新クラスになってから1ヶ月が経ち、日に日に賑やかさが増しているように感じる。
私は目立つタイプでも目立たないタイプでもない。普通だ。言われたことはちゃんとやるし、難しいことや面倒くさいことは避ける。なのでクラスの人とも分け隔てなく接している。何色でも混ざり合う白だ。なんてつまらない色なのだろう。
「じゃあ、男女2人ずつの4人組のグループになって。できたら前に名前を書きにきて、それからグループごと計画を立てて取り組むように。以上」
若宮先生がそう言った途端、周りの人が一斉に立ち上がった。
総合の授業の一環で、社会的に関する周囲の問題を自分たちで考え、大きな紙にまとめて発表するというものだ。
私も立ちあがろうとした時、
「はゆん俺っちと一緒にやらん?」
そう声をかけてきたのは、翌人だった。
新クラスになってはゆんと呼ばれ始めて以降、授業中、休み時間、お昼の時など、グイグイ話しかけられるようになった。翌人は野球部に所属している。だからクラスの中でもリーダーシップを発揮している。彼は積極的だが、気配りができて優しい。明るくて、面白い。色に例えるなら赤色や黄色などの原色だろう。
「ちょっと紫音にも聞いてきていい?」
「おっけー」
2人組となると組むのは絶対に紫音だ。右後ろを振り返ると、ウインクしながら指でOKポーズを熱烈に送っていた。私は戸惑いつつも、
「紫音もいいだって」
と伝えた。
「おー、決まりだな」
「じゃあ、俺黒板に名前書いてくるわ」
そう言って翌人は書きに行ってくれた。
翌人と1番仲が良い、浅野大希は移動の準備を始める。
「じゃー、机動かそう。晴雨も手伝って」
「うん」
私は彼のことを大希くんと呼んでいる。翌人から大希を紹介され、最初は「浅野くん」と呼んでいたが、だんだん話すうちに「大希でいいよ」と言ってくれた。だから私は「大希くん」と呼んでいる。彼は翌人と比べるとマイペースだが、頭がよく運動もできる。部活には入らず、ピアノを習っているらしい。2人は幼馴染で、波長がとても合っているように感じる。
「テーマどうしよっかー、なんか他のグループと絶対被らないのがいいよね」
話を切り出したのは紫音だ。
紫音は、明るく面白くて可愛い。クラスの子ともすぐに仲が打ち解けていた。部活は吹奏楽部に所属している。毎日練習があり、「昨日上手く吹けてなくて怒られた」「昨日めっちゃ褒められたの!練習いっぱいしててよかったよ〜」など大変ながらもとても頑張っている。
「社会的っていうのがなんか難しいんだよな」
「うん、社会的っていうのがなんでか難しい」
翌人の言葉にそっくりおうむ返しに共感した。
「大ちゃんなんかいいテーマある?」
紫音が大希くんに聞いた。彼は手元にあるプリントや資料集に目を通しながら「うーん」と考える。すると何か閃いた表情になった。
「AIについてとかどう?」
「エーアイ?」
「エーアイ?」
「エーアイ?」
3人とも首を傾げながら眉毛をひそめた。
「そう。今の時代じゃAIに仕事を任せていることが多いじゃん。その例とか問題点を挙げてって、最後に人間としてできることとかをまとめるのはどう?」
大希くんが話し終えた途端に、翌人と紫音は拍手を送った。私も慌てて拍手を送る。
「大希はやっぱり天才だな!」
「めっちゃいいよ!このテーマで絶対いける!」
「私も斬新なテーマでいいと思う!他のグループとも被らなそうだね」
私も大希くんの考えてくれたテーマに大賛成だった。
「じゃあ、今日はもう時間ないから各自で何か具体例を調べてこよう」
「はーい」
「はーい」
「はーい」
その時、ちょうどチャイムが鳴った。
「大希くんすごいね。私、すぐそんな考えは浮かばないから。ありがとう、またよろしくね」
「うん、俺字汚いから紙に書く時任せた」
「うん、任せといて」
そう言うと、彼は嬉しそうに微笑んでいた。
チラッと彼のプリントを覗くと、上手いとは言えない、なんとも言えない字体だった。
