トントン
前に座っている響の背中をつついてみた。
「ねぇ、なに、それ?面白い?」
「あーっ、これ。うん?面白いよ。空いてる時間があると結構読んでる」
「何読んでるの?」
「これはー、 SFファンタジー」
「はっ、なにって?」
「だから〜、SFファンタジーだって」
「マジで?響が!意外すぎるだろう。ノンフィクションとか読んでるのかと思った」
「それどういう意味だよ(笑)ロードムービーとかも好きだけどなぁ」
「えぇぇ、ロードムービーって移動が物語の軸になってるやつだよね。なんか旅して…みたいな」
「ははっ、そうそう、ザックリ言えばそうだよね」
「何か面白い本ある?お勧めの。俺も好きなんだよね。そういう感じの本」
「何なら貸そうか?今日は持ってきてないけど。
家にたくさんあるから」
「本当に?!読みたい、読んでみたい」
「いいよ。じゃあ適当に2冊ぐらい持ってくるよ」
「ありがとう!楽しみだなぁ」
「明日でいい?」
「やったぁー」
「そー言えばさぁ、亮太って部活は?」
「部活?あーっ、美術。幽霊部員が多いけどなぁ(笑
1回描き出すとはまるんだけどさぁー、それまでは尻が重いって言うんだよな。今だって殆ど俺1人で描いてるし」
「尻が重いんじゃなくて腰が重いの間違いだろ、それ。笑えるんだけど」
「あっ、そーだった(笑)響は?なんか入ってるの?」
「いや、入ってない。1年の時は映研に入ってたけど辞めたよ。どっちみち籍が置いてあっただけだし」
「そうかー、勉強ばっかしてんの?」
「ばっかってなんだよ。勉強はコツさえつかめば案外どーにでもなるもんだよ」
「すごいよなぁ。コツって勉強にあんの?俺は響みたいな天才肌の人ってマジで羨ましいよ。
俺なんて努力の人なんだからー。
人の何倍もやらないとみんなに追いつけないからさ〜。
でも努力するのは嫌いじゃないんだよ」
「じゃあ何が嫌いなの?」
「うーーーーん、我慢すること?」
「ぶーーーーっ、なにカッコつけてんの」
「笑うところか?ひどー」
「今度亮太の描いてる絵、見てみたいなぁ」
「いいけど、絵に興味あるの?あるなら美術部に入れよ。今からでも大歓迎だぞ」
「いや、それは無い」
「即答かよー、はははは」
数学の授業が始まる迄の空き時間にこうやって響と話しをすることが増えた。
頭が良くてカッコイイのは分かるけど、真面目で近寄り難いと思ってたのとは違くて聞けばちゃんと返してくれる。
いや、どちらかと言うと話好き…?
数学で同じクラスにならなかったら誤解したままだったかも。いや、知らないままだったかも。
本を読むのは好きなんだろうけど(頭が良い人って本を読むのが好きって言う俺の勝手なイメージ)難しい本を読んでるんだとばっかり思ってた。
SFファンタジーとかってマジでか。親近感が湧いたかも。
これでポエムとか読んでるって言ったら、かわいいっ〜って抱きしめてたかもしれないな(笑
あっ、読んでたとしても、絶対言わないだろうけどね。
この前メガネを外した顔を見たんだけど、本当にカッコよくて見惚れちゃったんだよな。まっ、メガネしててもカッコイイんだけど。
今度コンタクトにしようかなぁって言ってたから、女子が騒ぎ出すかもしれないなぁ〜。
「なあ、なあってばーー亮太」
「ん、何?」
「何がじゃないよ〜、お前、最近4組の中村君と仲いいよなー。何かあったの?」
「あーーっ、数学で同じクラスになってから?かな」
「天才と評判の…中村君だよ。。頭すげーいいの。顔もいいしね。でも特定の人とつるむタイプじゃなかったんだけどなぁ。なんかちょっと冷めてるっていうか。
亮太と仲いいとかマジで意外だわ」
「そーか、そーなんだ」
やっぱ、皆んなそう思ってるんだ…
「俺の亮太がどっか行っちゃわないかなぁ?」
「なんだよ、それぇ。良かったら湊(みなと)も一緒に勉強するか」
「しないよー。ついてけないしね。」
「うおっとぉ〜」
後ろからいきなり俺達の間に入ってきたのはサクか?
