断罪悪女の嫁入り

仁の周りには、複数の黒い蝶がヒラヒラと舞っている。


「仁様、お気を確かに…!」


椿は叫ぶが、仁は正気を失っているのか微動だにしない。

迫りくる刃に、椿はぎゅっと目をつむった――そのとき。


「椿様、危ない!」


駆けつけた千鳥が椿の前に飛び込み、身代わりとなった。


「…千鳥さん!」


真っ二つに斬られた千鳥に顔を青ざめさせる椿だったが、千鳥は平然として振り返る。


「私は式神なので平気です、ご安心ください。ですが、今のうちにお逃げください!」


そう言い残すと、千鳥は煙となって消えていった。

椿は震える足でなんとか立ち上がると、仁に背を向けて逃げ出した。


トコヤミの呪いに冒された仁は、視界に入るものを斬ろうとする。

今はとにかく、仁のもとから離れるしかなかった。


だが部屋から出る寸前、椿は足に鋭い痛みを感じてしゃがみこんだ。

見ると、足の裏に花瓶の破片が突き刺さっていた。


痛みに耐えてなんとか立ち上がるも、その足で仁から逃れられるはずなどなかった。


「仁様…」


恐怖で涙を浮かべながら、椿は仁を振り返った。

その瞬間、仁の刀は椿――ではなく、仁自らの体を斬りつけた。


「くっ…!」


仁の喉から苦悶のうめき声が漏れる。


「俺に構うな。早く逃げろ…」


痛みに表情をゆがませた仁が椿に目を向ける。

正気を取り戻したのか、片方の瞳だけもとに戻っていた。


「仁様、なんて無茶なことを…」

「自分で自分を止めるには、こうするしかない」


そう言って、仁はまた自らを傷つける。

しかし呪いの制御で、倒れて動けなくなるほどの傷は与えられない。


「またいつ自我を失うかわからない。そうなる前に、早く俺のもとから離れろ。…無理やり俺の妻にしたんだ。お前を傷つけるわけにはいかない」


頬を血で染めながらも、仁が想うは椿の身の安全。

一刻も早く逃げるべきだったが、ひとりで呪いと闘う仁を置いていけるはずなどなかった。


「もう、おやめください…!」


とっさに椿は、斬りかかる刀から庇うように仁の体に抱きついた。


「なにしてる!死にたいのか…!」

「本来であれば、とうに死んでいます!それに、わたしの体だって呪いに冒されているようなもの。なにか手立てがあるかもしれません!」

「馬鹿なことを言うな!手立てなど――」


仁がそう口にした瞬間、椿の唇が塞いだ。

突然のことに、驚いて目を見開ける仁。


しかし、自然と刀を握る力が緩み、徐々に殺人衝動が引いていく。


「仁様、大丈夫ですか」

「あ…ああ。だが、今のはいったい…」


初めての感覚に、仁は呆然としていた。


「かはっ…!」


そのとき、そばにいた椿が喉を押さえながら膝をついて倒れた。


「どうした!」

「喉が…、喉が焼ける…」


椿は首元を掻きむしり、苦しそうに浅い呼吸を繰り返す。


「椿様、いかがなさいましたか!?」


再生した千鳥も椿に駆け寄る。


「千鳥、今すぐ水を持ってくるんだ!」

「はい…!」


千鳥が取りに行っている間、仁は椿の体を抱き起こす。


「お腹が…」

「腹?腹がどうした」

「お腹が苦しい…」


苦しむ椿になにもしてやれず、仁は唇を噛みながら抱きしめることしかできなかった。

しかし、椿にはこのお腹の苦しさには覚えがあった。


「仁様…」


椿は小さくつぶやくと、力いっぱい仁を突き飛ばした。

その際に仁は尻もちをつき、椿はうつ伏せで倒れる。


「いったい、なんだ――」

「わたしに触れないで!」


ゆっくりと顔を上げた椿は、眉間にシワを寄せ、吊り上がった目で仁を睨みつけていた。

あまりの変わりように、仁は一瞬言葉を失った。


「…さっきとはまるで別人だぞ。なにがどうなってるんだ」


突如として人相が変わり、いつもの椿と同一人物だとは思えない。


「わたしなら大丈夫ですから…。放っておいてください」


椿は自分でわかっていた。

この状態になったとき、だれかに呪いを移してしまう前兆だと。


そういうときは、部屋の中で閉じこもって、この苦しさが去るのをただひたすら待つしかない。


膝に手をついてなんとか立ち上がると、椿はおぼつかない足取りで仁の部屋を出ていく。

しかし、足に力が入らなくなり、倒れようとしたとき――。


「そんな体で…。お前のほうこそ、無茶をするな」


