『……屋敷の事は燕谷に任せ、後見人として叔父を頼りなさい。……お前が一人前になるまで、皆見守ってくれるはずだ……』
『はい……っ』
父の言葉を聞き、それまでごっそりと感情が抜けたような顔をしていた隼人は、目を潤ませて涙を流していた。
『……私たちはいつでもお前を見守っている。だから、安心して白虎の主となり、この国を守る要となりなさい。……お前は私たちの誇りだ』
『……はい。……白虎を受け入れます』
隼人が言った瞬間、フワッと彼の全身から抜けるように成獣の白虎が姿を現した。
『……っお前……っ。私が今までどれだけ念じても、現れなかったのに……っ』
初めて〝自分の〟白虎の姿を目の当たりにした隼人は、驚いて声を上げる。
『……聖獣は主人の心を映す。ゆめ、心を曇らせないように。……白虎に心を預ければ、おのずとその力を感じ、曇りなき眼で世界を視る事ができる』
『分かりました』
隼人の目に、次第に生きる力、覚悟が宿っていく。
側に控えている供――、燕谷は静かに涙を流していた。
『……このお嬢さんには、無理をさせてしまった。……この子はつらい想いをしている。……隼人、私の最期の望みを聞いてくれ。……私の最期の言葉を伝えてくれたこのお嬢さんの助けとなってほしい。……彼女はこの年齢で、信じられないぐらいの悲しみを抱えている。お前はそれを少しでも軽減し、力になってあげなさい』
『そうします。この子は、私にとっても恩人です』
隼人が頷いたあと、貴嗣は安心したように息を吐いた。
『……隼人。……私たちの大切な息子……。……幸せになりなさい』
そう言ったあと、フッ……と紫乃の全身から力が抜け、小さな手の間から指輪が落ちた。
『お嬢様……っ!』
トキは涙を流し、紫乃の頭を撫でる。
『ひとまず、寝かせられる場所に運ぼう。私たちが泊まっている宿でいいか?』
『はい……っ』
隼人は紫乃を軽々と抱き上げ、それまでののったりとした足取りとは打って変わって、スタスタと元来た道を戻っていく。
その後、一行は待たせていた馬車に乗り、伊勢にある宿に向かった。
『はい……っ』
父の言葉を聞き、それまでごっそりと感情が抜けたような顔をしていた隼人は、目を潤ませて涙を流していた。
『……私たちはいつでもお前を見守っている。だから、安心して白虎の主となり、この国を守る要となりなさい。……お前は私たちの誇りだ』
『……はい。……白虎を受け入れます』
隼人が言った瞬間、フワッと彼の全身から抜けるように成獣の白虎が姿を現した。
『……っお前……っ。私が今までどれだけ念じても、現れなかったのに……っ』
初めて〝自分の〟白虎の姿を目の当たりにした隼人は、驚いて声を上げる。
『……聖獣は主人の心を映す。ゆめ、心を曇らせないように。……白虎に心を預ければ、おのずとその力を感じ、曇りなき眼で世界を視る事ができる』
『分かりました』
隼人の目に、次第に生きる力、覚悟が宿っていく。
側に控えている供――、燕谷は静かに涙を流していた。
『……このお嬢さんには、無理をさせてしまった。……この子はつらい想いをしている。……隼人、私の最期の望みを聞いてくれ。……私の最期の言葉を伝えてくれたこのお嬢さんの助けとなってほしい。……彼女はこの年齢で、信じられないぐらいの悲しみを抱えている。お前はそれを少しでも軽減し、力になってあげなさい』
『そうします。この子は、私にとっても恩人です』
隼人が頷いたあと、貴嗣は安心したように息を吐いた。
『……隼人。……私たちの大切な息子……。……幸せになりなさい』
そう言ったあと、フッ……と紫乃の全身から力が抜け、小さな手の間から指輪が落ちた。
『お嬢様……っ!』
トキは涙を流し、紫乃の頭を撫でる。
『ひとまず、寝かせられる場所に運ぼう。私たちが泊まっている宿でいいか?』
『はい……っ』
隼人は紫乃を軽々と抱き上げ、それまでののったりとした足取りとは打って変わって、スタスタと元来た道を戻っていく。
その後、一行は待たせていた馬車に乗り、伊勢にある宿に向かった。