「おい、手が止まってるぞ。早く弁当食えよ。
後で体育館行ってバスケしよーぜ」
「バスケ?おーーっ、そうだな、行くか!」
「亮太はもとバスケ少年だろ〜、俺のチームな」
「おい、サク、それはずるいだろーーっ」
「湊だって上手いんだからいいだろ、3対3しよーぜ。
先に体育館行ってるヤツもいるから急いで行かないと」
「ちょっと待って、弁当はもういいや」
大急ぎで弁当箱をしまって、体育館に向かった。
「響、弁当食べたら体育館横の自販機でジュースでも買いに行かない?」
「あーっ、そうだなあ、糖分でも摂取しに行こうか」
僕達は自販機の前で何を飲もうかな?と真剣に考えている。
「どうしようかなぁ、飲むヨーグルトとか?」
「確かに美味いけどな、僕はアイスカフェオーレにするよ」
ワーワー キャーッ、カッコいい〜 スゴーイ
「ん?何か体育館がやけに騒がしくない」
「だね。なんかやってるのかな?」
体育館の中を覗いてみた。
女の子たちがキャーキャー騒ぎながら誰かを応援している。
「おい、あれ6組の奴らじゃない?ほら、響が最近仲の良い、誰だっけ…青井…」
「リョウタ?」
「そうそう、青井 亮太!あいつってバスケット上手いらしいよ。中学の時はずっとバスケやってたって。あそこにいる女子はほぼほぼアイツ目当てじゃないかな?かなりの女子から告られてるって噂だし」
「えっ、そうなの?」
「うーん、同中のヤツがいて、そんなこと言ってた気がしたんだけどな。青井君の彼女のポジションを皆んなで競ってるとかさ。でもなんでかバスケを途中でやめたって話も聞いたなあ。お前、最近仲いいから聞いてみればいいじゃん」
「そーか、ってかなんでそんなに詳しいの?」
「これからの世の中は情報が全てだよ。今からその力を鍛えておかないといけないだろ。リサーチだよ、リサーチ」
「なるほどね」
「あっ、響もインテリ好き女子にはモテてるから安心しろよ。タイプが違うから重ならないと思うし」
「ありがとう」
ライバル視して近づいたとでも思ってんのかな。
まっ、そんな事はどっちでもいいんだけど。
しかし、こんなにモテてたとは…
亮太、今日、部活に行くのかなぁ?
放課後寄ってみようかな。
「はあーーっ、疲れた」
「いい汗かいたなぁ」
「女子の声援がすごくて、余計頑張っちゃったよ」
「サク、お前は本当にポジティブだよなぁ。あれはほぼほぼ亮太にだろー。」
「いや、俺の名前を呼ぶ声が聞こえたさ」
「そんな事より午後からの授業がヤバいかも〜眠気との戦いだよ」
「湊は油断するとよく寝てるもんなぁ。
俺が紙を丸めて頭に投げてやるから先生に見つかってないんだぞ、ありがたく思えよ」
「はいはい、ありがとうございます」
「お前ら相変わらずだな。俺は放課後も部活に行くつもりなのにさぁ」
「亮太、お前ほんとに凄いよ。よく続くなぁ〜」
「面白いよ。でも今日は塾もあるからさー。そんなに長くは居られないけど」
「おーっ、ほどほどにしとけよ」
キーンコーンカーンコーン キーンコーン
「あっ、昼休みもう終わりかよー。仕方ないなぁ、じゃあ行くか」
楽しい時間はあっという間に終わってしまう。
ー 放課後 ー
「あーーーっ、なかなか進まないなぁ」
背景の色が決まらない。
さっきからずっとキャンパスとにらめっこしている。
「うーん、どうするかなぁ・・・」
パレットと筆を机の上に置いた。
気分転換でもしようかなぁ〜。
なんとなく部室の窓から外を眺めてみた。
葉っぱの色が綺麗だなぁ。もうすぐ秋の色に変わるのかな?
