「ガッツ、変わったでしょ? びっくりしなかった」
うん、でも中身は全然。
百合子も少し変わったよね。
そう返すと、彼女の表情にかすかな影が差した。
「え……あ。そう、かな」
その様子を見て、ガッツが彼女の隣に座り、背中を軽く叩く。
「んな言うほど変わってねえだろ、お前」
ガッツが僕をちらりと見る。
いや、うん。やっぱり変わってない気がする。
すぐさま僕も言葉を付け足した。
「ね、元気だった? 東君」
うん、元気だよ。
百合子は?
「うん、あたしも、元気」
にっこり笑う彼女は、それでもどこか落ち着かないように見えた。
「凛とは会ってるよ。ていうか、今ルームシェアしてる。凛ね、料理作るの上手なの。すっごいの。東君だったら遊びに来てもいいかな。しばらくいるんでしょ? 今度おいでよ」
凛とは、垂瓦の下の名前だ。
「なんでぇ百合子、お前俺は上げてくれないクセに」
「東君はいいんですう。下心とかなさそうだし」
「はあ? 俺だって付き合い長いし、今更お前なんかにそういう感情持たないっつの!」
「あたしじゃなくて凛によ。あの子、最近彼氏できたから、家に変な男が出入りしてたら怒られちゃうでしょ?」
「東はいいのかよ」
「東君はなんか、中性的って感じ? 危なそうじゃないし」
「よくわかんねぇな」
二人の会話からして、いつもこんなふうなのだろう。
僕は中学卒業後、この町を出てしまったから、二人がどんな時間を過ごしてきたのかは知らない。
それでも、一緒にいることでそれなりに支え合ってきたのだろうとは思った。
特に、彼女の場合は。

