「犬、動物、動物園、うーん、博物館……」
「博物館?」
「いや、探りを……じゃなくて色々とアレで……」
住宅街を歩きながら、連想ゲームのようにヤミポンに探りを入れてみる。俺の中に入っていて油断しててくれれば、何か察知出来ないかという魂胆だ。探りを入れてるなんて言うとバレるから、航琉くんには誤魔化しつつ。
「映画館、美術館……」
そういや美術室は嫌そうだったな……。
航琉くんは深くは追求せず、見守りの態勢だ。
「図書館……。……図書館?」
ほんの少しの違和感。心が波立つような、でも不快感はない。俺がヒーローという単語を耳にしたとき、聞こえた方向が気になっちゃうのと似た感覚。
「近くの図書館がいい? 学校の図書室? 都会の大きな図書館?」
〈さっきから何なんだ。僕に話しかけているのか?〉
面倒なのか姿は見せないし合成音声は無愛想だけど……
「都会の大きな図書館?」
もう一度言ってみる。返答はない。でも、確信があった。俺のものじゃないワクワク感。ヤミポンは図書館に関心がある!
「航琉くん! 日曜暇? 都会の図書館に行こう!」
「行きましょう」
〈バイトは〉
「日曜午後は人手足りてるから連絡すれば休める! 図書館の場所とかは調べて後でメッセージ送るね」
「わかりました」
「ヤミポン! 日曜! 図書館だから!」
〈聞こえている。一体何なんだ?〉
この場で説明したら、頼んでないだとかおせっかいだとか絶対に言われる。
おせっかい上等! 頼まれてないことやってやる。
別れるなら、良い思い出のひとつくらい、持っていってほしい。
そうすれば、別れを受け入れられる。受け入れて、前に進まなきゃいけない。
……ちゃんと、お別れをしよう。
俺は心の中で自分に言い聞かせる。
先延ばしにせず、別れるために、動こう。
「博物館?」
「いや、探りを……じゃなくて色々とアレで……」
住宅街を歩きながら、連想ゲームのようにヤミポンに探りを入れてみる。俺の中に入っていて油断しててくれれば、何か察知出来ないかという魂胆だ。探りを入れてるなんて言うとバレるから、航琉くんには誤魔化しつつ。
「映画館、美術館……」
そういや美術室は嫌そうだったな……。
航琉くんは深くは追求せず、見守りの態勢だ。
「図書館……。……図書館?」
ほんの少しの違和感。心が波立つような、でも不快感はない。俺がヒーローという単語を耳にしたとき、聞こえた方向が気になっちゃうのと似た感覚。
「近くの図書館がいい? 学校の図書室? 都会の大きな図書館?」
〈さっきから何なんだ。僕に話しかけているのか?〉
面倒なのか姿は見せないし合成音声は無愛想だけど……
「都会の大きな図書館?」
もう一度言ってみる。返答はない。でも、確信があった。俺のものじゃないワクワク感。ヤミポンは図書館に関心がある!
「航琉くん! 日曜暇? 都会の図書館に行こう!」
「行きましょう」
〈バイトは〉
「日曜午後は人手足りてるから連絡すれば休める! 図書館の場所とかは調べて後でメッセージ送るね」
「わかりました」
「ヤミポン! 日曜! 図書館だから!」
〈聞こえている。一体何なんだ?〉
この場で説明したら、頼んでないだとかおせっかいだとか絶対に言われる。
おせっかい上等! 頼まれてないことやってやる。
別れるなら、良い思い出のひとつくらい、持っていってほしい。
そうすれば、別れを受け入れられる。受け入れて、前に進まなきゃいけない。
……ちゃんと、お別れをしよう。
俺は心の中で自分に言い聞かせる。
先延ばしにせず、別れるために、動こう。
