移ろう色のような恋だった

 始業式が終わり、教室に戻って説明を淡々と聞いた。授業など、本格的に始まるのは明日以降なのでサラッと終わった。
 プリントをファイルにしまって帰る支度をしていると、後ろから肩を優しくトントンッと2回ほどたたかれた。一瞬戸惑ったが、ゆっくり後ろを向くと、
「やほー、俺桜木翌人(さくらぎあすと)。席前後だからよろしく。さっき友達にはゆんって呼ばれてた?」
「うん、そうだけど...」
 いきなりあだ名で呼ばれて戸惑いつつも返事をした。
晴雨(はゆ)だからはゆんってことだよね?俺もはゆんって呼んでもいい?」
 え、なんでなんで。初対面ですけど。どういうこと?でも断りずらいしな。
「お好きどうぞ」
 こんな素っ気ない返事しかできなかった。
「ありがとう!俺のことは翌人(あすと)でいいから!じゃ、俺行くわ!また明日な、はゆん」
「また明日」
 手を振っていたが、私は小さく会釈をした。
「ねぇ!何今の?!はゆん知り合いなの?」
 後ろから紫音が突撃してきた。彼女はこういう男女の話に目がないのだ。
「ううん、今初めて話したよ。ただ呼び名について聞かれただけ」
「なんだー。でもまたなんか進展あったら教えてよ〜」
そうニヤニヤして言いながら、嬉しそうに私の身体をつついてきた。