そっと仁が体を支えた。


「ひとまず、部屋へ連れていくぞ」


さっき負った生々しい刀傷などものともせず、仁は軽々と椿を抱きかかえた。


「は…、離してください…!今のわたしに近づけば、呪いが――」

「呪い?だったら、大歓迎だ」


笑みを落とす仁を見て、椿は息をついた。


そうだ。

この人は呪いにかかりたかったのだ、と。


そうして、椿は仁の腕の中で意識を失った。


――椿は夢を見ていた。

幼い頃、母に連れられて慶一と芙未と近くの川へ水遊びにきていたときの光景だ。


『キャー、冷たい!』

『でもすっごく気持ちいいよ、お母さま』

『それはよかったわ。今日は暑いからね』


楽しかった家族の思い出。

職務で忙しくしていた丞之助の代わりに、母は子どもたちを様々なところに遊びに連れていった。


とくに夏は、毎日のように川遊びへと出かけた。

泳ぎの得意な慶一の要望だ。


しかし、その日が最後の川遊びになるとは思わなかった。


『芙未のリボンがぁ〜…』


そう言って、浅瀬で遊んでいた芙未が泣きじゃくる。

加耶が歩み寄ると、芙未が指さすほうには、ゆらゆらと流されていくリボンの髪飾りがあった。


『お姉さま〜…、取って〜』

『わかったから、もう泣かないで。芙未はここで待ってるんだよ』


加耶はリボンを追いかける。

手を伸ばしてあと少しのところで、リボンはするりと逃げていく。


『待って、行かないで…!』


加耶はリボンの行方に夢中で、徐々に深みに向かっていることに気づいていなかった。

そして、飛びかかるようにしてようやくつかんだものの、そこは加耶の足がつかない場所だった。


『だ…だれかっ、助けて…!』


みるみるうちに流されていき、加耶は必死にもがいて叫んだ。


『加耶!』


そのとき、慌てて助けに入ったのが母だった。


加耶は薄っすらとだが、このときの光景を覚えていた。

朦朧とした意識の中で伸ばした手を母が握り、体を引き上げくれたときのことを。


その後、加耶は無事に救出された。

手には、芙未のリボンが握られていた。


しかし、加耶を助けた母は流され、帰らぬ人となってしまった。


「お母さま、ごめんなさい…」


うわ言のようにつぶやき、椿はゆっくりとまぶたを開けた。

目の端には涙が溜まっていて、ぽろりと頬を伝って枕へと落ちる。


ぼやけた視界に、だれかの影が映る。


「お母さま…?」


徐々にはっきりとしてくると、それは千鳥だった。


「千鳥…さん?」

「気がつかれましたか、椿様!今、ご主人様を読んで参りますね」


千鳥は仁を呼びに、すぐさま部屋から出ていった。

そのすぐあと、バタバタと慌ただしい足音が聞こえてきた。


「…無事か!」


目を覚ました椿を見て、仁のはりつめていた表情が緩んだ。

眉尻を下げ、安堵したようにゆっくりと椿のもとへと歩み寄る。


「…倒れたときのこと、覚えているか?」

「えっと…、たしか…。喉が焼けるように熱くなって…、お腹も苦しくて…」


仁いわく、そのあとから椿は高熱に浮かされ、この三日間眠り続けていたのだ。


「わたし、そんなに…」

「ああ。その間ずっとうなされていたが、大丈夫か」

「…はい。母が亡くなった日の夢を見ていました。わたしが殺してしまったので」


お前のせいで母は死んだ。

能力もない、清家一族の恥であるお前なんかを助けるために。


あの日を境に、加耶は一族から“母親殺し”と言われ続けた。


一番憔悴していたのは、丞之助だった。

初めて見る死人のような父の姿に、幼い加耶は衝撃を受けた。


それ以降、丞之助はさらに加耶に冷たく接するようになったが、すべては自分が悪いのだと言い聞かせた。


そして、ただひたすら丞之助の言いつけを聞き入れ続けた。

それが、母親殺しの罪のせめてもの償いだと思ったからだ。


いつしか、それが丞之助の操り人形になるとも知らずに。


「ひどいな。娘を利用するなど、実の父親がすることか」

「わたしは、父から大事な人を奪いましたから。恨まれて当然です」


母の死への罪の意識、父に従い続けた日々を思い返した椿の目には涙が浮かぶ。

それが流れ落ちる寸前で、仁が指先ですくい取った。


「お前は悪くない。父親は父親とは思えないが、子供を助けて死んだのなら、お前の母親は最後まで母親だったんだろう」


――“お前は悪くない”

