二人分の飲み物を片手に、廊下を歩く。自分たちの部屋へ向かう前、上谷は隣の部屋をチラリと見た。部屋へ入った時からずっと音が漏れ聞こえていたけれど、どうやらここで演歌を歌っていた客は帰ったようで、扉は開け放たれている。間取りは上谷と深水が案内された部屋と同じで、机を挟むようにソファ。壁際にモニター。ただ一つ違うところと言えば、モニターの数が一つ多いというところだろう。話題のアーティストが一生懸命に最新曲をPRしている傍ら、もう一つのモニターには女の人が写っていて、ゆらゆら体を揺らしている。
──ドンッ!
ぼんやりした思考に喝を入れられた気分だった。突如聞こえてきた衝撃音に、上谷は顔を上げる。聞き間違いでなければ、今、自分たちの部屋の方角から。
嫌な予感がする。
上谷は急足で部屋へ向かうと、急いで扉を開けた。
「深水! 大丈夫…うわっ」
その瞬間、何かが目の前を横切る。反射的に身を引くと、壁に激突したメニュー表が、乾いた音を立てて床に落ちた。深水が投げたのか、と思ったが、違う。
「こ、これは……」
部屋の中は大惨事だった。テーブルは斜めにずれ、注文用のタブレットは…壊れてはいないようだが、床に転がっている。上谷が数分前に定位置へ戻したはずのマイクはソファの上へ無造作に置かれ、モニターは気まぐれに画面を点滅させては、スピーカーからノイズを撒き散らかした。
そして、その中心。
「……………………」
深水が両手で顔を覆っていた。
「え、何!? 大丈夫!? 戦闘中!? 致命的なダメージとか受けた!?」
「……上谷先輩……」
「ま、任せろ! 俺頑張るから! 深水の仇は絶対に取るからな!」
「……先輩、違います……」
消え入りそうな声だった。上谷は取り急ぎ、両手に持っていた飲み物をテーブルの隅に置くと、恐る恐る深水に近づく。吐いた息が白く濁って、空気中に留まった。冷気が頬を撫で、肌を粟立たせる。そういえば前に教室で鯉の霊と遭遇した時も、こんな気温だった。
「えっと……念のため確認したいんだけど、幽霊、いる?」
「います」
「いるんだ……」
「……いますけど……」
深水がゆっくり顔を上げる。いつもは表情の変化に乏しい顔が、今は耳まで真っ赤だった。
「……俺が動揺して、よけいに暴れさせました……」
「そんなシステムあったんだ?」
「感情が乱れると、向こうも影響を受けるので……」
感情の乱れ…。上谷は数秒考えて、あ、と察する。自分はクラスメイトや岩見と話をしていくらか調子を取り戻すことができたが、そうだ。深水はあれからずっと、ここで一人考え込んでいたのだ。
「……もしかしなくても、さっきの話と関係してる?」
「忘れてください」
「いや…ちょっと無理かも」
「それなら今すぐ記憶を失ってください……」
深水は本気で落ち込んでいるようだった。普段が普段だから余計に衝撃だ。あの無表情人間が、ここまでわかりやすくダメージを受けているなんて。
「勢いで告白した挙句あんなセクハラまがいのことをどうして俺は……もうだめだ…何もうまくいかない…」
「そ、そんな気にしなくていいって」
「よくないです」
「いやでも、ほんと、別に嫌とかじゃ」
「先輩」
深水がゆっくり首を振る。
「もっと嫌がってください」
「なんで?」
「年下の後輩から突然、好きですって言われたんですよ」
「うん」
「しかも自分より背の大きな男」
「そこは、まあ…」
「嫌じゃない方がおかしいでしょう……」
「……でもさ、俺、深水のこと嫌いじゃないし」
「慰めで言わないでください」
「慰めじゃないって! あー、もう」