なんで学校の風ってこんなに気持ちいいんだろう?匂いなのか?
「ふわぁ〜〜〜〜〜っっ」
ヤバい、今日の昼休みにバスケやったからちょっと疲れたかも。最近寝不足だったのもあるしなぁ。
この後塾もあるのにどーしよう。
「そういえば響、オレの絵を見たいって言ってたけど・・・。
いつ来るのかな?今日誘ってみればよかった?」
そんな事を考えながら部屋の方に振り返った。
「もうちょい頑張るかなー」
パレットと筆を持ち直してキャンパスに向きなおった……はずだったのに。
知らない間に机の上に顔を突っ伏して眠り込んでしまっていた。
「亮太はいるのかな?」
扉の上のガラス部分から美術室の中を覗いてみた。
「あっ、いる…かも?」
ガラガラッ
「えっ、寝てる?」
キャンパスが邪魔でよく見えてなかったけど、なんだか寝てるっぽい。
本当に寝てるのかな?近くまでいって確かめようと思った。
「おい、亮太?」
声をかけてみたけど、反応がない。
子供みたいな寝顔に思わずふふっと笑いが出た。
顔のそばに耳を近づけてみた。
すーすーすー
寝息か、マジなやつなんだ。学校でこんなに気持ちよさそうに寝てる人、見た事ないかも。
顔にかかった髪を指先でよけてみた。うん、これで顔がよく見える。
その時、組んだ亮太の手に気がついた。
綺麗な手だな・・。
この手であんなに綺麗な絵を描いちゃうんだ。
なんとなくその指先に触れてみた。
亮太の指を一本一本確認する様に僕の指でそっとなぞってみる。
なんてキレイなんだ、、。
その時、自分でも気がつかないうちに亮太の手に唇を押し当てていた。
しなやかで細い美しい手。意外と冷たいんだなぁ
顔を上げてもう一度亮太の顔を見た時には、閉じているまぶたの横にキスをせずにはいられなかった。長いまつ毛に高い頬骨。触れてみたい気持ちが抑えきれない。
「なーーっ、本当にこっちでいいのか?」
「あぁ、このまままっすぐ行って階段を降りたらいいんだよ」
誰かがこっちに向かって歩いてくる会話が聞こえた。
美術部員でもない僕がここにいたら変に思われるかな?
「亮太、また明日な」
美術室を出て一階の下駄箱に向かった。
モゾモゾモゾッ
「うはーーーーーっ、口にキスされるかと思ったあぁ!」
なに、何、なんだったんだ?今のは?
目尻にキスされたよな?
手にもされた?
えっ、どー言う事?
俺、男なんだけど・・。
何このドキドキは?
手を触られている感触がしてふっと目が覚めた。
眠気で半分しか目が開かない。
あれ?これは響?
俺の顔のすぐ近くに顔がある?
『ヒビキなの?』って声をかけようとした時、髪を優しく撫でられて一瞬ためらった。
俺の顔を見てる??どーしよう?まさかキスされる?
そう思った時、目尻にキスされた。
何が起こっているのか理解するのに時間がかかってしまった。
なんで俺の心臓こんなに激しいんだ?
ずるくないかあいつ?
こんなに俺だけキドキして。この後塾だって言うのに!
結局、塾に行っても何も頭に入ってこなかった、
風呂入ってさっさと寝ようと思ったけど、寝れるわけもなく。
「明日どんな顔して会えばいいんだよー。もちろん気づいてないふりしなきゃいけないよな〜」
ベッドの上でゴロゴロしていて気付けばam 25時
さすがにやばい、もう寝ないと!
