「……永遠ちゃん、自分の姿を見てごらん」
静かに体を離される。
横から風が吹いてきて、スースーとした余韻に羽生先輩の体の熱さを知った。
自分の体を見下ろす。
純白が映えるセーラー服。
それが赤に染まっていた。
「……これは」
「言いにくいけど、血だね」
ほら僕にも、と
どこか嬉々としながら羽生先輩は自身の服の布を引っ張った。
絶対にテンション間違ってる。
皺のないカッターシャツ。
そこには、私と同様、おびただしいほどの赤が付着していた。
「お互い血まみれってなんですか」
「おそろいなのは嬉しいよね」
「いやそういうことではなく」
困惑はした。
けど、そのわりに冷静に現状を見つめられている自分がいる。
やけに頭がすっきりしている。
そして、アホらしくピンと来て、頓珍漢なことを口走っていた。
「はは、分かりました。ここはあの世ですね」
こんな出血していて、なのにピンピンしていて。
痛みもなく。おまけに綺麗な景色ときた。
うん、合点がいく。
私の生きていた世界にここまで美しい空などあるもんか。