ずっとほしかったその言葉に、椿は涙が止めどなくあふれた。


川に行きたいとしつこく言ったのも、溺れる原因となった髪飾りを落としたのも自分ではないと訴えたかった。

しかし、加耶を助けるために母が命を落としたのは変わらない事実。


そのときから、これまでひとりで重い十字架を背負い続けていたが、そっと寄り添い支えてくれる存在に巡り合えた。


「お前の母もそう思っているはずだ。命をかけて守った娘の成長を、きっとどこかから見ているだろう」


椿は涙ながらにうなずいた。


「体調もまだ万全じゃない。もう少し寝ていろ」


仁は布団をかけ直すと、静かに部屋を出ていった。

布団の中で声を殺して泣く椿をそっと残して。


翌朝。

椿が目を覚ますと、ベッドのふちにもたれるようにしてそばで仁が眠っていた。


どうやら、一晩中椿の看病をしていたようだ。

陰の軍人として恐れられる男の無防備な寝顔に、自然と笑みがこぼれた。


顔を覗き込んでいると、仁のまぶたが動いた。

目が合い、仁は恥ずかしそうに顔をそらす。


「…しまった、いつの間にか眠っていたか」

「ずっとそばにいてくださったのですね。ありがとうございます」


仁は照れ隠しで、黙ってうなずく。


「体調はどうだ?」

「はい。昨日よりも体が楽です」


すると、おもむろに仁が手を伸ばし、椿の頭の後ろに手を添えた。

気づいたら、椿は仁と額をつけ合わせていた。


間近に見る仁の美しい伏し顔に、椿は顔を真っ赤にさせる。


「じ…、仁様っ…」

「うん。熱もだいぶ下がってきたな」


仁はそう言うが、椿はこの一瞬で熱が一気に上がりそうだった。


「わ、わたしよりも…!仁様こそ、お体のほうは大丈夫なのでしょうか」


仁はあのとき、暴走するトコヤミの呪いから自我を保つために、自身の体を傷つけていた。


「ああ、刀傷なら大したことはない」


平然と語る仁を見て、椿は胸をなで下ろす。


「それよりも、詳しく聞かせてくれ。意識を失う前、呪いが移ると言っていたが、それが前に話していた“そのとき”なのか?」


椿はこくんとうなずく。

満腹感をはるかに超えて痛みに変わっていたが、いつもならばあの状態の椿に近づけば、周囲に呪いを移したはずだった。


しかし、椿を部屋まで抱きかかえた仁に変化は見られない。


「その呪いに期待したのだがな。この通り、ピンピンしている」


本来なら敬遠される呪いだが、仁は残念そうに笑った。

呪いにかかることが仁の望みではあるが、変わりない様子に椿はほっとしている自分がいることに気づいた。


「あのときは、仁様を突き飛ばしてしまって申し訳ございませんでした…」

「気にするな。俺と同じで、あれがお前なりの人払いなのかもしれないな」

「え?」


仁は、あのとき椿が見たこともない険しい表情に変わり、言動も荒々しくなったことを伝えた。

それが、清家加耶が“悪女”と呼ばれるようになった所以でもあるが、本能的に呪いを移すかもしれないと察知して、悪態をつき人を近寄らせないようにしていたのだろうと。


「そう…なのでしょうか」

「そうさ。少なくとも、俺はお前が悪女だと思ったことはない」


仁のやさしいまなざしに、椿は柔らかく微笑む。


