太陽のない向日葵
彼が隣にいない時。
彼と電話したいのにできない時。
私は、太陽のない向日葵になってしまう。
雪の降る夜。どうしようもなく、誰かがそばにいてほしくなる。
夏だって同じ。誰かと一緒に「暑いね」と言い合える人が欲しくなる。
知ってる? 昔は自国にいるのが嫌だった私が、
あなたができて、共有するものができた。
「今日はあなたと何を話そうかな」と考えて、小さな出来事を見つけるようになった。
あなたは本当に、私の日々に色をつけてくれた。ありがとう。
過去という名の影
電話で、ふと元カノや元カレの話になった。
私には元彼がいないけど、彼には今までたくさんの女の子がいた。
高校時代の純粋な恋。そして高校と大学で、少なくとも二人の彼女と。
その他、友達以上恋人未満の女の子たち。
彼の経験が多いのは、なんとなくわかっていた。
一度、彼がヨーグルトを持ってきてくれた時、「なんでヨーグルト?」と聞いたら、
「女の子はヨーグルトが好きだろ」と言われた。
そんなちょっとした動作から、女の子扱いされるたびに、
「昔の彼女たちにもこうしてたから、こうするのかな」という思いが頭の片隅に巣食っていた。
彼のそんな優しさに、初めは何も思わなかった。
他の女の子がそばにいた過去があるからこそ、今の彼がいるのだと。
でも、彼は言った。「他の女の子たちには、もっと優しかった」と。
他の女の子にはもっと優しかった。もっと何をしてあげたのだろう。
たまに他の女の子が彼にあげられるもの以上に、私が特別なものを持っているわけじゃないと、不安になる。
同時に、自分に言い聞かせてきた。「彼はいい人なの、悪い人じゃない。前より私に優しくしてくれてる」と。
だから、彼自身が「他の女の子にはもっと優しくしてた、私に対しては手を抜いている」と言ったとき、すごく傷ついた。
私が信じてたのは、彼が「いい人」だからじゃなかった。彼が私に「優しい」からでもなかった。
寂しかったから好きになったんじゃない。一人でも良かったのだけれど、あなたに出会って恋をしてしまっただけ。
でも今は、私も何か返してほしくなってしまっている。
私が欲張りすぎなのかな?
でも今でも、彼のことを一番に考える。それは変わらない。
刺さった釘は、ずっとそのまま。
カバーしたり、チリの中に埋もれていく。
でも、ことあるごとに、それが現れて主張する。
彼は私よりも弱いから、こんな不安をぶつけたら、きっと彼を失ってしまう。彼を不安にさせてしまう。それが怖い。
長い年月。少なくとも、彼はその年月を一緒に過ごす覚悟はあるみたい。
手に入れてしまうと、かえって寂しくなる。ずっと交わらないと結ばれないと思っていた糸。
結ばれそうなのに、嬉しいのに、幸せなのに。
いい人で、いい彼氏。なのに、私は「私を見てほしい、知ってほしい」と駄々をこねる。
近い人には私を分かってほしいって期待して甘えてしまう。
その自分勝手さが私たちを苦しめるのに。
当たり前のことじゃない、幸せ。なのに、虚しくなった心がすうっと空洞を抜ける。
恋愛ドラマはたくさんあるけど、どのステージにもそれぞれのドラマがあって、
人生にただ単純な幸せだけなんてない。
でも、そんなの問題じゃない。私は彼と一緒にいる覚悟はある。
ただ、私が彼にとっての「唯一無二」なのかが、分からないだけ。
小さな嬉しさや優しさを大事に積み重ねてきたこの二年。
なのに、その全てが、彼のこれまでの基準より「下」だったのかなって。
「誰でもよかったのか」と思ったら、君の優しさが滲みなくなってしまう。
そう考えて、すぐにやめた。
女の子だからってヨーグルトをあげる優しさはいらない。
私だからチーズを買ってきてくれて、さつまいもを買ってきてくれる優しさが好き。
そんな優しさを、一つずつ数えていきたい。
