その忌み子は最上級の鬼に溺愛される


(よし……)
 一人で淡々と何かをするのは得意だし大好きなのであっという間に着物は完成した。
「でも、このぼさぼさの髪と青白い肌では着物に会わないわね……」
(そしてこの痣だも……)
 思考がよどんでしまいそうになる中で、旦那様が言ってくれたことを思い出した。
(きれいだと思うよって言いたかったんだ)
「おしゃれ、してみたいわ」
 自然と声に出ていた。
「花咲、早いな」
「わ!」
 後ろに完成を驚いている旦那様がいた。
「あとは俺に任せてみて」
 そういって、旦那様はわたしのくちびるに紅をさし、髪をとかしてくれた。
「最後にこれ」
 キラキバナをかたどった美しい髪飾りをつけてくれた。
「わあ……」
 鏡を見ているわたしの目はとても輝いている。
「もっときれいになった」
 旦那様は、満足げにそして慈愛に満ちた表情でそう言ってくれた。
「ありがとうございますっ。大事にします」
 わたしはできるだけ感謝を伝えたくて笑顔を整えた。
「それは良かった。花咲は美人だからね」
 旦那様はにこにことして答えてくれた。わたしは、生まれてから言われたこともない賛辞に恥ずかしかったが信じることにした。