いい加減、かける言葉がなくなってきた。そりゃあ、気持ちはわかる。上谷も逆の立場だったら、大いに荒れ狂っていただろう。しかし今は、なんとか立ち直ってもらわないと困る。具体的には、暴れまくる幽霊が、この部屋にあるカラオケの設備をどれか一つでも壊してしまう前に。上谷が脳みそをフル稼働で次に言うべき単語を探していると、その頬に緩い刺激が加わる。
「痛っ」
思わず声をあげ、辺りを見回す。勘違いじゃなければ今、突然、誰かに頬を叩かれた。でも部屋には当然、自分と深水の二人しかいない。
「……深水くん、今の何」
「野次馬です」
「野次馬!?」
「俺が落ち込んでいて先輩が慌てているので、幽霊が面白がっています」
「なんて性格の悪い…!」
そう言っている間に、今度は肩をつつかれる。子供にちょっかいをかけられているみたいだ。力が強くないのでそれほど痛くはないが、回数が重なると煩わしくなってくる。
「ちょ、やめろって! こいつ、俺に姿が見えてないからって調子に乗、いたっ。か、髪を引っ張るのはなしだろ!」
「………………おい」
それまで沈黙していた深水が、静かに立ち上がった。途端に、室内の空気が変わる。先ほどまではしおしおの植物みたいなテンションだったのに、今は低温でぐつぐつと煮えているみたいだった。湯立つ瞳が、何もない空間を睨む。
「いま」
気がつくと、深水の片手には、この間よりも小さなバットが握られていた。当然、その身には包帯がぐるぐると巻き付けられている。スクールバッグの中に潜ませていたのだろう。
「先輩が俺を慰めてくれてる最中だろうが」
次の瞬間。深水が思い切りバットを振り抜くと、バチン! という破裂音がして、一度室内にあるすべての電子機器の電源が落ちる。耳鳴りがするほどの沈黙。上谷が動けずにいると、深水が低く息を吐いた。
「……空気を読め」
ふ、と室内が明るくなる。本来の調子を取り戻したモニターから、話題のアイドルの元気いっぱいな挨拶が聞こえてきた。室温も正常に戻ったようで、肌を刺すような寒さはもうない。
「すぐに動けなくてごめんなさい。先輩、大丈夫でしたか」
「俺はもう、お前のほうが怖いよ…」
「先輩もヒトコワの方が好みですか?」
「そういうことじゃなくて…」
「岩見さんと話が合いますね、きっと」
いつもの調子を取り戻したのは、この部屋と電子機器だけではないらしい。涼しい顔をした深水が、なんでもなさそうにバットをカバンの中にしまう。それをみていたらなんだか力が抜けて、上谷も床に落ちたリモコンやメニューを拾い、元の場所へ戻していく。
「…まあ、とにかく。これで二体目除霊完了ってことでいいの?」
「いいえ」
「そうか……え?」
「いいえ。だめです。先輩、聞こえていますか」
言われて、耳を澄ます。完全な沈黙。
──いや、それはおかしい。だってここは、この場所は常に、様々な騒音で溢れていたはずだ。モニターへ視線を向ける。真っ暗な画面に、しばらくして曲名と作曲者名が表示された。おどろおどろしいイントロが、音量調整もめちゃくちゃな機器から流れ始める。演歌って、なんで前奏からこんなに荘厳なんだろう。
「…深水、歌うの?」
「歌いません」
「………じゃあ誰が入れたの? これ…」
深水は黙ったまま機器を操作し、まずは音量をゼロにすると、勝手に流れ始めた曲を停止する。しかし、すぐにまた同じ曲が送信されて、モニターに表示された。諦めた深水がタブレットをテーブルの上に戻す。
「…お、おばけだ!」
「大丈夫。これ自体は、霊的な現象ではありません」
「…そうなの?」
「古いカラオケだと、赤外線の不具合で隣の部屋の電波を受信してしまうことがあります」
「お前よくそんなこと知ってんね…じゃあ、あれか。この曲は隣の部屋の…」