なんとか眠りにはつけたけど、翌朝起きるのはかなり辛かった。
前に座っている響の背中をつついてみた。
「ねぇ、なに、それ?面白い?」
「あーっ、これ。うん?面白いよ。空いてる時間があると結構読んでる」
「何読んでるの?」
「これはー、 SFファンタジー」
「はっ、なにって?」
「だから〜、SFファンタジーだって」
「マジで?響が!意外すぎるだろう。ノンフィクションとか読んでるのかと思った」
「それどういう意味だよ(笑)ロードムービーとかも好きだけどなぁ」
「えぇぇ、ロードムービーって移動が物語の軸になってるやつだよね。なんか旅して…みたいな」
「ははっ、そうそう、ザックリ言えばそうだよね」
「何か面白い本ある?お勧めの。俺も好きなんだよね。そういう感じの本」
「何なら貸そうか?今日は持ってきてないけど。
家にたくさんあるから」
「本当に?!読みたい、読んでみたい」
「いいよ。じゃあ適当に2冊ぐらい持ってくるよ」
「ありがとう!楽しみだなぁ」
「明日でいい?」
「やったぁー」
「そー言えばさぁ、亮太って部活は?」
「部活?あーっ、美術。幽霊部員が多いけどなぁ(笑
1回描き出すとはまるんだけどさぁー、それまでは尻が重いって言うんだよな。今だって殆ど俺1人で描いてるし」
「尻が重いんじゃなくて腰が重いの間違いだろ、それ。笑えるんだけど」
「あっ、そーだった(笑)響は?なんか入ってるの?」
「いや、入ってない。1年の時は映研に入ってたけど辞めたよ。どっちみち籍が置いてあっただけだし」
「そうかー、勉強ばっかしてんの?」
「ばっかってなんだよ。勉強はコツさえつかめば案外どーにでもなるもんだよ」
「すごいよなぁ。コツって勉強にあんの?俺は響みたいな天才肌の人ってマジで羨ましいよ。
俺なんて努力の人なんだからー。
人の何倍もやらないとみんなに追いつけないからさ〜。
でも努力するのは嫌いじゃないんだよ」
「じゃあ何が嫌いなの?」
「うーーーーん、我慢すること?」
「ぶーーーーっ、なにカッコつけてんの」
「笑うところか?ひどー」
「今度亮太の描いてる絵、見てみたいなぁ」
「いいけど、絵に興味あるの?あるなら美術部に入れよ。今からでも大歓迎だぞ」
「いや、それは無い」
「即答かよー、はははは」
数学の授業が始まる迄の空き時間にこうやって響と話しをすることが増えた。
頭が良くてカッコイイのは分かるけど、真面目で近寄り難いと思ってたのとは違くて聞けばちゃんと返してくれる。
いや、どちらかと言うと話好き…?
数学で同じクラスにならなかったら誤解したままだったかも。いや、知らないままだったかも。
本を読むのは好きなんだろうけど(頭が良い人って本を読むのが好きって言う俺の勝手なイメージ)難しい本を読んでるんだとばっかり思ってた。
SFファンタジーとかってマジでか。親近感が湧いたかも。
これでポエムとか読んでるって言ったら、かわいいっ〜って抱きしめてたかもしれないな(笑
あっ、読んでたとしても、絶対言わないだろうけどね。
この前メガネを外した顔を見たんだけど、本当にカッコよくて見惚れちゃったんだよな。まっ、メガネしててもカッコイイんだけど。
今度コンタクトにしようかなぁって言ってたから、女子が騒ぎ出すかもしれないなぁ〜。
「なあ、なあってばーー亮太」
「ん、何?」
「何がじゃないよ〜、お前、最近4組の中村君と仲いいよなー。何かあったの?」
「あーーっ、数学で同じクラスになってから?かな」
「天才と評判の…中村君だよ。。頭すげーいいの。顔もいいしね。でも特定の人とつるむタイプじゃなかったんだけどなぁ。なんかちょっと冷めてるっていうか。
亮太と仲いいとかマジで意外だわ」
「そーか、そーなんだ」
やっぱ、皆んなそう思ってるんだ…
「俺の亮太がどっか行っちゃわないかなぁ?」
「なんだよ、それぇ。良かったら湊(みなと)も一緒に勉強するか」
「しないよー。ついてけないしね。」
「うおっとぉ〜」
後ろからいきなり俺達の間に入ってきたのはサクか?
