うるさいな、まったく、何を騒いでいるのかしら、教室の後ろを振り返ると男子生徒たちが、盛り上がっている。昨夜のテレビドラマの事件の続きが見たいのに、想像もさせずに、邪魔をしてくる男子生徒の声
バンと机を両手で叩き、両足は音が響くように強く、床を蹴り飛ばし、男子生徒達の元に向かう、目に映り込んだのは、水着姿の女性の雑誌。
「女子が引いているでしょう、教室をみてごらんなさい、そのグラビアの雑誌没収、風紀委員の方、こちらへ」
学校が終わり、イライラしている私、猛が、アイスでも買って行こうかと、気を使っている。
駅前のコンビニに入る事にした、私は、他の生徒がいない事を確認して、アイスを上から、下までくまなく探していた。これだ! と決めたときに、猛は、雑誌コーナーにいて、なんでとなりにいないのよ! って私が一人で走ってきちゃったのだわ。猛のもとに近寄ると、目に入ったのは、
お婆ちゃんが、ATMでスマートフォンを片手に、うろうろ、している。スマートフォンに頭を下げていて、明らかに変であった。私は、猛の襟元を掴んで、一緒にお婆ちゃんのもとへ向かった。
お婆ちゃんは、ATMを操作しているが、失礼ながら覗き込むと、取扱出来ないとの表示。これは、もしや?
「おばあさん、どうしたのですか?」
「二百万円が、下ろせないのよ、電話でね、下ろせと言われるの。娘が、車で事故を起こして、示談金を振り込めば、逮捕されないと、他に見つかる前に早くしなさい、時間がない、同僚がくるとかばいきれなくなるからと……何度やっても、二百万円は、下ろせなくてね、ほら、電話で警視庁の方が、怒鳴っているの、娘さんが逮捕されても良いのですか? と」
「変わってもらえませんか?」
スマートフォンをお婆ちゃんから渡された、そこに表示されている電話番号は、どこの国よ? は? 私は、ゆっくりと瞳を閉じてから、
「お電話かわりました、あのね! 警視庁を名乗るなら、スマートフォンの着信は、警視庁と表示されるの! そんなことも、わからないの?」
「なんだ、テメー、娘さん、逮捕されるぞ、二百万円を、五回に分けて……」
「あなた、馬鹿なの? 警視庁? ですって、警視庁どこにありますか? お答えください」
「……日本」
「はぁ? あのね、私警視庁の娘なのですが、警視庁からの内線は先程言った通り、どこからかけても、スマートフォンには警視庁と……」
「くそが、失敗だ」
電話は一方的に切られてしまった。ツーツー折り返してみるが、繋がらなかった。私は、後ろにいるお婆ちゃんに、ゆっくりと振り返り、笑顔で、安心させるように話し始めた。
おばあちゃんの話を聞いて、娘が示談で、二百万円振り込めと――警視庁から電話……振り込めなんてありえない、直接の金銭のやりとりはしない、指定機関で支払うもの、これは、お父さんに電話しないと――。
――私に話を打ち明けても、まだ、オロオロしているお婆ちゃん、娘が、娘が、ただ、それだけを口ずさんでいた。私はお婆ちゃんの手を両手で握りながら、
「娘さん、電話にでないのであれば、会社に私が電話しますね、宜しいですね」
お婆さんは、どうしてよいのかわからず、娘さんの名刺を私に差し出してくれた。
「わたくし、高田の母ですが、急用で申し訳ありません、お察し頂ければ、今先程、はい、訃報を……その趣旨をそちらに、娘の恵さんに急ぎお取次ぎ願いたいと」
「しばらくお待ちください、お調べ致します――お繋ぎ致します」
「はい、高田ですが、どちらさまでしょうか?」
お婆さんに、スマートフォンを渡して、電話にでてくれたみたいよ、変わりますねと伝えた。
「あ、そうなの、良かったわ、私はもう心配で、どうしてよいのか、そうなのね、わかった、助かったわ、はい、ありがとう、お仕事頑張ってね また夜にでも……」
――
「どうでしたか?」
「娘が言うにはね、ごめんなさい、会議中で電話に出れなかったのだけれど、私車持ってないわよ、電車通勤だし、それ詐欺ね、未然に防いでくれたのね、さっきのお姉さん、え? 高校生? と驚いていました、ありがとう、ありがとう」
お父さんに電話しておこう、番号と内容を、
「もしもし、お父さん、あのね、今振り込め詐欺を食い止めたの! 番号を送るね」
「藍、自宅近辺で連続強奪事件が起きているのは、知っているな、気を付けるんだぞ、何かあった際には、すぐ連絡、そして必ず、猛と一緒にいること、わかったね?」
バンと机を両手で叩き、両足は音が響くように強く、床を蹴り飛ばし、男子生徒達の元に向かう、目に映り込んだのは、水着姿の女性の雑誌。
「女子が引いているでしょう、教室をみてごらんなさい、そのグラビアの雑誌没収、風紀委員の方、こちらへ」
学校が終わり、イライラしている私、猛が、アイスでも買って行こうかと、気を使っている。
駅前のコンビニに入る事にした、私は、他の生徒がいない事を確認して、アイスを上から、下までくまなく探していた。これだ! と決めたときに、猛は、雑誌コーナーにいて、なんでとなりにいないのよ! って私が一人で走ってきちゃったのだわ。猛のもとに近寄ると、目に入ったのは、
お婆ちゃんが、ATMでスマートフォンを片手に、うろうろ、している。スマートフォンに頭を下げていて、明らかに変であった。私は、猛の襟元を掴んで、一緒にお婆ちゃんのもとへ向かった。
お婆ちゃんは、ATMを操作しているが、失礼ながら覗き込むと、取扱出来ないとの表示。これは、もしや?
