朝焼けか、夕焼けか。
どちらとも取れる風景の中を歩いていく。
綺麗だ。本当に。
あの世の仕組みなんて知らないけど、こんないい所に上がってこられるのなら死んで良かったかもしれない。
「しかし、景色はあれどそれ以外はなにもありませんね」
延々と続く道。
地平線にかけてどこまでも伸びている。
依然痛む腹部を抑えながら、羽生先輩の手を支えに足を進める。
「……ねぇ大丈夫?やっぱりそこ痛いんでしょ」
「痛くありません」
「汗出てる」
「はは、あまりの空腹に目眩がしてるんですよ」
「永遠ちゃん」
「それに、こうでもしていないと腹の虫が元気よく鳴きそうですので」
「もう、きみって子は……」
羽生先輩は私に対して絶対に声を荒げたりしない。
そんな甘えと信頼を数グラム含んだ軽口がぽろぽろと出てくる。
ごめんなさい先輩。楽しくて。
こんなに心地いい気持ちはじめてだから。
痛みとふわふわとした高揚感が混ざった今に、ものすごく生を感じる。
あぁ違う。死んでいるんだった。
自然と口角が上がっていくのを感じた。