だから私はずっとあなたの横を歩んでいきたい。
別にいつも優しくしなくたって、いつも完璧じゃなくたって構わない。
一週間のうち何回か、私を見つけてくれたら、それでいい。
タスク化
彼が私を好きなのは、ほぼ間違いない。
私たちのために時間を割いて、私の国の言葉を勉強して、電話してくれている。
でも、「電話するのを何曜日って決めようか」と彼が言ってきた時、反射的に嫌だと言った。
彼は学生グループを束ねる仕事をしていて、二十人近くに気を配らないといけない。
私は邪魔をしないように抑えている。それでも恋しくなるから「電話?」と聞く。
それで電話して、でも彼がテキストをしていて、心ここにあらずの状態なのが伝わってくる日があった。
「5分から10分だけでもいいから、彼を独り占めにできないかな」
テキストの片手間じゃなくて、タスクの一つとしてこなすんじゃなくて。
加えて電話を決められた曜日・時間にしてしまうと、それが「タスク」になってしまう気がして怖かった。
「おっけー、done」って終わってしまうのが嫌で、電話はしたくなる時にしたかった。
彼は3、4日に一度でいい。私は2、3日に一度したくなる。この頻度の差も悲しい。
彼をいっぱいいっぱいにしたくなくて、我慢する。
「明日彼が電話って言ってくれるかもしれない」と期待して、翌日も我慢する。
一度、私が疲れていてあまり話せず、彼も疲れていて電話を切られた日があった。
その日から、私はプレッシャーを感じるようになった。
電話するためには、元気でいなくちゃ、十分に楽しい人でいなくちゃ、と思わないといけなくなった。
should(べき)じゃなくて、want(したい)をくれた人だったのに、shouldが出てきてしまった。
寝る前にちょっとだけ電話して、声が聞けてよく眠れるなんて、おとぎ話の夢のまた夢だ。
バレンタイン
バレンタインが近づいた。カップルがプレゼントを送り合う日。
相手を大事にしているよと伝えられる日。私の国では、女の子がチョコレートをあげる。
一日考えて、スーパーに行った。手作りは日持ちがしない。買うなら何がいいかな。
色々考えながら、チョコレート売り場を見て回った。
その晩、電話をかけた。「バレンタインもうすぐだね。私の国ではチョコレートをあげる日なんだ。欲しい?」と聞いた。
そしたら彼は言った。「ただのプレッシャーだよ」と、そっぽを向いた。
そっか、私に何もしてほしくないのかと、少し悲しかった。
彼の国ではカップルがプレゼントを送り合う日。
別に豪華なプレゼントが欲しいわけじゃない。ただ一緒に相手を思い合っているよと示せる日を過ごしたかった。
「プレッシャー」ということは、彼は何もしたくないのだ。
少しだけ何かしてくれるのかなという期待もあったから、何もないのかとまた悲しくなって、すぐ電話を切った。
彼は何か感じ取ったようだけど、折り返しては来なかった。
同僚
ある日、突然彼が手紙をくれた。手書きで書いて、写真を撮って送ってきてくれた。
そこには、同僚との会話が書いてあった。
今日、同僚と恋、人生、人間関係について話した。私たちのことを話したんだ。
彼は、私に対して他とは違う感覚があるって言った。
同僚たちは、同じ国の者として状況がわかる、家族や社会から多くのプレッシャーを受けるだろうと。
でも、If you think that person is the one, don't give up.
自分の人生の審判は他人じゃない、自分なんだから。家族でも自分の人生の審判にはなれないんだから。
だから、二人で一緒に、一丸となって、fight to the world. Just hang in there, and you'll get over it.