「おばあさん、どうしたのですか?」
「二百万円が、下ろせないのよ、電話でね、下ろせと言われるの。娘が、車で事故を起こして、示談金を振り込めば、逮捕されないと、他に見つかる前に早くしなさい、時間がない、同僚がくるとかばいきれなくなるからと……何度やっても、二百万円は、下ろせなくてね、ほら、電話で警視庁の方が、怒鳴っているの、娘さんが逮捕されても良いのですか? と」
「変わってもらえませんか?」
スマートフォンをお婆ちゃんから渡された、そこに表示されている電話番号は、どこの国よ? は? 私は、ゆっくりと瞳を閉じてから、
「お電話かわりました、あのね! 警視庁を名乗るなら、スマートフォンの着信は、警視庁と表示されるの! そんなことも、わからないの?」
「なんだ、テメー、娘さん、逮捕されるぞ、二百万円を、五回に分けて……」
「あなた、馬鹿なの? 警視庁? ですって、警視庁どこにありますか? お答えください」
「……日本」
「はぁ? あのね、私警視庁の娘なのですが、警視庁からの内線は先程言った通り、どこからかけても、スマートフォンには警視庁と……」
「くそが、失敗だ」
電話は一方的に切られてしまった。ツーツー折り返してみるが、繋がらなかった。私は、後ろにいるお婆ちゃんに、ゆっくりと振り返り、笑顔で、安心させるように話し始めた。
おばあちゃんの話を聞いて、娘が示談で、二百万円振り込めと――警視庁から電話……振り込めなんてありえない、直接の金銭のやりとりはしない、指定機関で支払うもの、これは、お父さんに電話しないと――。
――私に話を打ち明けても、まだ、オロオロしているお婆ちゃん、娘が、娘が、ただ、それだけを口ずさんでいた。私はお婆ちゃんの手を両手で握りながら、
「娘さん、電話にでないのであれば、会社に私が電話しますね、宜しいですね」
お婆さんは、どうしてよいのかわからず、娘さんの名刺を私に差し出してくれた。
「わたくし、高田の母ですが、急用で申し訳ありません、お察し頂ければ、今先程、はい、訃報を……その趣旨をそちらに、娘の恵さんに急ぎお取次ぎ願いたいと」
「しばらくお待ちください、お調べ致します――お繋ぎ致します」
「はい、高田ですが、どちらさまでしょうか?」
お婆さんに、スマートフォンを渡して、電話にでてくれたみたいよ、変わりますねと伝えた。
「あ、そうなの、良かったわ、私はもう心配で、どうしてよいのか、そうなのね、わかった、助かったわ、はい、ありがとう、お仕事頑張ってね また夜にでも……」
――
「どうでしたか?」
「娘が言うにはね、ごめんなさい、会議中で電話に出れなかったのだけれど、私車持ってないわよ、電車通勤だし、それ詐欺ね、未然に防いでくれたのね、さっきのお姉さん、え? 高校生? と驚いていました、ありがとう、ありがとう」
お父さんに電話しておこう、番号と内容を、
「もしもし、お父さん、あのね、今振り込め詐欺を食い止めたの! 番号を送るね」
「藍、自宅近辺で連続強奪事件が起きているのは、知っているな、気を付けるんだぞ、何かあった際には、すぐ連絡、そして必ず、猛と一緒にいること、わかったね?」



