ピンポーン……
ピンポーン……ピンポーン……
「藍! 起きろー 朝だぞ! 今日は休みか?」
――。
ドタン、?! え?
「痛い! 猛 起こしに来てえー」
「……藍、何やっているのだ? 落ちたのは、わかる、見れば、わかる、一八〇度反転しているぞ」
「うるさい! おはよう」
私は両手を上にあげて、猛に持ちあげられ、立つことが出来た。姿見の中の私は、髪の毛がぐしゃぐしゃであった。え?! 誰?
「猛、後でいくから、外で待ってて!」
「――おはよう、猛、おまたせ」
あれ? 猛どうしたのだろう、スマートフォンを見ると、あれ? 三十分も待たせてしまった。
「ごめんなさい、猛、おばさんと朝ご飯を食べにいこう!」
「へーい、へ――い」
「おはようございます、良い天気ですね、最近は雲が多かったので、今日は晴天です」
「藍、おはようございます、猛、遅かったわね」
「宝石は磨くのに時間がかかるのだろう?」
「え? 原石って磨くの?」
「良いから、あさごはんを、食べろ藍」
どうしてかしら、猛、朝からご機嫌斜めのようね、ま、気にしない、気にしない。
「おばさん、行ってきますね」
空を見上げると、雲が無い、風もない、青空だけれど、ただ……暑い。私は振り返って、立ち止まり、猛も驚いたように顔をあげて、立ち止まった。ブレザーのボタンを一つずつ、外していき、駅の方向を向きながら、左手だけ後ろに回し、猛にブレザーを渡した。
男子生徒が、女子生徒との顔を、水着姿のモデルに顔を書き換えて、はしゃいでいる。
「へーい、へ――い」
電車の中はエアコンが効いていて、涼しい。車内を右、左、首をひねって、後ろに向いて、見渡すが、上着を脱いでいるのは、私だけであった。ま、良いのか。
最寄り駅について、バス停を通り越して、歩いて行く、新緑の日陰に入ると、少し気温が下がり、肌寒さを感じ、左手を後ろに伸ばす、すると、ブレザーが左手に、重みを乗せた。ブレザーを着て、登校。
教室には、まだ誰も居ない。窓を開けて、暑い、右手で数回顔を仰ぐが、暑い事には変わらない。カーテンは微動たりしてくれない。席について、鉄製の部分が右足に触れると、少しだけひんやりとしたので、左足も、これは良い。気持ちいい。気持ちよさの時間は長くは続かなかった。
男子生徒達が登校してきて、なにやら騒がしい。騒がしいのはいつもの事なので、気にはしないのであるが、ある一言が私の耳から離れなかった『まじ、胸でけぇー最高じゃん』せっかく冷えた感覚を楽しんでいたのに、雑音が気温を六度はあげていた。眉間にしわを寄せながら、教室の入り口をみると、スマートフォン一つでざわついている。それも、スマートフォンを誰か女子と合わせているように見えたので、私は立ち上がり、男子生徒の元に足音を立てず、小幅で一歩、また、一歩と近づく。私の事に気が付いていない様子であった。
「うるさい!」
いきなり、逃げだす男子生徒、私は即座に左手を伸ばし、肩を捕まえて、スマートフォンの画面を見ると、(え! 同じクラスの女子じゃない!)
