ」
「うぅ…はい、出来ます…」
「よし、頑張れ。じゃ、終わったら報告よろしく」
私の意思は受け入れてもらえず、そのまま電話がきれた。今の会話中、声色のトーンが全く変わらなかった田中さんの方が、私よりもこの仕事に向いている気がする。
空を見上げて、大きく深呼吸をした。私は今日、キャリアを評価されてここに来ている。そして、五年この仕事を続けてきて、もう熟ない依頼はないと断言してきた。動揺なんて一切せずに、むしろ気づかれないうちに淡々と手紙を読み上げて、仕事を終わらせてやる。そう心に決めて、胸を軽く叩いた。
「慌てて出てかれましたけど、大丈夫でしたか?」
「あぁ大丈夫です、仕事の電話で…」
カウンターに戻ると、店員さんが声をかけてくれた。慌ててのどが乾いたのか、むせ返りそうな喉を抑えて、残りのコーヒーを一気に飲みきった。
ふと彼をみると、彼はあの頃と変わらない姿で本を読んでいて、表紙には『せせらぎの先』の文字。その表紙に何故か懐かしさを感じながらも、依頼人の相手が彼だと確信をした。
悪い夢なら覚めてくれと、何度見直しても、そこに居るのはやっぱり彼だ。あの頃のままの横顔に、懐かしさが溢れ出す。
私はなんだか、もう少しだけここから彼の姿を、私として見つめていたいと思ってしまった。そこからは、彼のアイスコーヒーが汗をかくまで、静かに眺めた。
つい先程決意した気持ちとは裏腹に、彼のページをめくる手を懐かしく思った。


