どこかのお話みたいに、もしかしたら羽生先輩が天使となって私のことをここへ連れて来てくれたのかもしれない。
そんなことを考えてしまう。

ここはあの世。
私も、隣の優しい人も死んでしまった。

なら今だけは
面白おかしいかけ蕎麦なんか食べている間くらいは

いくらでも泣かせてあげていいのかもしれない。


「羽生、先輩」


泣き虫な先輩を抱き寄せる。
するとなにかに耐えるようにセーラー服の布を強く握られた。


なぜ泣くのだろう。悩むのだろう。
あなたに降り注ぐ苦痛を私が減らしてあげることができないだろうか。

背中をさすれば


「どこにもいかないで、永遠ちゃん」


濡れ切った声が、鼓膜を侵食した。