さてどうしたものか、と凛が考え込んでいたーーその時。
「おい、凛。ちゃんと聞いているのか?」
ふいに匠海の顔が目の前に迫り、凛は思わず「うわっ!」と驚いた顔で後ずさる。冷静沈着ないつもの凛からは考えられないような態度に、匠海は思わず目を丸くした。
凛の心臓がドクドクと早鐘を打つ。胸の鼓動を落ち着かせようと片手を胸に当てながら、匠海に顔を覗き込まれたのだとようやく理解した。
「な、なんだ。こっちまでびっくりするだろう!」
「す、すまない。少し考え事をしていた」
「なんだ凛。最近はお前らしくねえぞ。何か悩みでもあるのか」
「そ、れは……」
凛は言葉に詰まり、思わず匠海から目を逸らした。最近はーー時折だがーー匠海に名前を呼ばれるだけで、心臓が跳ね上がる始末だ。
本当に最近の自分が変であることは凛が一番わかっていた。
しっかりしろ、と自分に言い聞かせ、小さく息を吐き出してから再び匠海の顔を見上げる。彼とは身長が二センチしか差がないため、彼と並んで歩くと間近で視線が合う。
「心配させたのならすまない。私は大丈夫だ」
「……俺には言えないことか」
匠海が真面目な表情で、凛を見据える。白目の中の小さな黒い瞳は相変わらず真っ直ぐで、嘘を許さず見破るような強い眼差しだった。
心の中を何もかも見透かされそうで、凛はまた視線を逸らしてしまいそうになるのをなんとか堪える。
「自分のことは自分で解決する。心配要らない」
匠海の目をしっかり見つめて、凛は平静を装い言葉を返した。その言葉も態度も、今の凛はまるで鏡のように真逆だった。
胸の中はマグマのように熱く、匠海への好意が今にも火山の噴火のように爆発しそうだ。だけどそれを悟られるわけにはいかない。
彼に嘘をついている罪悪感が胸を締め付けるが、これが自分と匠海の為になるのだと、自分に言い聞かせた。
「おい、凛。ちゃんと聞いているのか?」
ふいに匠海の顔が目の前に迫り、凛は思わず「うわっ!」と驚いた顔で後ずさる。冷静沈着ないつもの凛からは考えられないような態度に、匠海は思わず目を丸くした。
凛の心臓がドクドクと早鐘を打つ。胸の鼓動を落ち着かせようと片手を胸に当てながら、匠海に顔を覗き込まれたのだとようやく理解した。
「な、なんだ。こっちまでびっくりするだろう!」
「す、すまない。少し考え事をしていた」
「なんだ凛。最近はお前らしくねえぞ。何か悩みでもあるのか」
「そ、れは……」
凛は言葉に詰まり、思わず匠海から目を逸らした。最近はーー時折だがーー匠海に名前を呼ばれるだけで、心臓が跳ね上がる始末だ。
本当に最近の自分が変であることは凛が一番わかっていた。
しっかりしろ、と自分に言い聞かせ、小さく息を吐き出してから再び匠海の顔を見上げる。彼とは身長が二センチしか差がないため、彼と並んで歩くと間近で視線が合う。
「心配させたのならすまない。私は大丈夫だ」
「……俺には言えないことか」
匠海が真面目な表情で、凛を見据える。白目の中の小さな黒い瞳は相変わらず真っ直ぐで、嘘を許さず見破るような強い眼差しだった。
心の中を何もかも見透かされそうで、凛はまた視線を逸らしてしまいそうになるのをなんとか堪える。
「自分のことは自分で解決する。心配要らない」
匠海の目をしっかり見つめて、凛は平静を装い言葉を返した。その言葉も態度も、今の凛はまるで鏡のように真逆だった。
胸の中はマグマのように熱く、匠海への好意が今にも火山の噴火のように爆発しそうだ。だけどそれを悟られるわけにはいかない。
彼に嘘をついている罪悪感が胸を締め付けるが、これが自分と匠海の為になるのだと、自分に言い聞かせた。