「あなた、何これ? 消しなさい。先生に言うわよ、ご両親にも。やってよいことと、悪い事があるでしょう!」
私の怒鳴り声で、教室は椅子を引く事すら許されない、硬直した時間が……過去最高の罵声だったからであろう。それだけではない、言い放った私自身が、震えているのだから、誰も何もできない。
「相手が傷つくことを考えないわけ、全員呼び戻し、その場で削除 他の男子生徒は!!!!」
私の怒鳴り声で、逃げて行った男子生徒達も教室に戻ってきて、私の前に並んだ。
「転送とかしていないわよね? SNSでやり取りなどは?」
「すいません、つい、出来心で、今のここで作ったので、すいません」
「その出来心が、どれ程傷つけるのか、わかりますか? SNSは、一度広まったら、止められないのは、あなた達にでも、わかりますよね? ネットは一度流したら、永久よ、『記録』アーカイブがあるのだから、つまり、一生消えない、デジタルタトゥになるのよ! 魔が差したじゃすまない世界なの、インターネットは? わかるでしょう? 返事は?」
機関銃のように、止まる事なく、一方的に言い放った! 。教室の全ての生徒が、私を見ていた。
「はい、すいません、もう二度としません」
「謝りに行きなさい!」
「え!」
「え? じゃない! 行くの、それとも、生徒指導の先生の所に、行きましょうか?」
女子生徒の前に、藍は連れて行き、スマートフォンを見るか、確認をとり、本人が見るといったので、
「覚悟してみてください」
女子生徒はポツリ、ポツリと、机に、零れ落ちていき、同時に、言葉は出ず、肩が震えているのが、ブレザーを着ていない事から、見て取れた。
私は彼女に近寄り、耳元でこっそりと
「大丈夫、全て私が消させたから、私を信じて……」
視線を、男子生徒に戻し
「すいませんでした」
作成した男子生徒も、事の重大さに女子生徒を見て気が付いたのか、目に涙を浮かべながら
「すいませんでした。あとで、本当の事を言わせてください 放課後お時間貰えますか?」
女子生徒は言っている意味が解らなく、首を左右に振った。男子生徒は、スマートフォンで、記録してある文書を、女子生徒に見せて、もう一度、お時間をくださいと……。
私が見た文面は、好意を寄せている内容が、書き記されていた。ふーん、なるほど。
「なら、堂々と言いなさい、わかったかしら?」
「はい、すいませんでした」
着席している男子生徒からは、『ダークこえー』『ダークブルーまじこえー』
と声が聞こえ、一方で女子生徒達は歓喜! 『藍さん、素敵! かっこいい!』『正々堂々、告白すれば良いのに』
――その日の放課後、男子生徒と女子生徒は、どこかに行ってしまった。
――最近の私は、一人で休み時間を過ごすこともなくなり、お昼休みも女子生徒に囲まれて食べるようになった。笑顔も……。
あの男子生徒と女子生徒は、お付き合いをする事になったらしい……。
お昼になり、スマートフォンを見つめていると、机の上に、生姜焼き弁当(大盛)とお箸が、すっと出てきた。私は振り返り
「遅い! 猛、予定より、一八秒早いだけ、いつもは二五秒早い、七秒遅刻よ。予定時刻は過ぎていないのだけれどね……」
猛は右手のビニール袋をもちながら、聞いているのか、聞いていないのかわからず、席についていった。女子生徒は良いの? 一緒に食べて、と聞いてくるが、もちろんと笑顔で答えた。少し前までは、誰も寄り付かなかったのであるが、不思議と、今は女子生徒のど真ん中に居る存在になっていた。
猛は相変わらず、独りぼっちのようであったが……まったく私は視界にはいらず、気にしないのである。
ピンポーン……ピンポーン……
「藍! 起きろー 朝だぞ! 今日は休みか?」
――。
ドタン、?! え?
「痛い! 猛 起こしに来てえー」
「……藍、何やっているのだ? 落ちたのは、わかる、見れば、わかる、一八〇度反転しているぞ」
「うるさい! おはよう」
私は両手を上にあげて、猛に持ちあげられ、立つことが出来た。姿見の中の私は、髪の毛がぐしゃぐしゃであった。え?! 誰?
「猛、後でいくから、外で待ってて!」
「――おはよう、猛、おまたせ」
あれ? 猛どうしたのだろう、スマートフォンを見ると、あれ? 三十分も待たせてしまった。
「ごめんなさい、猛、おばさんと朝ご飯を食べにいこう!」
「へーい、へ――い」
「おはようございます、良い天気ですね、最近は雲が多かったので、今日は晴天です」
「藍、おはようございます、猛、遅かったわね」
「宝石は磨くのに時間がかかるのだろう?」
「え? 原石って磨くの?」
「良いから、あさごはんを、食べろ藍」
どうしてかしら、猛、朝からご機嫌斜めのようね、ま、気にしない、気にしない。
「おばさん、行ってきますね」
空を見上げると、雲が無い、風もない、青空だけれど、ただ……暑い。私は振り返って、立ち止まり、猛も驚いたように顔をあげて、立ち止まった。ブレザーのボタンを一つずつ、外していき、駅の方向を向きながら、左手だけ後ろに回し、猛にブレザーを渡した。
男子生徒が、女子生徒との顔を、水着姿のモデルに顔を書き換えて、はしゃいでいる。
「へーい、へ――い」
電車の中はエアコンが効いていて、涼しい。車内を右、左、首をひねって、後ろに向いて、見渡すが、上着を脱いでいるのは、私だけであった。ま、良いのか。
最寄り駅について、バス停を通り越して、歩いて行く、新緑の日陰に入ると、少し気温が下がり、肌寒さを感じ、左手を後ろに伸ばす、すると、ブレザーが左手に、重みを乗せた。ブレザーを着て、登校。
教室には、まだ誰も居ない。窓を開けて、暑い、右手で数回顔を仰ぐが、暑い事には変わらない。カーテンは微動たりしてくれない。席について、鉄製の部分が右足に触れると、少しだけひんやりとしたので、左足も、これは良い。気持ちいい。気持ちよさの時間は長くは続かなかった。
男子生徒達が登校してきて、なにやら騒がしい。騒がしいのはいつもの事なので、気にはしないのであるが、ある一言が私の耳から離れなかった『まじ、胸でけぇー最高じゃん』せっかく冷えた感覚を楽しんでいたのに、雑音が気温を六度はあげていた。眉間にしわを寄せながら、教室の入り口をみると、スマートフォン一つでざわついている。それも、スマートフォンを誰か女子と合わせているように見えたので、私は立ち上がり、男子生徒の元に足音を立てず、小幅で一歩、また、一歩と近づく。私の事に気が付いていない様子であった。
「うるさい!」
いきなり、逃げだす男子生徒、私は即座に左手を伸ばし、肩を捕まえて、スマートフォンの画面を見ると、(え! 同じクラスの女子じゃない!)