「俺も呪い持ちだからな。すでに呪われている人間に、新たな呪いは効かないのかもしれないな」

「トコヤミの呪いは強力ということでしょうか。たしかに、これまでに感じたことのない苦味でした」

「苦味?」

「はい。わたし、呪いの味がわかるんです」


そこで、椿は黒い蝶の話をした。


「黒い蝶…。聞いたことがないな」

「父からは、呪いが具現化したものだと言われました。わたしにしか見えないようなので、信じてもらえるかはわかりませんが――」

「そんなの、信じるに決まっているだろう」


即答の仁に驚いたが、椿は安心したように眉尻を下げる。


「だったら、俺の周りにもその黒い蝶が飛んでいるのか?」

「はい。今は見えないですが、わたしに初めて右腕を見せられたときと、トコヤミの呪いに支配されたときに」


蝶はまるで、呪いに苦しむ仁を鼓舞するように飛んでいたのを覚えている。


「それで、あの夜は仁様を止めるのに無我夢中で、気づいたら――」


自ら仁にキスした場面を思い出し、椿はひとりで顔を真っ赤にさせて恥ずかしがる。


「そうしたら、喉にまで刺さるような苦味が広がって。通常の呪いとは明らかに違う、おそらくそれがトコヤミの呪いだったんだと思うんです」


それを聞いていた仁は、静かに自分の右腕に視線を移す。

すると、なにかに気づいて目を見開いた仁が着物の袖をまくった。


絡みつく蛇のように刻まれた呪印だったが、それが明らかに薄くなっていた。


「呪印が…!」


初めての事態に、一番驚いているのは仁だった。


「実は、俺もお前と口づけを交わした瞬間、一気に殺人衝動が引いていくのがわかったんだ。あんな静かに収まる感覚は初めてだった」


愛おしそうに唇をなでてくる仁に、椿はドキッとしてしまう。


「お前は自分のことを“呪いを移す存在”だと言っていたな」

「はい」

「だが、それは違うと思うぞ」

「え?」


椿がきょとんとして首をかしげる。


「もしかしたら、呪いを消滅させる力があるんじゃないか?」


仁の思いもよらない言葉に、椿は目を丸くする。


清家一族でありながら、呪いを祓う力もない。

むしろ、呪いを移す“幸喰いの悪女”として呼ばれてきた。


だから、消滅させる力を持っているかもしれないなんて考えたこともなかった。


「これまでの出来事を思い出してみろ」


仁に言われて、椿は振り返る。


黒い蝶を多く見かける場にいると、早い段階で満腹状態になりやすい。

その状態になると、決まって自分の体から蝶が漏れ出てくる。


それが原因で、結婚相手や周囲の人々に呪いを移していると思っていたが――。


「知らず知らずのうちに、呪いを体に溜め込んでいるのではないか?」

「呪いを…体に?」

「ああ。だが食事と同じで、食べ尽くせるわけじゃない。お前の体の中で許容量を超えた呪いが漏れていると考えたら、すべてに説明がつく」


たしかに、清家家にいるときはなんともないが、外出すると体が疲れて、空腹感も感じられなくなるときが多々あった。

嫁入りした家々も、富と名声があるが故にうらやましがられ、人々の嫉妬による負の感情が呪いとなった黒い蝶が多く見られた。


できる限りそれらを捕まえ、握り潰していたつもりだったが、実は体に吸収して溜め込んでいたのだとしたら――。