同僚のそんな言葉に、励まされたと同時に、その気持ちを私に伝えてくれた。
厳しいときも、苦しいときもあるだろう。それでも、助け合って、励まし合って、愛し合って、どんなときもそれを受け止めて、楽しんで、乗り越えていこう。
進み続けよう、Love youって。
すごく励まされた。
他のことを心配する必要なんてない。心配することがあろうとなかろうと、私は彼を愛し続け、彼と一緒に歩んでいきたい。
彼の言う「同じ国の者として」という部分に引っ掛かりを覚えて、私の見えていない部分があるように感じて少し怖くなったけれど、
それよりも、彼がその気持ちを伝えてくれたことが嬉しかった。
そんな風に一緒に歩いていきたいと願った。
帰国という決断
なのに、君は一人で国に帰ると決めてしまった。
私はもう一度あの街に行こうと準備しているときだった。
あの街に行って、一緒に生きていけることを、時差のない同じ時間軸にいられる幸せを望んでいたから、とても悲しかった。
なんの相談もしてくれなかった。
以前、君が街に留まると決めた時も悲しかった。でもあの時は、私たちはなんの関係にもなかったから、仕方ないと自分に言い聞かせていた。意見する立場にないって。
でも、今回。私たちは恋人だ。
なのに、彼はなんの相談もなく一人でまた決めた。
「私たちはどうするの?」って。私たちがないように振る舞う彼が分からなかった。
彼が国に帰ったら、たぶん「こっちにおいで」以上のことは言ってくれないし、言えないのだと思う。
言語の壁も大きい。私たちは互いの言語を学ばないといけない。
それは私の選択だ。私がどれだけ彼の国言葉を学べるか、彼の国で仕事を見つけようと頑張れるか。
全て私の選択。それでも、君は「特別」って言ってくれたから、ここにいる時間を最大限に大切にしよう。ありがとうを絞り出す。
「仕事は頑張って、でもそんなに遠くに行かないで」と言ったら、「行かないよ」と言ってくれた。
そして彼は「あなたは特別な存在だ」と言ってくれた。私が「好き」と言えなかった分、彼がその言葉を補ってくれた。
それでも、何も持たずに、自国で一人ぼっちになるのが怖い。ただただ、怖い。
似たもの同士
二人とも、親と確執があって、クラスメイトを恐れて、
「友達って何なんだろう」って悩んで、家から遠い大学を選んで、暗闇を経験した。
たぶん、二人とも敏感で、傷つきやすくて、閉じこもって守ろうとして、
でも深い繋がりを求めて、光を見て、変わって行ってる。
似てるね、ほんとに。私たちは対極だけど、似ている。
あなたは、私の「あちこち旅に出たい」気持ちを止めてくれた。
そばにいてくれるなら、どこでもいいから、一つの場所に落ち着きたいと思わせてくれる。あなたの横に落ち着きたいと思わせてくれる。
「Should」「Have to」に縛られて、ずっと変わらなきゃいけないともがいてきた私に、
彼は言ってくれた。
「別の人にならなくていい。もし君がAからBに変わっちゃったら、今の君を好きになった意味がないじゃない」
自分でいていいんだと、泣きそうになった。土台が、ゆるがんでいいんだって感じた。
ありのままの自分でいていいんだって、肩の力が抜けた。
どうしてあなたなのか。最初から、私たちの大切にするもの、興味の対象が似ていたから。
あなたは私を刺激してくれる。それ以上に、あなたは私にとって大事なものを本能で理解して、考えて、話し合ってくれる。
だから、私はあなたが好き。
笑ってくれる。愛おしそうに見てくれる。
「言い争い」じゃなくて「話し合い」。大丈夫、普通だからって言って「自分を見せろ」って言ってくれる。
「自分だけで抱え込もうとしすぎるな」って言ってくれる。頼らせてくれて、頼れる人。
今のところ、彼が私を好きでいる以上に、私は彼を好き。
でも、もし私が諦めたら、簡単に終わってしまうんじゃないかと、怖くもなる。
男女の友情は成立しない。私たちの間でも、そうなのかな。
昔は、言葉じゃなくて行動が欲しかった。今は、逆。
釘だらけの心が重い。 数え出したらキリがない。
でも、それだけの価値はある。
「君が好きだ」と彼は言う。
でも、「好きだ」だけでは、彼を私と一緒にいさせるには十分じゃない気がする。
彼は以前、他の彼女を「愛していた」と言った。
他の人といる時ほど、余計に彼が恋しくなる。
彼と出会う前の私。彼と出会った後の私。その途中の私。
彼は「君の心には何かがある」って言う。
それって一体何なの? 大事に守っていてもいい?
