憑かれ告られ愛となれ、そして友となれ!

 進級して、俺は三年、航琉くんは二年になった。
 航琉くんが冬生まれ、俺が春生まれのため、数字だけ見たとしても同い年になる瞬間がない。今が一番年齢が近い! と思い、前々から気にしていたことを言ってみた。
「あのさ、敬語……やめにしない? 俺のほうがどうしたって年上だけど、距離感とか壁があるのは寂しいじゃん」
 航琉くんはきょとんとした顔をして、顎に手を置いて考えている。
「僕のこれはある種のぶりっこと言うか……後輩らしくて可愛らしいかな、と思って。それに、夫婦みたいで素敵だな、と」
「めおと」
 それって古き悪しき習慣ってヤツじゃねぇのかなぁ……? 自らやりたいなら良いか……?
「でも……そうだね。燈李さんに近付けるのは嬉しいから、たまには敬語、とるね」
「うっ……!!!」
 微笑んで見つめられてしまって、俺は、なんかこう、大変だった。刺激が強すぎる。

 暁にも聞いておきたいことはあった。
「今更なんだけど、タメ口で大丈夫? あと暁って呼んじゃってるけど、平気?」
 名前、嫌いだって言ってたよな。厳密には本人が言ってたわけじゃないけど……。
「嫌なら嫌と言う言語能力くらいある」
 なるほど。こういう回りくどいときは、大概照れ隠しだ。
「つまり、むしろ呼ばれるのは嬉しい?」
「そこまでは言ってない」
「言ってないだけで思ってる?」
 わー、すんごい睨んできた。
 こちらは笑顔を返してやる。
「この野郎……!!!」
 "お前"から"この野郎"に昇格。
 暁は俺のほっぺたをつまんで引っ張った。特に痛くはない。
 誇り高き俺のほっぺたは引っ張られるがままよく伸び、暁は驚いた顔をした後しばらく上下左右に伸ばして遊んでいた。