私は目立つタイプでも目立たないタイプでもない。普通だ。言われたことはちゃんとやるし、難しいことや面倒くさいことは避ける。なのでクラスの人とも分け隔てなく接している。何色でも混ざり合う白だ。なんてつまらない色なのだろう。
「じゃあ、男女2人ずつの4人組のグループになって。できたら前に名前を書きにきて、それからグループごと計画を立てて取り組むように。以上」
若宮先生がそう言った途端、周りの人が一斉に立ち上がった。
総合の授業の一環で、社会的に関する周囲の問題を自分たちで考え、大きな紙にまとめて発表するというものだ。
私も立ちあがろうとした時、
「はゆん俺っちと一緒にやらん?」
そう声をかけてきたのは、翌人だった。
新クラスになってはゆんと呼ばれ始めて以降、授業中、休み時間、お昼の時など、グイグイ話しかけられるようになった。翌人は野球部に所属している。だからクラスの中でもリーダーシップを発揮している。彼は積極的だが、気配りができて優しい。明るくて、面白い。色に例えるなら赤色や黄色などの原色だろう。
「ちょっと紫音にも聞いてきていい?」
「おっけー」
2人組となると組むのは絶対に紫音だ。右後ろを振り返ると、ウインクしながら指でOKポーズを熱烈に送っていた。私は戸惑いつつも、
「紫音もいいだって」
と伝えた。
「おー、決まりだな」
「じゃあ、俺黒板に名前書いてくるわ」
そう言って翌人は書きに行ってくれた。
翌人と1番仲が良い、浅野大希は移動の準備を始める。
「じゃー、机動かそう。晴雨も手伝って」
「うん」
私は彼のことを大希くんと呼んでいる。翌人から大希を紹介され、最初は「浅野くん」と呼んでいたが、だんだん話すうちに「大希でいいよ」と言ってくれた。だから私は「大希くん」と呼んでいる。彼は翌人と比べるとマイペースだが、頭がよく運動もできる。部活には入らず、ピアノを習っているらしい。2人は幼馴染で、波長がとても合っているように感じる。
「テーマどうしよっかー、なんか他のグループと絶対被らないのがいいよね」
話を切り出したのは紫音だ。
紫音は、明るく面白くて可愛い。クラスの子ともすぐに仲が打ち解けていた。部活は吹奏楽部に所属している。毎日練習があり、「昨日上手く吹けてなくて怒られた」「昨日めっちゃ褒められたの!練習いっぱいしててよかったよ〜」など大変ながらもとても頑張っている。
「社会的っていうのがなんか難しいんだよな」
「うん、社会的っていうのがなんでか難しい」
翌人の言葉にそっくりおうむ返しに共感した。
「大ちゃんなんかいいテーマある?」
紫音が大希くんに聞いた。彼は手元にあるプリントや資料集に目を通しながら「うーん」と考える。すると何か閃いた表情になった。
「AIについてとかどう?」
「エーアイ?」
「エーアイ?」
「エーアイ?」
3人とも首を傾げながら眉毛をひそめた。
「そう。今の時代じゃAIに仕事を任せていることが多いじゃん。その例とか問題点を挙げてって、最後に人間としてできることとかをまとめるのはどう?」
大希くんが話し終えた途端に、翌人と紫音は拍手を送った。私も慌てて拍手を送る。
「大希はやっぱり天才だな!」
「めっちゃいいよ!このテーマで絶対いける!」
「私も斬新なテーマでいいと思う!他のグループとも被らなそうだね」
私も大希くんの考えてくれたテーマに大賛成だった。
「じゃあ、今日はもう時間ないから各自で何か具体例を調べてこよう」
「はーい」
「はーい」
「はーい」
その時、ちょうどチャイムが鳴った。
「大希くんすごいね。私、すぐそんな考えは浮かばないから。ありがとう、またよろしくね」
「うん、俺字汚いから紙に書く時任せた」
「うん、任せといて」
そう言うと、彼は嬉しそうに微笑んでいた。
チラッと彼のプリントを覗くと、上手いとは言えない、なんとも言えない字体だった。