価値があること。将来、いつか彼が「君には価値がない」と思う日が来るのかな。
やっと私たちは近い世界で生きている。おやすみが文字通りおやすみ。おはようが文字通りおはよう。
でも、一日中一緒にいられない。二時間の電話、それだけ。それは変わらない。
あなたのせいじゃない。あなたは成長していけばいい。変わる必要はない。そう言ってくれたのはあなた。
この人生の段階であなたに出会えて、本当に感謝している。
今、私たちが持っているものに集中したい。心から感謝している。
でも、あなたが恋しくて痛い。その痛みは、ここにある。
これは、決して消えない。
彼が隣にいない時。
彼と電話したいのにできない時。
私は、太陽のない向日葵になってしまう。
雪の降る夜。どうしようもなく、誰かがそばにいてほしくなる。
夏だって同じ。誰かと一緒に「暑いね」と言い合える人が欲しくなる。
知ってる? 昔は自国にいるのが嫌だった私が、
あなたができて、共有するものができた。
「今日はあなたと何を話そうかな」と考えて、小さな出来事を見つけるようになった。
あなたは本当に、私の日々に色をつけてくれた。ありがとう。
過去という名の影
電話で、ふと元カノや元カレの話になった。
私には元彼がいないけど、彼には今までたくさんの女の子がいた。
高校時代の純粋な恋。そして高校と大学で、少なくとも二人の彼女と。
その他、友達以上恋人未満の女の子たち。
彼の経験が多いのは、なんとなくわかっていた。
一度、彼がヨーグルトを持ってきてくれた時、「なんでヨーグルト?」と聞いたら、
「女の子はヨーグルトが好きだろ」と言われた。
そんなちょっとした動作から、女の子扱いされるたびに、
「昔の彼女たちにもこうしてたから、こうするのかな」という思いが頭の片隅に巣食っていた。
彼のそんな優しさに、初めは何も思わなかった。
他の女の子がそばにいた過去があるからこそ、今の彼がいるのだと。
でも、彼は言った。「他の女の子たちには、もっと優しかった」と。
他の女の子にはもっと優しかった。もっと何をしてあげたのだろう。
たまに他の女の子が彼にあげられるもの以上に、私が特別なものを持っているわけじゃないと、不安になる。
同時に、自分に言い聞かせてきた。「彼はいい人なの、悪い人じゃない。前より私に優しくしてくれてる」と。
だから、彼自身が「他の女の子にはもっと優しくしてた、私に対しては手を抜いている」と言ったとき、すごく傷ついた。
私が信じてたのは、彼が「いい人」だからじゃなかった。彼が私に「優しい」からでもなかった。
寂しかったから好きになったんじゃない。一人でも良かったのだけれど、あなたに出会って恋をしてしまっただけ。
でも今は、私も何か返してほしくなってしまっている。
私が欲張りすぎなのかな?
でも今でも、彼のことを一番に考える。それは変わらない。
刺さった釘は、ずっとそのまま。
カバーしたり、チリの中に埋もれていく。
でも、ことあるごとに、それが現れて主張する。
彼は私よりも弱いから、こんな不安をぶつけたら、きっと彼を失ってしまう。彼を不安にさせてしまう。それが怖い。
長い年月。少なくとも、彼はその年月を一緒に過ごす覚悟はあるみたい。
手に入れてしまうと、かえって寂しくなる。ずっと交わらないと結ばれないと思っていた糸。
結ばれそうなのに、嬉しいのに、幸せなのに。
いい人で、いい彼氏。なのに、私は「私を見てほしい、知ってほしい」と駄々をこねる。
近い人には私を分かってほしいって期待して甘えてしまう。
その自分勝手さが私たちを苦しめるのに。
当たり前のことじゃない、幸せ。なのに、虚しくなった心がすうっと空洞を抜ける。
恋愛ドラマはたくさんあるけど、どのステージにもそれぞれのドラマがあって、
人生にただ単純な幸せだけなんてない。
でも、そんなの問題じゃない。私は彼と一緒にいる覚悟はある。
ただ、私が彼にとっての「唯一無二」なのかが、分からないだけ。
小さな嬉しさや優しさを大事に積み重ねてきたこの二年。
なのに、その全てが、彼のこれまでの基準より「下」だったのかなって。
