翌朝。凛が登校して教室の席に着くなり、さっそく女子に囲まれた。
「おはよう凛くん。美術部の後輩に聞いたんだけどぉ、昨日怪我したんだって? めちゃくちゃ心配だよぉ」
「私は同じ美術部だから近くで見てたけど、めちゃ痛そうだったよね。もう治ったの?」
「私保健委員だから、ガーゼ替えてあげようか?」
男子の声とは違い華やかな、だけど高く捲し立てるような早口で、彼女たちは口々に言う。凛の反応はお構いなしだ。
凛は内心で深いため息を吐いたが、表情は一切崩さない。
「心配してくれてありがとう。私は大丈夫だ。心配は要らない」
片方の口の端をわずかに上げて微笑すると女子は、「きゃー!」と甲高い声を上げた。
凛の片眉が思わずぴくりと動いた。毎日黄色い声で騒がれるのは慣れているが、小さな怪我とはいえ今の凛は手に包帯を巻いている。少しは怪我人だという意識を持ってほしい。
そもそも怪我を気遣う態度ではない、と彼は内心諦めに近い感情を抱いた。正直面倒くさいが、この状況をなんとかしなければいけないと考えを巡らせ始めた、その時。
「よお凛、怪我の調子はどうだ」
低く落ち着いた声が聞こえ、凛は声のした方を見た。
「おはよう凛くん。美術部の後輩に聞いたんだけどぉ、昨日怪我したんだって? めちゃくちゃ心配だよぉ」
「私は同じ美術部だから近くで見てたけど、めちゃ痛そうだったよね。もう治ったの?」
「私保健委員だから、ガーゼ替えてあげようか?」
男子の声とは違い華やかな、だけど高く捲し立てるような早口で、彼女たちは口々に言う。凛の反応はお構いなしだ。
凛は内心で深いため息を吐いたが、表情は一切崩さない。
「心配してくれてありがとう。私は大丈夫だ。心配は要らない」
片方の口の端をわずかに上げて微笑すると女子は、「きゃー!」と甲高い声を上げた。
凛の片眉が思わずぴくりと動いた。毎日黄色い声で騒がれるのは慣れているが、小さな怪我とはいえ今の凛は手に包帯を巻いている。少しは怪我人だという意識を持ってほしい。
そもそも怪我を気遣う態度ではない、と彼は内心諦めに近い感情を抱いた。正直面倒くさいが、この状況をなんとかしなければいけないと考えを巡らせ始めた、その時。
「よお凛、怪我の調子はどうだ」
低く落ち着いた声が聞こえ、凛は声のした方を見た。


