夜明けを知らないきみへ




グラウンドで試合を始めたサッカー部をぼーと眺めながらほうきを片手に適当に掃除をしていると、あははと甲高い笑い声が聞こえてきて思わずそちらを向く。


同じく掃除当番である女子三人組が、スマホで動画を再生しながら何やら楽しそうに笑っていた。


他の掃除当番である男子三人も、ほうきをバットに見立てて野球ごっこを始めて遊んでいる。


私はほうきを掃除用具入れに戻して、鞄を持って教室を出る。


友達と楽しそうに笑い合っている人たちの姿に羨ましいとは思わない。


一人でいるのは、一人が好きだからだし、そっちの方が何かと都合がいいから。


だから私は一人でいる。


周りはそんな私を馬鹿にしてきたり“寂しい人”と突っかかってきたりするけど、そんなの全部どうでもいい。


学校に居場所がなくたって、それでもまだ家よりはマシだから、毎日休まずに来れている。



「…ただいま」