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あれから一週間。
俺に取り憑いてる何かは取り憑いたままで、俺は身体を自動操縦ってカンジだ。楽でいいし、あんま不自由は感じてない。
取り憑いたコイツは多分……真面目だ。
朝は母さんに起こされる前に起き(勿論俺の母さんだ。学生証で住所を確認したコイツは俺の家に帰り俺の体で俺の家で暮らしてる。早起きの俺(の身体)に母さんはビビってた)、朝食をしっかりと食べ(母さんはビビってた)、食器を自主的に片付け(母さんはビビってたし、妹の光莉も心配し始めてた)、鏡に向かい……ここだけは気に食わない。
他は真面目でキャラ崩壊しようが、まぁ良い。許すよ。だがファッションセンスがなってない。
きっちりとボタンを閉じ、ネクタイをしっかりと閉め、ズボンのベルトはウエストで閉め、髪はフワッとセット。
フワッと!? あり得ねぇ。
平成変身ヒーローを見て学んだスタイル、俺の歴史が台無しだ。
ボタンは3つ開けるし、ネクタイは下げろ! ズボンは腰パンが粋ってモンだろ!? 髪はもっとこう、鋭利にだなぁ! ま、平成ヒーローにもそんなチャラいのはあんまりいないけど。普段の俺は平成の概念を纏っている。
ファッションスタイルってのは生き様なんだよ。
コイツ、なんもわかってねぇ。
「燈李、と、も、りー。……大丈夫?」
だから心配されちゃうんだ。ファッションがなってないから。
平井大介、俺の友人かつ前の席のクラスメイトが、心配そうに俺を見ている。
「先生、呼んでるよ」
「冬角、聞いてるか? こっち来て書けるか?」
先生の呼びかける声も心なしか、ふゆかど、ってカンジで優しげだ。
俺の体はというと、勿論(俺にとっては)自動で「はい」と答えて自動で動き(当然中の人……中の人? でいいのか? 呼び方は)、黒板の前に立つ。
俺、勉強は苦手なんだよな……とか思ってるうちに自動で俺の体は問題を解き、
「正解だ。難しいのに凄いな」
と褒められている。先生、そんな優しい声出るんだ……。普段俺が寝てると怒鳴って起こすクセに。
クラスの何人かは、そんな俺の姿にうっとりとした目線を向けて熱っぽい溜息をついた。やめてくれ。令和ファッションだぞ。「冬角って普段はアレだけどちょっとカッコよくない?」とか言ったり頷いたり見つめたりしてる奴ら、センスが合わない! 全員敵だ。
「燈李、すげぇなー!」
大介まで憧れの視線を向けてこないでほしい。
俺の体はというと、
「授業中だからあとで、ね?」
と、会話を続けようとした大介を優しくたしなめ、そのせいでまた周りの連中の何人かが頬を染めている。
あれから一週間。
俺に取り憑いてる何かは取り憑いたままで、俺は身体を自動操縦ってカンジだ。楽でいいし、あんま不自由は感じてない。
取り憑いたコイツは多分……真面目だ。
朝は母さんに起こされる前に起き(勿論俺の母さんだ。学生証で住所を確認したコイツは俺の家に帰り俺の体で俺の家で暮らしてる。早起きの俺(の身体)に母さんはビビってた)、朝食をしっかりと食べ(母さんはビビってた)、食器を自主的に片付け(母さんはビビってたし、妹の光莉も心配し始めてた)、鏡に向かい……ここだけは気に食わない。
他は真面目でキャラ崩壊しようが、まぁ良い。許すよ。だがファッションセンスがなってない。
きっちりとボタンを閉じ、ネクタイをしっかりと閉め、ズボンのベルトはウエストで閉め、髪はフワッとセット。
フワッと!? あり得ねぇ。
平成変身ヒーローを見て学んだスタイル、俺の歴史が台無しだ。
ボタンは3つ開けるし、ネクタイは下げろ! ズボンは腰パンが粋ってモンだろ!? 髪はもっとこう、鋭利にだなぁ! ま、平成ヒーローにもそんなチャラいのはあんまりいないけど。普段の俺は平成の概念を纏っている。
ファッションスタイルってのは生き様なんだよ。
コイツ、なんもわかってねぇ。
「燈李、と、も、りー。……大丈夫?」
だから心配されちゃうんだ。ファッションがなってないから。
平井大介、俺の友人かつ前の席のクラスメイトが、心配そうに俺を見ている。
「先生、呼んでるよ」
「冬角、聞いてるか? こっち来て書けるか?」
先生の呼びかける声も心なしか、ふゆかど、ってカンジで優しげだ。
俺の体はというと、勿論(俺にとっては)自動で「はい」と答えて自動で動き(当然中の人……中の人? でいいのか? 呼び方は)、黒板の前に立つ。
俺、勉強は苦手なんだよな……とか思ってるうちに自動で俺の体は問題を解き、
「正解だ。難しいのに凄いな」
と褒められている。先生、そんな優しい声出るんだ……。普段俺が寝てると怒鳴って起こすクセに。
クラスの何人かは、そんな俺の姿にうっとりとした目線を向けて熱っぽい溜息をついた。やめてくれ。令和ファッションだぞ。「冬角って普段はアレだけどちょっとカッコよくない?」とか言ったり頷いたり見つめたりしてる奴ら、センスが合わない! 全員敵だ。
「燈李、すげぇなー!」
大介まで憧れの視線を向けてこないでほしい。
俺の体はというと、
「授業中だからあとで、ね?」
と、会話を続けようとした大介を優しくたしなめ、そのせいでまた周りの連中の何人かが頬を染めている。
