生贄にされた花嫁は不老不死の妖狐に愛される

 その来た客は烏天狗族の当主、羽住風雅であった。
「羽住さまがうちに何の御用でしょうか?」
 父の疑問は当然であろう。
 烏天狗族は狐族に次ぐ実力があり、絶大な権力を持っているのだかあり
「そちらの長女、吉柳彩さんについてです」
「彩?彩はもう嫁いでうちにはいませんが...」
「ええ、知っています。では彩さまの能力をご存じですか?」
「能力?お言葉ですがあの子はのろまで特技一つ持っていません」
「それは勘違いだったようですね。彩さまは千年に一度の花嫁なんですよ」
「千年に一度の花嫁?何それ」
 麗奈が眉をひそめる。
「妖の中では有名なのです。その花嫁と結婚すれば、誰も足元に及ばないほどの力を得られると」
「そんなすごい力をお姉さまが?...ありえないわよ」
 風雅はひるむ様子はない。
「それが本当なのです」
「嫌よ、嫌!お姉さまに負けるなんて!!」
 麗奈が叫ぶ。
「だからこちらへ来たんです。僕たち協力しませんか?」
「協力?」
「ええ、僕は花嫁の力が欲しい、そちらは伏見御影とそのおこぼれが欲しい。
 僕たちが組めば最強の利害関係が成り立つじゃないですか!」
「そんなことできるんですか?」
 父が疑わしげに聞く。
「ええ、あなたたちの協力が必要なんです。」
 風雅が作戦を話す。
 麗奈が口角を上げる。 
「お姉さま、今に見てなさい。幸せになんかさせてあげないから」