若いメイドの一人――和鼓が言い、残る三人もうんうんと頷く。
訳が分かっていない紫乃に、音更が説明した。
「葛佐一さんは、この家の執事です。今はまだ三十八歳ですが、次期家令となるために燕谷さんから色々な事を教わり、お屋敷を守って使用人たちを束ねています。家令である燕谷さんはまとめ役ですが、実質、日々の細々とした仕事を取りまとめていくのは葛さんの仕事になるのです。……平時、この時間ならあの方はお屋敷の内部にいるのですが……」
音更はそう言ったあと、ツカツカと歩いて葛に声を掛けた。
「葛さん、どうなさいましたか? 外壁に問題でも?」
「えっ!? …………いや、なんでもありません」
声を掛けられた葛はハッとしてこちらを見ると、まるで夢から覚めたかのように周囲を見回し、首を傾げている。
「具合が悪いのなら、先生に診てもらってください。大事なお立場なのですから」
「そうします」
音更に言われ、葛はいまだどこかボーッとした表情で頷くと、何度も首を傾げながら屋敷の中に入っていった。
「最近、寒くなってきましたし、風邪でも引かれたのかしら?」
若いメイドの一人が言い、「かもしれないわねぇ……」と他の者が笑う。
そのあと、グルリと裏庭も案内されたあと、昼食をとって今度は屋敷の内部を案内してもらった。
紫乃の身の回りの世話をしてくれる四人のメイドは、花鈴と和鼓の他、小笛、三琴という名前の、十八歳から二十歳の女性たちで、彼女たちの兄弟や親も隼人に仕えているのだと教えてくれた。
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訳が分かっていない紫乃に、音更が説明した。
「葛佐一さんは、この家の執事です。今はまだ三十八歳ですが、次期家令となるために燕谷さんから色々な事を教わり、お屋敷を守って使用人たちを束ねています。家令である燕谷さんはまとめ役ですが、実質、日々の細々とした仕事を取りまとめていくのは葛さんの仕事になるのです。……平時、この時間ならあの方はお屋敷の内部にいるのですが……」
音更はそう言ったあと、ツカツカと歩いて葛に声を掛けた。
「葛さん、どうなさいましたか? 外壁に問題でも?」
「えっ!? …………いや、なんでもありません」
声を掛けられた葛はハッとしてこちらを見ると、まるで夢から覚めたかのように周囲を見回し、首を傾げている。
「具合が悪いのなら、先生に診てもらってください。大事なお立場なのですから」
「そうします」
音更に言われ、葛はいまだどこかボーッとした表情で頷くと、何度も首を傾げながら屋敷の中に入っていった。
「最近、寒くなってきましたし、風邪でも引かれたのかしら?」
若いメイドの一人が言い、「かもしれないわねぇ……」と他の者が笑う。
そのあと、グルリと裏庭も案内されたあと、昼食をとって今度は屋敷の内部を案内してもらった。
紫乃の身の回りの世話をしてくれる四人のメイドは、花鈴と和鼓の他、小笛、三琴という名前の、十八歳から二十歳の女性たちで、彼女たちの兄弟や親も隼人に仕えているのだと教えてくれた。
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