「それ以上、私に近付くな!」
凛の鋭い声が飛ぶ。今までに聞いたことのない彼らしくない大声だった。
どこか苦しそうな切ないような声色に、匠海の胸が締め付けられる。彼は奥歯をぎりと噛み締め、舌打ちしたくなるのを堪えた。
自分が凛の精神を追い詰めてしまっている、という事実は許せないが、なんとか彼と話しがしたかった。自分と両思いになってほしいという気は、まったくないのだが。
「本当のことを言おう。最近の私はかなり精神が不安定だ。私のことを本気で思っているのなら、これ以上はもう……心をかき乱さないでくれ」
凛はもう自分でも訳がわからなくなりつつあった。匠海のことを思うと心臓の鼓動が早くなり、動揺してしまう。かと思えば彼と接していると、どこか心が安心して胸に喜びが広がり満たされる。
だけどそれを認めたところで、何になると言うのだ。そう考えると、凛の胸は冷水を浴びせられたように冷えていった。
ただでさえ恋愛する相手を自分では選ぶことができないのだ。同性なら尚更困難、ほとんど不可能な恋になるのは目に見えていた。
それならいっそ、こんな気持ちなんて失くなってしまえば良い。第一、匠海も迷惑するに決まっている。そう思っていたのに……。
凛の鋭い声が飛ぶ。今までに聞いたことのない彼らしくない大声だった。
どこか苦しそうな切ないような声色に、匠海の胸が締め付けられる。彼は奥歯をぎりと噛み締め、舌打ちしたくなるのを堪えた。
自分が凛の精神を追い詰めてしまっている、という事実は許せないが、なんとか彼と話しがしたかった。自分と両思いになってほしいという気は、まったくないのだが。
「本当のことを言おう。最近の私はかなり精神が不安定だ。私のことを本気で思っているのなら、これ以上はもう……心をかき乱さないでくれ」
凛はもう自分でも訳がわからなくなりつつあった。匠海のことを思うと心臓の鼓動が早くなり、動揺してしまう。かと思えば彼と接していると、どこか心が安心して胸に喜びが広がり満たされる。
だけどそれを認めたところで、何になると言うのだ。そう考えると、凛の胸は冷水を浴びせられたように冷えていった。
ただでさえ恋愛する相手を自分では選ぶことができないのだ。同性なら尚更困難、ほとんど不可能な恋になるのは目に見えていた。
それならいっそ、こんな気持ちなんて失くなってしまえば良い。第一、匠海も迷惑するに決まっている。そう思っていたのに……。