「あなた、何これ? 消しなさい。先生に言うわよ、ご両親にも。やってよいことと、悪い事があるでしょう!」
私の怒鳴り声で、教室は椅子を引く事すら許されない、硬直した時間が……過去最高の罵声だったからであろう。それだけではない、言い放った私自身が、震えているのだから、誰も何もできない。
「相手が傷つくことを考えないわけ、全員呼び戻し、その場で削除 他の男子生徒は!!!!」
私の怒鳴り声で、逃げて行った男子生徒達も教室に戻ってきて、私の前に並んだ。
「転送とかしていないわよね? SNSでやり取りなどは?」
「すいません、つい、出来心で、今のここで作ったので、すいません」
「その出来心が、どれ程傷つけるのか、わかりますか? SNSは、一度広まったら、止められないのは、あなた達にでも、わかりますよね? ネットは一度流したら、永久よ、『記録』アーカイブがあるのだから、つまり、一生消えない、デジタルタトゥになるのよ! 魔が差したじゃすまない世界なの、インターネットは? わかるでしょう? 返事は?」
機関銃のように、止まる事なく、一方的に言い放った! 。教室の全ての生徒が、私を見ていた。
「はい、すいません、もう二度としません」
「謝りに行きなさい!」
「え!」
「え? じゃない! 行くの、それとも、生徒指導の先生の所に、行きましょうか?」
女子生徒の前に、藍は連れて行き、スマートフォンを見るか、確認をとり、本人が見るといったので、
「覚悟してみてください」
女子生徒はポツリ、ポツリと、机に、零れ落ちていき、同時に、言葉は出ず、肩が震えているのが、ブレザーを着ていない事から、見て取れた。
私は彼女に近寄り、耳元でこっそりと
「大丈夫、全て私が消させたから、私を信じて……」
視線を、男子生徒に戻し
「すいませんでした」
作成した男子生徒も、事の重大さに女子生徒を見て気が付いたのか、目に涙を浮かべながら
「すいませんでした。あとで、本当の事を言わせてください 放課後お時間貰えますか?」
女子生徒は言っている意味が解らなく、首を左右に振った。男子生徒は、スマートフォンで、記録してある文書を、女子生徒に見せて、もう一度、お時間をくださいと……。
私が見た文面は、好意を寄せている内容が、書き記されていた。ふーん、なるほど。
「なら、堂々と言いなさい、わかったかしら?」
「はい、すいませんでした」
着席している男子生徒からは、『ダークこえー』『ダークブルーまじこえー』
と声が聞こえ、一方で女子生徒達は歓喜! 『藍さん、素敵! かっこいい!』『正々堂々、告白すれば良いのに』
――その日の放課後、男子生徒と女子生徒は、どこかに行ってしまった。
――最近の私は、一人で休み時間を過ごすこともなくなり、お昼休みも女子生徒に囲まれて食べるようになった。笑顔も……。
あの男子生徒と女子生徒は、お付き合いをする事になったらしい……。
お昼になり、スマートフォンを見つめていると、机の上に、生姜焼き弁当(大盛)とお箸が、すっと出てきた。私は振り返り
「遅い! 猛、予定より、一八秒早いだけ、いつもは二五秒早い、七秒遅刻よ。予定時刻は過ぎていないのだけれどね……」
猛は右手のビニール袋をもちながら、聞いているのか、聞いていないのかわからず、席についていった。女子生徒は良いの? 一緒に食べて、と聞いてくるが、もちろんと笑顔で答えた。少し前までは、誰も寄り付かなかったのであるが、不思議と、今は女子生徒のど真ん中に居る存在になっていた。
猛は相変わらず、独りぼっちのようであったが……まったく私は視界にはいらず、気にしないのである。



