とある大正新婚夫婦の異世界転移サバイバル!日記 〜動植物学者の父に鍛えられたマイペース妻の知識がチートすぎて、未知の魔境を無双でまったり開拓していきます〜

千草が、祥吾にお願いがあるという
料理の指南書のようなものがないかということだった

「千草は料理は上手じゃないか」
「とんでもありません 私などまだまだ未熟者でございます」

「謙遜しなくてもいい 俺は千草の料理はうまいと思っているぞ」

祥吾の言葉に、頬を染めて嬉しそうに笑う千草。
しかし、すぐに

「旦那様にご満足いただけているとは、
 こんな嬉しいことはございません」
 けれど、これに満足することなく
 精進しなければ」

ぐっと拳を握り、真剣な顔をする。
その勢いに気圧され気味の祥吾

「ま、まあ、あまり無理をせずにな」
「ありがとうございます
 時に旦那様」
「なんだ」
「西洋菓子はお好きでしょうか?」

「そうだな、俺は下戸ではないが、
 どちらかといえば、甘いものの方が好きだな
「それはようございました
 実は、西洋菓子を作ってみようかと思いまして」
「それは楽しみだ」

千草も楽しそうに言う

「はい、私も初めていただきますので楽しみです」

その物言いが、少し気になった祥吾は、何気なしに聞いた

「お菓子など子どもの頃に、よく食べていたのではないのか?」

「いえ、私は食べたことはございませんでした
 子どもの頃の甘いもと言えば、花の蜜や森の果実でしょうか
 あれは、なによりのごちそうでしたわ
 けれど、あまり量がありませんので——」

なおも、子どもの頃の美味しかったものを、懐かしそうに語る千草

その顔を見ながら、いろんなお菓子を作ってもらおうと決心する祥吾だった。