やがて匠海は凛の目を真っ直ぐに見つめて言った。
「俺はお前のことが好きだ」
「……ああ。私もお前が好きだ。友人なのだから今更言うことではないだろう」
凛はくすりと笑うが、それはどこか引きつっていた。口の端がぴくりと痙攣する。
「話しとはそのことか。まったく何を今更改まって、」
「俺は恋愛感情としてお前が好きだ」
匠海の言葉に、途端に凛の顔から笑みが消えた。彼の形のよい細く長い眉毛が一気に吊り上がり、漆黒の麗しい瞳が怒りの色に染まる。
「お前よくもそんなことが簡単に言えるな! 私が女子に囲まれて迷惑していることを知っているだろう!」
凛は捲し立てるが、匠海は唇を真一文字に引き結ぶ。
凛の顔が真っ赤に染まる。胸の中が火がついたみたいにカッと熱くなるのを感じる。
「その上、私の家庭事情を知っているだろう。私の家は古くから伝わる名門で、結婚はおろか恋愛相手も自分では選べない」
「凛、俺は昔からそんなのは気にするなと」
「お前がどう思おうと、あの家で生きていくのは私だ。たとえ家から出たとしても血筋は切れない。……頼むからこれ以上、私の負荷を増やさないでくれ」
初めて匠海に向ける拒絶を含んだ声音に、匠海は思わず鋭く息を呑んだ。
しかし匠海は凛を宥めようと一歩踏み出した、その時。
「俺はお前のことが好きだ」
「……ああ。私もお前が好きだ。友人なのだから今更言うことではないだろう」
凛はくすりと笑うが、それはどこか引きつっていた。口の端がぴくりと痙攣する。
「話しとはそのことか。まったく何を今更改まって、」
「俺は恋愛感情としてお前が好きだ」
匠海の言葉に、途端に凛の顔から笑みが消えた。彼の形のよい細く長い眉毛が一気に吊り上がり、漆黒の麗しい瞳が怒りの色に染まる。
「お前よくもそんなことが簡単に言えるな! 私が女子に囲まれて迷惑していることを知っているだろう!」
凛は捲し立てるが、匠海は唇を真一文字に引き結ぶ。
凛の顔が真っ赤に染まる。胸の中が火がついたみたいにカッと熱くなるのを感じる。
「その上、私の家庭事情を知っているだろう。私の家は古くから伝わる名門で、結婚はおろか恋愛相手も自分では選べない」
「凛、俺は昔からそんなのは気にするなと」
「お前がどう思おうと、あの家で生きていくのは私だ。たとえ家から出たとしても血筋は切れない。……頼むからこれ以上、私の負荷を増やさないでくれ」
初めて匠海に向ける拒絶を含んだ声音に、匠海は思わず鋭く息を呑んだ。
しかし匠海は凛を宥めようと一歩踏み出した、その時。


