──かつて、エルフィノラという街にはゴミ区と呼ばれる場所があった。
そこでは生きる希望を失い、堕落した毎日を送る者たちがいる。食糧もまともに手に入らず、危険な薬も横行していた。
ゆえに、ゴミ区は長らくエルフィノラの社会の吹き溜まりとして、誰もその場所に手を付けられなかった。
だが……それも過去の話だ。
「どうして、ゴミ区がなくなったんですか?」
「ん? ああ、お前は新入りだから知らないのか」
エルフィノラに移住してきた男に、赤髪の女が答える。
今、ゴミ区はエルフィノラから消え失せ、街の一部として受け入れられている。
ゴミ区にいた住民たちも、今となっては活発的に暮らしている。
「確かに……ゴミ区は酷い場所だった。どう足掻いても、立ち直せねえと思うほどにな。だが──」
赤髪の女は口元に笑みを浮かべる。
「お前は信じるか? たったひとりの{幼女}が、奇跡を起こしたってのをよ」
「よ、幼女ですか?」
移住者の男は意外そうに目を丸くする。
それに気を良くしたのか、赤髪の女はゆっくりと語り始めた。
「話してやんよ。これはゴミ区──そして無気力な王子様を救った、{小さな英雄}の話だ──」
そこでは生きる希望を失い、堕落した毎日を送る者たちがいる。食糧もまともに手に入らず、危険な薬も横行していた。
ゆえに、ゴミ区は長らくエルフィノラの社会の吹き溜まりとして、誰もその場所に手を付けられなかった。
だが……それも過去の話だ。
「どうして、ゴミ区がなくなったんですか?」
「ん? ああ、お前は新入りだから知らないのか」
エルフィノラに移住してきた男に、赤髪の女が答える。
今、ゴミ区はエルフィノラから消え失せ、街の一部として受け入れられている。
ゴミ区にいた住民たちも、今となっては活発的に暮らしている。
「確かに……ゴミ区は酷い場所だった。どう足掻いても、立ち直せねえと思うほどにな。だが──」
赤髪の女は口元に笑みを浮かべる。
「お前は信じるか? たったひとりの{幼女}が、奇跡を起こしたってのをよ」
「よ、幼女ですか?」
移住者の男は意外そうに目を丸くする。
それに気を良くしたのか、赤髪の女はゆっくりと語り始めた。
「話してやんよ。これはゴミ区──そして無気力な王子様を救った、{小さな英雄}の話だ──」

