生贄にされた花嫁は不老不死の妖狐に愛される

 お風呂上り、寝ようとした彩を御影が呼び止めた。
「今度の休みに街へ出かけようと思っている。一緒に行かないか?」
「え?」
 突然のお誘いだった。しかし、彩はもう長い間街に行っていない。
「迷惑ではありませんか?」
「迷惑ではない。俺から誘ったのだ。それとも嫌か?」
 不安そうに尋ねられた。
 嫌なわけないむしろうれしいのだ。自分なんかを誘ってくれて。
「滅相もないです。行きたいです」
「じゃあ、決まりだな」
 御影は嬉しそうに顔をほころばせて自室に戻った。
 彩は廊下に座り込む。
(どうしてこんなに心臓の音がうるさいの)
 彩はとくとくとなる胸を押さえた。
 今夜も眠れそうにはないようだ。