「誰でもよかったのか」と思ったら、君の優しさが滲みなくなってしまう。
そう考えて、すぐにやめた。
女の子だからってヨーグルトをあげる優しさはいらない。
私だからチーズを買ってきてくれて、さつまいもを買ってきてくれる優しさが好き。
そんな優しさを、一つずつ数えていきたい。
だから私はずっとあなたの横を歩んでいきたい。
別にいつも優しくしなくたって、いつも完璧じゃなくたって構わない。
一週間のうち何回か、私を見つけてくれたら、それでいい。
タスク化
彼が私を好きなのは、ほぼ間違いない。
私たちのために時間を割いて、私の国の言葉を勉強して、電話してくれている。
でも、「電話するのを何曜日って決めようか」と彼が言ってきた時、反射的に嫌だと言った。
彼は学生グループを束ねる仕事をしていて、二十人近くに気を配らないといけない。
私は邪魔をしないように抑えている。それでも恋しくなるから「電話?」と聞く。
それで電話して、でも彼がテキストをしていて、心ここにあらずの状態なのが伝わってくる日があった。
「5分から10分だけでもいいから、彼を独り占めにできないかな」
テキストの片手間じゃなくて、タスクの一つとしてこなすんじゃなくて。
加えて電話を決められた曜日・時間にしてしまうと、それが「タスク」になってしまう気がして怖かった。
「おっけー、done」って終わってしまうのが嫌で、電話はしたくなる時にしたかった。
彼は3、4日に一度でいい。私は2、3日に一度したくなる。この頻度の差も悲しい。
彼をいっぱいいっぱいにしたくなくて、我慢する。
「明日彼が電話って言ってくれるかもしれない」と期待して、翌日も我慢する。
一度、私が疲れていてあまり話せず、彼も疲れていて電話を切られた日があった。
その日から、私はプレッシャーを感じるようになった。
電話するためには、元気でいなくちゃ、十分に楽しい人でいなくちゃ、と思わないといけなくなった。
should(べき)じゃなくて、want(したい)をくれた人だったのに、shouldが出てきてしまった。
寝る前にちょっとだけ電話して、声が聞けてよく眠れるなんて、おとぎ話の夢のまた夢だ。
バレンタイン
バレンタインが近づいた。カップルがプレゼントを送り合う日。
相手を大事にしているよと伝えられる日。私の国では、女の子がチョコレートをあげる。
一日考えて、スーパーに行った。手作りは日持ちがしない。買うなら何がいいかな。
色々考えながら、チョコレート売り場を見て回った。
その晩、電話をかけた。「バレンタインもうすぐだね。私の国ではチョコレートをあげる日なんだ。欲しい?」と聞いた。
そしたら彼は言った。「ただのプレッシャーだよ」と、そっぽを向いた。
そっか、私に何もしてほしくないのかと、少し悲しかった。
彼の国ではカップルがプレゼントを送り合う日。
別に豪華なプレゼントが欲しいわけじゃない。ただ一緒に相手を思い合っているよと示せる日を過ごしたかった。
「プレッシャー」ということは、彼は何もしたくないのだ。
少しだけ何かしてくれるのかなという期待もあったから、何もないのかとまた悲しくなって、すぐ電話を切った。
彼は何か感じ取ったようだけど、折り返しては来なかった。
同僚
ある日、突然彼が手紙をくれた。手書きで書いて、写真を撮って送ってきてくれた。
そこには、同僚との会話が書いてあった。
今日、同僚と恋、人生、人間関係について話した。私たちのことを話したんだ。
彼は、私に対して他とは違う感覚があるって言った。
同僚たちは、同じ国の者として状況がわかる、家族や社会から多くのプレッシャーを受けるだろうと。
でも、If you think that person is the one, don't give up.
自分の人生の審判は他人じゃない、自分なんだから。家族でも自分の人生の審判にはなれないんだから。
だから、二人で一緒に、一丸となって、fight to the world. Just hang in there, and you'll get over it.
