夜明けを知らないきみへ

「私をここに連れてきたのは、あんた?」


「うん。入口で倒れてたから、とりあえず僕の家に連れてきたんだ」



入口…玄関ってこと?


あんな暗くてじめじめとした路地裏に家らしきものなんてあったっけと思い返してみるけど、ピンとくる答えは見つからなかった。



「そう。とりあえずありがとう」



そのまま部屋を出て行こうとすると、腕を掴まれた。



「どこに行くの?」


「どこって、別にどこだっていいでしょ。ここにいる理由はもうないから」



家には当分帰りたくない。


制服を着たまま夜の街を歩いていたら補導される可能性もあるし、一刻も早くどこかで一晩を過ごせる場所を見つけないと。