「おい、手が止まってるぞ。早く弁当食えよ。
後で体育館行ってバスケしよーぜ」
「バスケ?おーーっ、そうだな、行くか!」
「亮太はもとバスケ少年だろ〜、俺のチームな」
「おい、サク、それはずるいだろーーっ」
「湊だって上手いんだからいいだろ、3対3しよーぜ。
先に体育館行ってるヤツもいるから急いで行かないと」
「ちょっと待って、弁当はもういいや」
大急ぎで弁当箱をしまって、体育館に向かった。
「響、弁当食べたら体育館横の自販機でジュースでも買いに行かない?」
「あーっ、そうだなあ、糖分でも摂取しに行こうか」
僕達は自販機の前で何を飲もうかな?と真剣に考えている。
「どうしようかなぁ、飲むヨーグルトとか?」
「確かに美味いけどな、僕はアイスカフェオーレにするよ」
ワーワー キャーッ、カッコいい〜 スゴーイ
「ん?何か体育館がやけに騒がしくない」
「だね。なんかやってるのかな?」
体育館の中を覗いてみた。
女の子たちがキャーキャー騒ぎながら誰かを応援している。
「おい、あれ6組の奴らじゃない?ほら、響が最近仲の良い、誰だっけ…青井…」
「リョウタ?」
「そうそう、青井 亮太!あいつってバスケット上手いらしいよ。中学の時はずっとバスケやってたって。あそこにいる女子はほぼほぼアイツ目当てじゃないかな?かなりの女子から告られてるって噂だし」
「えっ、そうなの?」
「うーん、同中のヤツがいて、そんなこと言ってた気がしたんだけどな。青井君の彼女のポジションを皆んなで競ってるとかさ。でもなんでかバスケを途中でやめたって話も聞いたなあ。お前、最近仲いいから聞いてみればいいじゃん」
「そーか、ってかなんでそんなに詳しいの?」
「これからの世の中は情報が全てだよ。今からその力を鍛えておかないといけないだろ。リサーチだよ、リサーチ」
「なるほどね」
「あっ、響もインテリ好き女子にはモテてるから安心しろよ。タイプが違うから重ならないと思うし」
「ありがとう」
ライバル視して近づいたとでも思ってんのかな。
まっ、そんな事はどっちでもいいんだけど。
しかし、こんなにモテてたとは…
亮太、今日、部活に行くのかなぁ?
放課後寄ってみようかな。
「はあーーっ、疲れた」
「いい汗かいたなぁ」
「女子の声援がすごくて、余計頑張っちゃったよ」
「サク、お前は本当にポジティブだよなぁ。あれはほぼほぼ亮太にだろー。」
「いや、俺の名前を呼ぶ声が聞こえたさ」
「そんな事より午後からの授業がヤバいかも〜眠気との戦いだよ」
「湊は油断するとよく寝てるもんなぁ。
俺が紙を丸めて頭に投げてやるから先生に見つかってないんだぞ、ありがたく思えよ」
「はいはい、ありがとうございます」
「お前ら相変わらずだな。俺は放課後も部活に行くつもりなのにさぁ」
「亮太、お前ほんとに凄いよ。よく続くなぁ〜」
「面白いよ。でも今日は塾もあるからさー。そんなに長くは居られないけど」
「おーっ、ほどほどにしとけよ」
キーンコーンカーンコーン キーンコーン
「あっ、昼休みもう終わりかよー。仕方ないなぁ、じゃあ行くか」
楽しい時間はあっという間に終わってしまう。
ー 放課後 ー
「あーーーっ、なかなか進まないなぁ」
背景の色が決まらない。
さっきからずっとキャンパスとにらめっこしている。
「うーん、どうするかなぁ・・・」
パレットと筆を机の上に置いた。
気分転換でもしようかなぁ〜。
なんとなく部室の窓から外を眺めてみた。
葉っぱの色が綺麗だなぁ。もうすぐ秋の色に変わるのかな?