同僚のそんな言葉に、励まされたと同時に、その気持ちを私に伝えてくれた。
厳しいときも、苦しいときもあるだろう。それでも、助け合って、励まし合って、愛し合って、どんなときもそれを受け止めて、楽しんで、乗り越えていこう。
進み続けよう、Love youって。
すごく励まされた。
他のことを心配する必要なんてない。心配することがあろうとなかろうと、私は彼を愛し続け、彼と一緒に歩んでいきたい。
彼の言う「同じ国の者として」という部分に引っ掛かりを覚えて、私の見えていない部分があるように感じて少し怖くなったけれど、
それよりも、彼がその気持ちを伝えてくれたことが嬉しかった。
そんな風に一緒に歩いていきたいと願った。
帰国という決断
なのに、君は一人で国に帰ると決めてしまった。
私はもう一度あの街に行こうと準備しているときだった。
あの街に行って、一緒に生きていけることを、時差のない同じ時間軸にいられる幸せを望んでいたから、とても悲しかった。
なんの相談もしてくれなかった。
以前、君が街に留まると決めた時も悲しかった。でもあの時は、私たちはなんの関係にもなかったから、仕方ないと自分に言い聞かせていた。意見する立場にないって。
でも、今回。私たちは恋人だ。
なのに、彼はなんの相談もなく一人でまた決めた。
「私たちはどうするの?」って。私たちがないように振る舞う彼が分からなかった。
彼が国に帰ったら、たぶん「こっちにおいで」以上のことは言ってくれないし、言えないのだと思う。
言語の壁も大きい。私たちは互いの言語を学ばないといけない。
それは私の選択だ。私がどれだけ彼の国言葉を学べるか、彼の国で仕事を見つけようと頑張れるか。
全て私の選択。それでも、君は「特別」って言ってくれたから、ここにいる時間を最大限に大切にしよう。ありがとうを絞り出す。
「仕事は頑張って、でもそんなに遠くに行かないで」と言ったら、「行かないよ」と言ってくれた。
そして彼は「あなたは特別な存在だ」と言ってくれた。私が「好き」と言えなかった分、彼がその言葉を補ってくれた。
それでも、何も持たずに、自国で一人ぼっちになるのが怖い。ただただ、怖い。
似たもの同士
二人とも、親と確執があって、クラスメイトを恐れて、
「友達って何なんだろう」って悩んで、家から遠い大学を選んで、暗闇を経験した。
たぶん、二人とも敏感で、傷つきやすくて、閉じこもって守ろうとして、
でも深い繋がりを求めて、光を見て、変わって行ってる。
似てるね、ほんとに。私たちは対極だけど、似ている。
あなたは、私の「あちこち旅に出たい」気持ちを止めてくれた。
そばにいてくれるなら、どこでもいいから、一つの場所に落ち着きたいと思わせてくれる。あなたの横に落ち着きたいと思わせてくれる。
「Should」「Have to」に縛られて、ずっと変わらなきゃいけないともがいてきた私に、
彼は言ってくれた。
「別の人にならなくていい。もし君がAからBに変わっちゃったら、今の君を好きになった意味がないじゃない」
自分でいていいんだと、泣きそうになった。土台が、ゆるがんでいいんだって感じた。
ありのままの自分でいていいんだって、肩の力が抜けた。
どうしてあなたなのか。最初から、私たちの大切にするもの、興味の対象が似ていたから。
あなたは私を刺激してくれる。それ以上に、あなたは私にとって大事なものを本能で理解して、考えて、話し合ってくれる。
だから、私はあなたが好き。
笑ってくれる。愛おしそうに見てくれる。
「言い争い」じゃなくて「話し合い」。大丈夫、普通だからって言って「自分を見せろ」って言ってくれる。
「自分だけで抱え込もうとしすぎるな」って言ってくれる。頼らせてくれて、頼れる人。
今のところ、彼が私を好きでいる以上に、私は彼を好き。
でも、もし私が諦めたら、簡単に終わってしまうんじゃないかと、怖くもなる。
男女の友情は成立しない。私たちの間でも、そうなのかな。
昔は、言葉じゃなくて行動が欲しかった。今は、逆。
釘だらけの心が重い。 数え出したらキリがない。
でも、それだけの価値はある。
「君が好きだ」と彼は言う。
でも、「好きだ」だけでは、彼を私と一緒にいさせるには十分じゃない気がする。
彼は以前、他の彼女を「愛していた」と言った。
他の人といる時ほど、余計に彼が恋しくなる。
彼と出会う前の私。彼と出会った後の私。その途中の私。
彼は「君の心には何かがある」って言う。
それって一体何なの? 大事に守っていてもいい?
価値があること。将来、いつか彼が「君には価値がない」と思う日が来るのかな。
やっと私たちは近い世界で生きている。おやすみが文字通りおやすみ。おはようが文字通りおはよう。
でも、一日中一緒にいられない。二時間の電話、それだけ。それは変わらない。
あなたのせいじゃない。あなたは成長していけばいい。変わる必要はない。そう言ってくれたのはあなた。
この人生の段階であなたに出会えて、本当に感謝している。
今、私たちが持っているものに集中したい。心から感謝している。
でも、あなたが恋しくて痛い。その痛みは、ここにある。
これは、決して消えない。