…あれ。自分で言っていて、違和感に気がつく。だってさっき、飲み物を取って部屋へ戻るときには、隣の部屋には誰もいなかった。でも、今。
耳を澄ます。部屋に入ってきた時からずっと聞こえてきていた演歌がまだ、かすかに聞こえる。
「俺が言っているのはこれです」
深水が口を開く。
「最初に俺たちがこの部屋へ案内された時から今に至るまで、隣はずっと空室でした」
「…なんで、わかんの…」
「部屋へ入る時と、先輩が飲み物を取ってきているときに確認したからです」
「ど、どっか別の、近くの部屋、の音、かも」
──コンコン。
ノックだ、と思った。しかし部屋の入り口、曇ったガラスがはめ込まれた扉の向こうには、誰も立っていない。
──コンコン。
二回目で、ようやく気がつく。音は、隣の部屋に面している側の壁から聞こえてきている。
……そういえば。先ほど、隣の部屋を覗いたときに見えた、二つ目のモニター。あれは本当に、液晶だったのか? それにしてはやけに姿がぼやけて、まるで何か、そこに通常ではあり得ないイメージが無理やり、貼り付いているような。
「…まずい」
深水が舌打ちをする。かと思うと荷物をまとめ始め、上谷にも同じ行動を促す。
「気がついたことに気がつかれました。面倒なことになる前にここを出ましょう」
「な、なあ深水。これって、さっきから何が起こってんの…?」
「ここは少し、あちら側に取って条件が良すぎるみたいです。さっき殴って追い払った奴を含めて、先輩に憑いている霊じゃなくて、その辺りを漂っている霊が集まってきてしまっている……隣の部屋にいるやつも、間も無くこの部屋へ来ます」
「…なんで?」
──こつり。雑音だらけのこの場所で、自分たちの部屋の前にいる存在の足音だけが、やたら鮮明に聞こえる。
「…あいつらは基本的に孤独なんです。人に見てほしい、人に関わりたい、人に影響を与えたい。だから」
こつり。足音は着実に近づいて、扉の前で一つの像を結ぶ。銀色のドアノブが、ゆっくりと上下する。
「自分たちを認識できる存在がいるとわかれば、放ってはおかない」
──ドンッ!
ぼんやりした思考に喝を入れられた気分だった。突如聞こえてきた衝撃音に、上谷は顔を上げる。聞き間違いでなければ、今、自分たちの部屋の方角から。
嫌な予感がする。
上谷は急足で部屋へ向かうと、急いで扉を開けた。
「深水! 大丈夫…うわっ」
その瞬間、何かが目の前を横切る。反射的に身を引くと、壁に激突したメニュー表が、乾いた音を立てて床に落ちた。深水が投げたのか、と思ったが、違う。
「こ、これは……」
部屋の中は大惨事だった。テーブルは斜めにずれ、注文用のタブレットは…壊れてはいないようだが、床に転がっている。上谷が数分前に定位置へ戻したはずのマイクはソファの上へ無造作に置かれ、モニターは気まぐれに画面を点滅させては、スピーカーからノイズを撒き散らかした。
そして、その中心。
「……………………」
深水が両手で顔を覆っていた。
「え、何!? 大丈夫!? 戦闘中!? 致命的なダメージとか受けた!?」
「……上谷先輩……」
「ま、任せろ! 俺頑張るから! 深水の仇は絶対に取るからな!」
「……先輩、違います……」
消え入りそうな声だった。上谷は取り急ぎ、両手に持っていた飲み物をテーブルの隅に置くと、恐る恐る深水に近づく。吐いた息が白く濁って、空気中に留まった。冷気が頬を撫で、肌を粟立たせる。そういえば前に教室で鯉の霊と遭遇した時も、こんな気温だった。
「えっと……念のため確認したいんだけど、幽霊、いる?」
「います」
「いるんだ……」
「……いますけど……」