なんで学校の風ってこんなに気持ちいいんだろう?匂いなのか?
「ふわぁ〜〜〜〜〜っっ」
ヤバい、今日の昼休みにバスケやったからちょっと疲れたかも。最近寝不足だったのもあるしなぁ。
この後塾もあるのにどーしよう。
「そういえば響、オレの絵を見たいって言ってたけど・・・。
いつ来るのかな?今日誘ってみればよかった?」
そんな事を考えながら部屋の方に振り返った。
「もうちょい頑張るかなー」
パレットと筆を持ち直してキャンパスに向きなおった……はずだったのに。
知らない間に机の上に顔を突っ伏して眠り込んでしまっていた。
「亮太はいるのかな?」
扉の上のガラス部分から美術室の中を覗いてみた。
「あっ、いる…かも?」
ガラガラッ
「えっ、寝てる?」
キャンパスが邪魔でよく見えてなかったけど、なんだか寝てるっぽい。
本当に寝てるのかな?近くまでいって確かめようと思った。
「おい、亮太?」
声をかけてみたけど、反応がない。
子供みたいな寝顔に思わずふふっと笑いが出た。
顔のそばに耳を近づけてみた。
すーすーすー
寝息か、マジなやつなんだ。学校でこんなに気持ちよさそうに寝てる人、見た事ないかも。
顔にかかった髪を指先でよけてみた。うん、これで顔がよく見える。
その時、組んだ亮太の手に気がついた。
綺麗な手だな・・。
この手であんなに綺麗な絵を描いちゃうんだ。
なんとなくその指先に触れてみた。
亮太の指を一本一本確認する様に僕の指でそっとなぞってみる。
なんてキレイなんだ、、。
その時、自分でも気がつかないうちに亮太の手に唇を押し当てていた。
しなやかで細い美しい手。意外と冷たいんだなぁ
顔を上げてもう一度亮太の顔を見た時には、閉じているまぶたの横にキスをせずにはいられなかった。長いまつ毛に高い頬骨。触れてみたい気持ちが抑えきれない。
「なーーっ、本当にこっちでいいのか?」
「あぁ、このまままっすぐ行って階段を降りたらいいんだよ」
誰かがこっちに向かって歩いてくる会話が聞こえた。
美術部員でもない僕がここにいたら変に思われるかな?
「亮太、また明日な」
美術室を出て一階の下駄箱に向かった。
モゾモゾモゾッ
「うはーーーーーっ、口にキスされるかと思ったあぁ!」
なに、何、なんだったんだ?今のは?
目尻にキスされたよな?
手にもされた?
えっ、どー言う事?
俺、男なんだけど・・。
何このドキドキは?
手を触られている感触がしてふっと目が覚めた。
眠気で半分しか目が開かない。
あれ?これは響?
俺の顔のすぐ近くに顔がある?
『ヒビキなの?』って声をかけようとした時、髪を優しく撫でられて一瞬ためらった。
俺の顔を見てる??どーしよう?まさかキスされる?
そう思った時、目尻にキスされた。
何が起こっているのか理解するのに時間がかかってしまった。
なんで俺の心臓こんなに激しいんだ?
ずるくないかあいつ?
こんなに俺だけキドキして。この後塾だって言うのに!
結局、塾に行っても何も頭に入ってこなかった、
風呂入ってさっさと寝ようと思ったけど、寝れるわけもなく。
「明日どんな顔して会えばいいんだよー。もちろん気づいてないふりしなきゃいけないよな〜」
ベッドの上でゴロゴロしていて気付けばam 25時
さすがにやばい、もう寝ないと!
なんとか眠りにはつけたけど、翌朝起きるのはかなり辛かった。


