夜明けを知らないきみへ

うちが経済的に苦しいのは知っていた。


子どもが三人もいて何かとお金がかかるというのに、お父さんはすぐにお金をお酒やパチンコに使うから、一向に貯まるわけもなくお母さんにいくらか借金をしてその度に喧嘩をしていた。


お父さんの金遣いの荒さや酒癖の悪さには前から私も思うところがあったけど、喧嘩をするたびに物に当たったり包丁を振り回したりとヒステリックになるお母さんにも見ていて相当なストレスが溜まった。


お母さんは感情的になると思いもしないことを口走る性格でもあるから、何回かお母さんと言い争いになった際も、心ないことを言われて傷ついたことは数え切れない。


だからいつしか喧嘩の仲裁に入るのもやめて、ただ時間が過ぎるのを待っていた。


でも、こんな家だけど、いつかは家族みんなで仲良く暮らせる日が来るんじゃないかってそう思っていた。


それなのに…お父さんは不倫をしていた?それも、子どもまでいるなんて。


…気持ち悪い。きもちわるいきもちわるいきもちわるい。



「…あんたたちなんて、親じゃない。こんな家、早く出て行きたくて仕方なかった。生まれてこなければよかった!」



リビングを飛び出し、そのまま家を出る。