深水がゆっくり顔を上げる。いつもは表情の変化に乏しい顔が、今は耳まで真っ赤だった。
「……俺が動揺して、よけいに暴れさせました……」
「そんなシステムあったんだ?」
「感情が乱れると、向こうも影響を受けるので……」
感情の乱れ…。上谷は数秒考えて、あ、と察する。自分はクラスメイトや岩見と話をしていくらか調子を取り戻すことができたが、そうだ。深水はあれからずっと、ここで一人考え込んでいたのだ。
「……もしかしなくても、さっきの話と関係してる?」
「忘れてください」
「いや…ちょっと無理かも」
「それなら今すぐ記憶を失ってください……」
深水は本気で落ち込んでいるようだった。普段が普段だから余計に衝撃だ。あの無表情人間が、ここまでわかりやすくダメージを受けているなんて。
「勢いで告白した挙句あんなセクハラまがいのことをどうして俺は……もうだめだ…何もうまくいかない…」
「そ、そんな気にしなくていいって」
「よくないです」
「いやでも、ほんと、別に嫌とかじゃ」
「先輩」
深水がゆっくり首を振る。
「もっと嫌がってください」
「なんで?」
「年下の後輩から突然、好きですって言われたんですよ」
「うん」
「しかも自分より背の大きな男」
「そこは、まあ…」
「嫌じゃない方がおかしいでしょう……」
「……でもさ、俺、深水のこと嫌いじゃないし」
「慰めで言わないでください」
「慰めじゃないって! あー、もう」
いい加減、かける言葉がなくなってきた。そりゃあ、気持ちはわかる。上谷も逆の立場だったら、大いに荒れ狂っていただろう。しかし今は、なんとか立ち直ってもらわないと困る。具体的には、暴れまくる幽霊が、この部屋にあるカラオケの設備をどれか一つでも壊してしまう前に。上谷が脳みそをフル稼働で次に言うべき単語を探していると、その頬に緩い刺激が加わる。
「痛っ」
思わず声をあげ、辺りを見回す。勘違いじゃなければ今、突然、誰かに頬を叩かれた。でも部屋には当然、自分と深水の二人しかいない。
「……深水くん、今の何」
「野次馬です」
「野次馬!?」
「俺が落ち込んでいて先輩が慌てているので、幽霊が面白がっています」
「なんて性格の悪い…!」
そう言っている間に、今度は肩をつつかれる。子供にちょっかいをかけられているみたいだ。力が強くないのでそれほど痛くはないが、回数が重なると煩わしくなってくる。
「ちょ、やめろって! こいつ、俺に姿が見えてないからって調子に乗、いたっ。か、髪を引っ張るのはなしだろ!」
「………………おい」
それまで沈黙していた深水が、静かに立ち上がった。途端に、室内の空気が変わる。先ほどまではしおしおの植物みたいなテンションだったのに、今は低温でぐつぐつと煮えているみたいだった。湯立つ瞳が、何もない空間を睨む。
「いま」
気がつくと、深水の片手には、この間よりも小さなバットが握られていた。当然、その身には包帯がぐるぐると巻き付けられている。スクールバッグの中に潜ませていたのだろう。
「先輩が俺を慰めてくれてる最中だろうが」
次の瞬間。深水が思い切りバットを振り抜くと、バチン! という破裂音がして、一度室内にあるすべての電子機器の電源が落ちる。耳鳴りがするほどの沈黙。上谷が動けずにいると、深水が低く息を吐いた。
「……空気を読め」
ふ、と室内が明るくなる。本来の調子を取り戻したモニターから、話題のアイドルの元気いっぱいな挨拶が聞こえてきた。室温も正常に戻ったようで、肌を刺すような寒さはもうない。
「すぐに動けなくてごめんなさい。先輩、大丈夫でしたか」
「俺はもう、お前のほうが怖いよ…」
「先輩もヒトコワの方が好みですか?」
