「祠?」
「ああ。その祠はかなり古いヤツで怪異が集まりやすいんだ。」
近くの公園のベンチに座った二人。
子供達の賑やかな声に反して冬弥は沈む。
「……あんまり近寄って欲しくない。」
「誰に?」
「は?遥陽にだよ。」
まさか、元気がない、溜息の理由はそれ?
「俺が近くにいなかったら絶対暴走するだろ?帳降ろすの下手だし、誤魔化し方も幼稚……」
「んなっ!暴走なんてしねぇよ。それに、幼稚って俺に失礼!」
子供のように頬を膨らませるのを横目に見る冬弥は、体を動かしその頬をそっと撫でる。
「……遥陽、約束だ。」
「?」
「班行動だから通らないって選択肢が無理だ。なら、せめて祠を通る時、絶対にそれを見るなよ。近寄るな。」
何でそんな不安そうな顔をする?遥陽は訝しげに冬弥を見ながら頷いた。ホッとする顔の冬弥。
そっと離れた冬弥の手が、冷えていた。
「……帰りたい。」
「ホームシックか?御影。」
立花の軽いジョークに座席に座りながら窓に頭をつけた冬弥が「うるさい」と言う。
そもそも、ホームシックにはならない。だって、国内だし、行き帰り合わせて1時間半弱だ。
既に心配です、と言いたげな顔に「嫁が心配か」と冗談を言う後部座席の秋宮。「んー」と答えた冬弥の反応は、最早末期。
ここまで様子がおかしい冬弥を初めて見たクラスメイト達はゲラゲラと笑う。
いつもならクールで冷たい印象だったけど、意外と親しみやすいかもしれない。
「……。」
そんな冬弥の隣の席の立花は、一人やけに静かだった。
「……なぁ、御影。」
意を決して話そうとした立花だったが、前方に居る担任の「もうすぐで到着だ〜」に「何でもない」と口を閉じた。
不思議そうな顔の冬弥だったが、遠目に見える自然公園の入口に何故か嫌な予感が拭えずに居た。
「遥陽!」
2号車の冬弥が後に到着した事で、足をトントンしながら待っていた冬弥。
3号車を見て遥陽が降りてきて速攻近寄って朝と同じ事を繰り返そうと思った瞬間、背の高い秋宮と立花に「はい、戻るぞー」とズルズル両側を固められながら引かれていった。
「う、わぁ……今日、いつも以上にお前の旦那様子変だな。」
「……」
「月待?どうした?」
その様子を見ていた三組の生徒がドン引きしながらも、何も発さない遥陽に同班のメンバーが不思議がるが、遥陽は「大丈夫」と言って進んでしまった。
「……旦那の様子が変だと嫁も変になるのか?」
「……さぁ?」
自然公園の出入口ゲートが有る広場に集まった全5クラス150名と引率の先生達。
軽く注意事項を話し「12:00に集合!」の合図で散り散りになった。現在10:00を回ったところだ。
「……おいおい、御影大丈夫か?」
「何が?」
「すっげぇ顔してるぜ?」
「どんな顔?」
オーバーサイズの黒いパーカーと黒のズボン。黒いスニーカーとものすごくラフな格好の冬弥は、沈んだ表情で秋宮に押されながら歩いている。立花も前の方から「平気か」と声をかけている。
「何人か殺してそうな顔だ」
「……人を殺人犯にするな。」
深呼吸をした冬弥が元の雰囲気に戻った。
「すまない、取り乱した。」
「……ならいいが。お前は少し過保護過ぎなんじゃないのか?」
秋宮の言葉に「そうかな」と言うとゆっくりと歩き出した。ザワザワとする肌をしれずに擦りながら。
「ああ。その祠はかなり古いヤツで怪異が集まりやすいんだ。」
近くの公園のベンチに座った二人。
子供達の賑やかな声に反して冬弥は沈む。
「……あんまり近寄って欲しくない。」
「誰に?」
「は?遥陽にだよ。」
まさか、元気がない、溜息の理由はそれ?
「俺が近くにいなかったら絶対暴走するだろ?帳降ろすの下手だし、誤魔化し方も幼稚……」
「んなっ!暴走なんてしねぇよ。それに、幼稚って俺に失礼!」
子供のように頬を膨らませるのを横目に見る冬弥は、体を動かしその頬をそっと撫でる。
「……遥陽、約束だ。」
「?」
「班行動だから通らないって選択肢が無理だ。なら、せめて祠を通る時、絶対にそれを見るなよ。近寄るな。」
何でそんな不安そうな顔をする?遥陽は訝しげに冬弥を見ながら頷いた。ホッとする顔の冬弥。
そっと離れた冬弥の手が、冷えていた。
「……帰りたい。」
「ホームシックか?御影。」
立花の軽いジョークに座席に座りながら窓に頭をつけた冬弥が「うるさい」と言う。
そもそも、ホームシックにはならない。だって、国内だし、行き帰り合わせて1時間半弱だ。
既に心配です、と言いたげな顔に「嫁が心配か」と冗談を言う後部座席の秋宮。「んー」と答えた冬弥の反応は、最早末期。
ここまで様子がおかしい冬弥を初めて見たクラスメイト達はゲラゲラと笑う。
いつもならクールで冷たい印象だったけど、意外と親しみやすいかもしれない。
「……。」
そんな冬弥の隣の席の立花は、一人やけに静かだった。
「……なぁ、御影。」
意を決して話そうとした立花だったが、前方に居る担任の「もうすぐで到着だ〜」に「何でもない」と口を閉じた。
不思議そうな顔の冬弥だったが、遠目に見える自然公園の入口に何故か嫌な予感が拭えずに居た。
「遥陽!」
2号車の冬弥が後に到着した事で、足をトントンしながら待っていた冬弥。
3号車を見て遥陽が降りてきて速攻近寄って朝と同じ事を繰り返そうと思った瞬間、背の高い秋宮と立花に「はい、戻るぞー」とズルズル両側を固められながら引かれていった。
「う、わぁ……今日、いつも以上にお前の旦那様子変だな。」
「……」
「月待?どうした?」
その様子を見ていた三組の生徒がドン引きしながらも、何も発さない遥陽に同班のメンバーが不思議がるが、遥陽は「大丈夫」と言って進んでしまった。
「……旦那の様子が変だと嫁も変になるのか?」
「……さぁ?」
自然公園の出入口ゲートが有る広場に集まった全5クラス150名と引率の先生達。
軽く注意事項を話し「12:00に集合!」の合図で散り散りになった。現在10:00を回ったところだ。
「……おいおい、御影大丈夫か?」
「何が?」
「すっげぇ顔してるぜ?」
「どんな顔?」
オーバーサイズの黒いパーカーと黒のズボン。黒いスニーカーとものすごくラフな格好の冬弥は、沈んだ表情で秋宮に押されながら歩いている。立花も前の方から「平気か」と声をかけている。
「何人か殺してそうな顔だ」
「……人を殺人犯にするな。」
深呼吸をした冬弥が元の雰囲気に戻った。
「すまない、取り乱した。」
「……ならいいが。お前は少し過保護過ぎなんじゃないのか?」
秋宮の言葉に「そうかな」と言うとゆっくりと歩き出した。ザワザワとする肌をしれずに擦りながら。
