勾玉遊戯:過去編1990-2000

09



      ☆

 翌朝。
 ――今ごろ……みんな、どうしてるかな……。
 寝台の中で、司は思った。
 今日は文化祭初日。
 全身、重くて起き上がれない。
 柚真人はたぶん、もう学校だろう。
 ――馬鹿みたい……。
 俗に言う、知恵熱だろうか。それとも風邪だろうか。
 ――本当、あたしってどうしようもない馬鹿……。
 悩んでもどうしようもないことで悩み、熱まで出すなんて。
 愚かしい。
 情けない。
 馬鹿馬鹿しい――。


 ――わかんないよ。……どんな顔して、あえばいいの……。


 兄にも。いとこにも。友人達にも。
 いまは合わせる顔がない。自分が、どうなってしまうかもわからない。
 制御出来ない。
 ――これって……病欠じゃないからズル休み……か、やっぱ。
 サイテー。


 季節が巡って。
 司の心は、闇へと一歩、踏み出した。