「呪いが移る可能性は、許容量を超えたときだけ。だから、他者との接触を恐れる心配はない。俺の考えが正しければ、お前は幸を喰っているのではなく、人々の脅威となる呪いを喰っていたんだ」


仁の言葉に椿は目を見開く。


「…だとしたら。仁様のトコヤミの呪いも、わたしがすべて吸収すれば…なくなるのでは?」


椿が仁を見上げると、仁は呆然としていた。


「その考えはなかったが、今の理屈からすると――」

「でしたら、もう一度試してみましょうか」

「試す?なにを?」

「口づけです」

「は!?」


仁はあんぐりと口を開ける。


「直接取り込んだほうが手っ取り早いと思いますので」

「いやいや、待て待てっ…」


目をキラキラとさせ、やる気に満ちた椿はまぶしいくらいだった。

じりじりと迫る椿の肩に、仁はため息をつきながら手を添えた。


「一旦落ち着け。お前の言うとおりかもしれないが、そうまでして望んでいない」

「なぜですか…!」

「トコヤミの呪いは、とてつもない苦味なのだろう?できれば、お前に苦痛を味あわせたくない」

「大丈夫です!わたし、がんばりますから――」

「そうじゃない」


仁は噛みつくように吐き捨てると、そっぽを向いてむくれた。


「…そもそも、口づけはそんなことのためにするものじゃないだろう。わかっているのか、椿のやつは」


背中を向けて小さなひとり言をつぶやく仁だったが、ふと視線を感じて振り返ると、目を丸くした椿がじっと見つめていた。


「今、おっしゃいましたよね」

「な、なにがだ」


ひとり言が聞こえてしまったのではと、どぎまぎする仁だったが――。


「“椿”と。わたしのことを名前で」


なんと、初め仁が名前を呼んでくれたことに感動していた。


「名前など、今までにも呼んでいただろう」

「いいえ、ありません。ずっと“お前”でした」


意味があって呼んでいなかったわけではないが、今さっき椿と名前で呼んだのも無意識だった。

そこで初めて、自分の中で椿の存在が変わりつつあるのに気がついた。


「そんな特別はものではないのだから、いちいち感動するな」


仁はコホンと咳払いをしたが、照れ隠しだった。

本当は、たったそれだけのことでうれしがる椿に胸がほのかに鳴っていた。


「ですが、無理しないでくださいね。いざというときは、わたしを頼ってください」

「ああ、わかった」


自信のなかった椿の瞳に、だれかを救えるかもしれないという希望の光りが灯った。

それがより椿を美しく引き立たせ、思わず仁が見惚れるほどだった。


「…すみません、仁様」

「どうした?」

「また熱が上がってきてしまったようで…。休んでも構わないでしょうか」

「はしゃぎすぎだ、子どもか。まだ治ってないんだから、大人しく寝ていろ」


仁は椿をベッドに寝かせ、布団をかけた。

自覚がなかっただけで体力を削っていたのか、椿は横になるとすぐに眠ってしまった。


仁はそんな椿の寝顔を見ながら、愛おしそうに頭をなでる。


「お前の呪いで死ぬつもりだったが、まさか生かされることになるとは思わなかったな」


眠る椿に語りかけると、その頬にやさしいキスを落としたのだった。