生贄にされた花嫁は不老不死の妖狐に愛される

 彩はその日、御影が帰ってくるまでずっと考えていた。
 甘かった。御影はこの世界に必要な存在だ。後数十年で死んでいい存在じゃない。
 でも。
 どうしても彩は答えを出せずにいた。
 御影が帰ってきた。
「お帰りなさいませ」
「ただいま、彩」
 彩に向ける笑顔を見てあぁ、と思う。
 私が花嫁じゃなければ。綾芽さんのような素敵な人だったら。
 一度考えだしたらきりがない。
「彩?どこか悪いのか?」
 ぼーっとしていたらしい。御影が心配そうに彩を見ている。
「いえ、おなかすいたなって思っていたんです」
「そうだな、早く食べよう」
 心のもやもやを取り払って。
 彩は目の前にいる御影との時間に集中した。