俺が日本を発って最初に訪れたのは、インドの首都デリー。
インディラ・ガンディー国際空港に到着してすぐに時計を見ると、時刻は午後五時近くだった。
素早く脳内で時差を計算する。日本のほうが三時間半進んでいるから、向こうは午後八時半頃か。
たぶん仕事中だろうと思いながらも彩乃に電話をかけると、意外にもすぐに彩乃の声が応答する。
「雄大⁉︎ 空港? 無事についた?」
「うん、無事に着いた。おまえは? 仕事はもう終わったの?」
「今は控え室で出待ち中。雄大から電話が来る頃だと思ってスマホを握りしめてた」
「そうか……」
ああ、駄目だ。彩乃の声を聞いただけでもう会いたくて堪らない。
胸がギュッと締めつけられて、スマホを持つ手が震えだす。
「……通信量に制限があるからあまり長電話できないんだ……それじゃ、仕事がんばれよ」
「うん、雄大も身体に気をつけてね」
「おう、じゃあな」
「あっ、雄大!」
「えっ?」
「待ってるからね」
「……おう」
不意に視界が滲んで涙声になる。
それを悟られたくなくて慌ただしく電話を切った。
もう少し気の利いたことが言えなかったのかと反省したが、電話口で『好きだよ』とか『愛してるよ』と言うのも照れ臭くてできなかった。
周囲は外人ばかりなのだから、聞かれて困るものでもないのにな。
俺はTシャツにジーンズ、腰にパーカーを巻いた軽装で、背中にバックパック、肩にカメラバッグを掛け、黒い小ぶりのスーツケースを引きながら空港の建物を出る。
途端にタクシーの客引きがワラワラと声をかけてきた。
どうしようかと困っている俺に欧米人らしい二人組の若者が寄ってくる。
どうやら俺と同じバックパッカーらしい。
「メインバザール?」と聞かれたので頷くと、英語でタクシーの相乗りに誘われて同乗する。
うん、これで少しは節約になるな。
インディラ・ガンディー国際空港に到着してすぐに時計を見ると、時刻は午後五時近くだった。
素早く脳内で時差を計算する。日本のほうが三時間半進んでいるから、向こうは午後八時半頃か。
たぶん仕事中だろうと思いながらも彩乃に電話をかけると、意外にもすぐに彩乃の声が応答する。
「雄大⁉︎ 空港? 無事についた?」
「うん、無事に着いた。おまえは? 仕事はもう終わったの?」
「今は控え室で出待ち中。雄大から電話が来る頃だと思ってスマホを握りしめてた」
「そうか……」
ああ、駄目だ。彩乃の声を聞いただけでもう会いたくて堪らない。
胸がギュッと締めつけられて、スマホを持つ手が震えだす。
「……通信量に制限があるからあまり長電話できないんだ……それじゃ、仕事がんばれよ」
「うん、雄大も身体に気をつけてね」
「おう、じゃあな」
「あっ、雄大!」
「えっ?」
「待ってるからね」
「……おう」
不意に視界が滲んで涙声になる。
それを悟られたくなくて慌ただしく電話を切った。
もう少し気の利いたことが言えなかったのかと反省したが、電話口で『好きだよ』とか『愛してるよ』と言うのも照れ臭くてできなかった。
周囲は外人ばかりなのだから、聞かれて困るものでもないのにな。
俺はTシャツにジーンズ、腰にパーカーを巻いた軽装で、背中にバックパック、肩にカメラバッグを掛け、黒い小ぶりのスーツケースを引きながら空港の建物を出る。
途端にタクシーの客引きがワラワラと声をかけてきた。
どうしようかと困っている俺に欧米人らしい二人組の若者が寄ってくる。
どうやら俺と同じバックパッカーらしい。
「メインバザール?」と聞かれたので頷くと、英語でタクシーの相乗りに誘われて同乗する。
うん、これで少しは節約になるな。
