CM撮影当日、俺達の地元は大騒ぎだった。
それは俺が働いている写真スタジオでも同様で、昼に皆で撮影現場の見学に行くのだと盛り上がっている。
「なあ木崎、おまえって成瀬駿や森口彩乃と同じ高校出身だったんじゃね? あの二人と接点とかなかったの?」
先輩アシスタント達から興味津々で聞かれて、俺は「成瀬先輩とは写真部で一年間だけ一緒でした」と答えるにとどめた。
彩乃と幼馴染で、しかも付き合っているなんて言ったら大騒動になる。
「それじゃあさ、もしかしてその頃からあの二人って付き合ってたとか? 美男美女揃いでおまえの母校ってすげぇな」
そう言われて俺は苦笑するしかなかった。
そうだよな。誰がどう見たってあの二人はお似合いで、俺はしがないモブ扱いだ。
今この瞬間、彩乃の隣に立っているのは成瀬先輩で、俺はスタジオで汗まみれで雑用をやらされていて……。
――くっそ! 彩乃は俺の彼女なんだよ!
喉元まで迫り上がった言葉を呑み込んで、俺は黙々と照明のセッティングに取りかかった。
CMの撮影現場である俺達の母校は、まるでお祭りのような騒ぎだった。
混乱を避けるために撮影を平日の昼間におこなったにもかかわらず、どこから集まったのか大勢のギャラリーが詰めかけて、パトカーまで出動する始末。
そして、成瀬先輩は終始ニコニコと彩乃に話しかけていて、どう見ても彼女にまだ未練がありそうだった……らしい。
らしいというのは俺がその場にいなかったから。
俺はその現場に行かなかった。行けなかった。
地元の星の二人が仲睦まじくしている姿も、それをお似合いだと囃し立てるギャラリーも見たくなかったんだ。
詳細はあとで晴人から教えてもらったけれど、それさえも聞いたのを後悔した。
俺は自分と彩乃達との違いと己の不甲斐なさを再確認させられただけだった。
それは俺が働いている写真スタジオでも同様で、昼に皆で撮影現場の見学に行くのだと盛り上がっている。
「なあ木崎、おまえって成瀬駿や森口彩乃と同じ高校出身だったんじゃね? あの二人と接点とかなかったの?」
先輩アシスタント達から興味津々で聞かれて、俺は「成瀬先輩とは写真部で一年間だけ一緒でした」と答えるにとどめた。
彩乃と幼馴染で、しかも付き合っているなんて言ったら大騒動になる。
「それじゃあさ、もしかしてその頃からあの二人って付き合ってたとか? 美男美女揃いでおまえの母校ってすげぇな」
そう言われて俺は苦笑するしかなかった。
そうだよな。誰がどう見たってあの二人はお似合いで、俺はしがないモブ扱いだ。
今この瞬間、彩乃の隣に立っているのは成瀬先輩で、俺はスタジオで汗まみれで雑用をやらされていて……。
――くっそ! 彩乃は俺の彼女なんだよ!
喉元まで迫り上がった言葉を呑み込んで、俺は黙々と照明のセッティングに取りかかった。
CMの撮影現場である俺達の母校は、まるでお祭りのような騒ぎだった。
混乱を避けるために撮影を平日の昼間におこなったにもかかわらず、どこから集まったのか大勢のギャラリーが詰めかけて、パトカーまで出動する始末。
そして、成瀬先輩は終始ニコニコと彩乃に話しかけていて、どう見ても彼女にまだ未練がありそうだった……らしい。
らしいというのは俺がその場にいなかったから。
俺はその現場に行かなかった。行けなかった。
地元の星の二人が仲睦まじくしている姿も、それをお似合いだと囃し立てるギャラリーも見たくなかったんだ。
詳細はあとで晴人から教えてもらったけれど、それさえも聞いたのを後悔した。
俺は自分と彩乃達との違いと己の不甲斐なさを再確認させられただけだった。
