生贄にされた花嫁は不老不死の妖狐に愛される

 彩が書斎を去ったあと、御影は彩のことを考えていた。
 今までの縁談に来た令嬢たちは御影と話すなりすぐに泣いて逃げ出してしまっていたからだ。
 妖でもなく人間なのに、御影に対しておびえた様子がなかった。
 黒くまっすぐな髪に神と同じ色をした大きな瞳、名家の令嬢にしては質素な着物、荒れた手、顔は感情が抜け落ちているようだった。
 初めて会うタイプの令嬢に思わず御影は動揺してしまった。
(吉柳家でどう育てられてきたのだろうか...いや俺には関係ない。どうせ一週間も持たないだろう。)
 御影はもやもやした気持ちに気づかないふりをし、仕事作業に戻った。