憑かれ告られ愛となれ、そして友となれ!

 色の付いた液体が入った大きなコップを持っている。コップと液体は、俺自身だ。
 他の人のコップの液体が少なくなっていた。
 誰かが俺のコップからその人のコップに液体を注ぐ。
 その人のコップの中身は、量が少なかったから元の色がわからない。今は俺のコップの中身と同じ色になっている。
 外に出る。雪がちらついている。
 歩道橋を通り、学校へ向かう。

 首に苦しさを感じて目が覚めた。お守りをつけたまま眠りにつき、寝返りを打って危うく首が締まるところだった。
 時計を見る。午前3時過ぎを示している。
 今のは夢だ。意味のわからない、ただの夢。
 だけど、窓の外では雪がちらついている。
 予感めいたものが、心の奥底でざわついている。ただの夢だと片付けて、また眠っていいとは思えない。
 歩道橋は、うちから学校への道にはない。航琉くんの家から学校に向かう道にある。
 ――「誰も居ないところに一人で行くときは、連絡を下さい」――
 連絡……夜中だから、電話はやめておいたほうがいいか? もし本当にただの夢で、具合が悪い中電話を掛けたら着信音で起こしてしまわないか?
 雪が降っている。
 考えている暇が、あるのか?
 『学校に行ってくる』
 俺はそうメッセージを送信した。既読はつかない。
 『愛してる。戻ったらシラフで言うから』
 ……キザだな。これはやめておこう。送ろうとして、こちらは消した。こういうときだけカッコつけて、普段言わないのは良くない。好きと言えたのは二回だけ。しかもそのうち一回は朦朧としていたときのことだ。
 もっと普段から愛を伝えるぞと気合いを入れて、俺はコートを羽織り学校に向かった。