「そういうことじゃなくて…」
「岩見さんと話が合いますね、きっと」
いつもの調子を取り戻したのは、この部屋と電子機器だけではないらしい。涼しい顔をした深水が、なんでもなさそうにバットをカバンの中にしまう。それをみていたらなんだか力が抜けて、上谷も床に落ちたリモコンやメニューを拾い、元の場所へ戻していく。
「…まあ、とにかく。これで二体目除霊完了ってことでいいの?」
「いいえ」
「そうか……え?」
「いいえ。だめです。先輩、聞こえていますか」
言われて、耳を澄ます。完全な沈黙。
──いや、それはおかしい。だってここは、この場所は常に、様々な騒音で溢れていたはずだ。モニターへ視線を向ける。真っ暗な画面に、しばらくして曲名と作曲者名が表示された。おどろおどろしいイントロが、音量調整もめちゃくちゃな機器から流れ始める。演歌って、なんで前奏からこんなに荘厳なんだろう。
「…深水、歌うの?」
「歌いません」
「………じゃあ誰が入れたの? これ…」
深水は黙ったまま機器を操作し、まずは音量をゼロにすると、勝手に流れ始めた曲を停止する。しかし、すぐにまた同じ曲が送信されて、モニターに表示された。諦めた深水がタブレットをテーブルの上に戻す。
「…お、おばけだ!」
「大丈夫。これ自体は、霊的な現象ではありません」
「…そうなの?」
「古いカラオケだと、赤外線の不具合で隣の部屋の電波を受信してしまうことがあります」
「お前よくそんなこと知ってんね…じゃあ、あれか。この曲は隣の部屋の…」
…あれ。自分で言っていて、違和感に気がつく。だってさっき、飲み物を取って部屋へ戻るときには、隣の部屋には誰もいなかった。でも、今。
耳を澄ます。部屋に入ってきた時からずっと聞こえてきていた演歌がまだ、かすかに聞こえる。
「俺が言っているのはこれです」
深水が口を開く。
「最初に俺たちがこの部屋へ案内された時から今に至るまで、隣はずっと空室でした」
「…なんで、わかんの…」
「部屋へ入る時と、先輩が飲み物を取ってきているときに確認したからです」
「ど、どっか別の、近くの部屋、の音、かも」
──コンコン。
ノックだ、と思った。しかし部屋の入り口、曇ったガラスがはめ込まれた扉の向こうには、誰も立っていない。
──コンコン。
二回目で、ようやく気がつく。音は、隣の部屋に面している側の壁から聞こえてきている。
……そういえば。先ほど、隣の部屋を覗いたときに見えた、二つ目のモニター。あれは本当に、液晶だったのか? それにしてはやけに姿がぼやけて、まるで何か、そこに通常ではあり得ないイメージが無理やり、貼り付いているような。
「…まずい」
深水が舌打ちをする。かと思うと荷物をまとめ始め、上谷にも同じ行動を促す。
「気がついたことに気がつかれました。面倒なことになる前にここを出ましょう」
「な、なあ深水。これって、さっきから何が起こってんの…?」
「ここは少し、あちら側に取って条件が良すぎるみたいです。さっき殴って追い払った奴を含めて、先輩に憑いている霊じゃなくて、その辺りを漂っている霊が集まってきてしまっている……隣の部屋にいるやつも、間も無くこの部屋へ来ます」
「…なんで?」
──こつり。雑音だらけのこの場所で、自分たちの部屋の前にいる存在の足音だけが、やたら鮮明に聞こえる。
「…あいつらは基本的に孤独なんです。人に見てほしい、人に関わりたい、人に影響を与えたい。だから」
こつり。足音は着実に近づいて、扉の前で一つの像を結ぶ。銀色のドアノブが、ゆっくりと上下する。
「自分たちを認識できる存在がいるとわかれば、放ってはおかない」
