移ろう色のような恋だった

 教室に駆け込むと、集まって話しているグループに、スマホをいじっている人、本を読んでいる人、様々だったが、新クラス当日にしては賑やかいと感じた。息が上がっている私に視線が集まる。少し恥ずかしくなった。
「はゆーん!こっちこっち!」
 聞き覚えのある声に救われた。その声の主の方向へと駆け寄った。
「しおーん!間に合ってよかったよ〜」
 しおんの席はあいうえお順で後ろの方なので、廊下側の後ろから3番目だった。
「いいなーここの席。え、私はどこ?」
「はゆんは隣の列の1番前だよ」
「え、まじか。1番前かー、最悪だよー」
 私の席を把握していた紫音に感謝しつつも、一気にテンションが下がった。その時、
「はーい、席着いて」
 スラっとしたスーツ姿の女の人が入ってきた。この先生が担任なのか。一見美人に見えるが、その裏には厳しそうな姿がありそうだ。
 席に着くと、早速自己紹介が始まった。
「初めまして。担任の若宮です。1年間よろしくお願いします。今日はこれから始業式をして、終わったら明日からの授業の説明、行事、委員会、部活動等話をして終わりになります。じゃあ早速だけど、今から体育館に移動します。着いたら適当に4列で並ぶように。以上」
 静まり返った教室から颯爽と出ていった。ざわめく教室。私も早すぎた説明に頭が追いついていない。ただ早く帰れそうなことだけは分かった。
「よし、じゃあ移動しよーぜ」
 私の後ろの席の男子が急に立ち上がり言い放つ。
「おー」
「行こ行こ」
 その男子の友達も立ち上がり、その他みんなもぞろぞろと立ち上がった。空気はすぐにオレンジ色のようになり、柔らかくなった。
「はゆん、行っこー」
「うん」
 紫音に呼ばれ、私たちは腕を組んでおちゃらけて歩いた。