――きゃははっ! きゃははははっ!
子供の声が笑っている。
学校でも、また何人かが倒れた。音楽室、鏡のある踊り場の近く、プール、図書室……俺のクラスでも。航琉くんと同じで、ずっと休んでいる子もいる。医師の診断は異常なしで、過労や寒さによる体調変化だろう、と先生は説明していた。
12月。気温は低く、空が暗い日も多い。
「……?」
まただ。視界がブレる。眩暈が、する。
どこか別のところの景色が見えたり、居ない人の声が聞こえる。
ポケットのお守りを握って、確かめる。
ここにある。ここに居る。航琉くんを思い出せ。あの目は、いつだって俺を見てくれる。信じられる。だから、俺が今ちゃんとここにいることだって、分かる。自分の家、自分の部屋、俺の体……大丈夫、他人の出来事じゃない。外から見てるわけじゃない……
「お兄ちゃん? どうした、の……」
「光莉……?」
夕食後、テレビを見ながら意識が遠くなりかけ、手繰り寄せていたとき、母さんと一緒に雑誌を眺めていた光莉がこちらを見て怯えた顔をした。
「わ、私、何かした?」
「え、なんで?」
「怖い顔でこっち見てたから……」
怖い顔? 身に覚えはないけど……。……なんだ? 胸の奥がザラつく、不可解な苛立ちのようなものがある。光莉も母さんも、何もしていないのに。
「何もないよ。眠くてボーっとしてただけ。早めに寝るわ」
あくびを噛み殺すふりをして、俺は自室に戻った。
何故か、あの場に居るのが嫌だった。
子供の声が笑っている。
学校でも、また何人かが倒れた。音楽室、鏡のある踊り場の近く、プール、図書室……俺のクラスでも。航琉くんと同じで、ずっと休んでいる子もいる。医師の診断は異常なしで、過労や寒さによる体調変化だろう、と先生は説明していた。
12月。気温は低く、空が暗い日も多い。
「……?」
まただ。視界がブレる。眩暈が、する。
どこか別のところの景色が見えたり、居ない人の声が聞こえる。
ポケットのお守りを握って、確かめる。
ここにある。ここに居る。航琉くんを思い出せ。あの目は、いつだって俺を見てくれる。信じられる。だから、俺が今ちゃんとここにいることだって、分かる。自分の家、自分の部屋、俺の体……大丈夫、他人の出来事じゃない。外から見てるわけじゃない……
「お兄ちゃん? どうした、の……」
「光莉……?」
夕食後、テレビを見ながら意識が遠くなりかけ、手繰り寄せていたとき、母さんと一緒に雑誌を眺めていた光莉がこちらを見て怯えた顔をした。
「わ、私、何かした?」
「え、なんで?」
「怖い顔でこっち見てたから……」
怖い顔? 身に覚えはないけど……。……なんだ? 胸の奥がザラつく、不可解な苛立ちのようなものがある。光莉も母さんも、何もしていないのに。
「何もないよ。眠くてボーっとしてただけ。早めに寝るわ」
あくびを噛み殺すふりをして、俺は自室に戻った。
何故か、あの場に居るのが嫌だった。
