月終王竜

 私は零さんと共に目的の場所も知ら無い儘で歩いて居た。
「所で汝を何と呼ぶ可きだ?」

歩き乍ら突然と尋ねられて驚きますが、確かに名前を名乗りは為ても自己紹介は無い儘だと思う。
其処で私は改めて自身の事を名乗る。

「改めまして、スノウ・ホワイトです。スノウと呼んで下さい」
「己の名は故に神と数字の(れい)で故神零だ、好きに呼べ」

私は此れ迄と同じ様に呼ぶ。

「分かりました、零さん。其れで今は何処を目指して居るんですか? 携帯電話(スマホ)で話した人の場所とは分かりますが」

私が聞くと零さんは携帯電話を操作して、画面を私に見せる。
「此処だ」

然う云い零さんが見せた画面は、原込区に在る宿泊施設(ホテル)で有名な高級宿泊施設でした。

「えっ……(さっき)の電話した相手は如何云う人何ですか?」

私が電話の相手に就いて尋ねると、零さんは迚も答え(づら)く苦い表情で在り乍ら話す。

「……其処の所有者(オーナー)だ、詳し聞くなら本人に聞くと良い。其れとスノウ、(おまえ)を狙う奴に就いてだが、()れは人間では無い、月の吸血鬼だ」

「月の吸血鬼とは一体……?」
私は然う聞き、零さんは少し沈黙した後に話し出す。

「まず月の吸血鬼 は『吸血鬼』と呼ぶ種族の代表だ」

代表……と云う事は他にも吸血鬼が存在する事に成る。

「他の吸血鬼は置いて置く、月の吸血鬼はエンドレス・エンドの存在だ」

エンドレス・エンド、彼の相手も云って居た矛盾して在る言葉です。

「生死が存在せず生者で死者の物体、己は然う判断して居る、奴は逆だが」

確か月の吸血鬼を、生者で死者な存在と云って居ました。

「エンドレス・エンドは『紀元前九八八〇年』地球に存在する『テイアの核』で創造して、地球の内部を『通過』させ作製した」

「テイアの……核?」
テイアとは何でしょう? 聞いた事が無いですね。

「テイアは仮説の天体の名だ、紀元前約四十六年億年前に、天体テイア自体のエンドレス・エンドが地球で巨大(ジャイアント)衝突(・インパクト)を発生させ『テイアの核』は二分に分かれた」

話の規模(スケール)が……大きいです……
「分かれた核は如何成りましたか?」

「片方が地球に存る、もう片方は紀元前約四十五億年前に巨大衝突の破片がテイアの核と共に月を形成した。そして月の吸血鬼を作る訳だ」

凄い話ですね……然う云えば。
「王族と相手は云いましたが、彼れは?」

「月の吸血鬼は『啓示』で名前を授与され全員が洋名で、王族は『ザカルベク』の名字を授与された者の事だ」

ザカルベク、零さん達に付いてる名字です。
「他には?」

零さんに聞かれた私は、彼の何か可笑しい事を聞く。

「相手に襲われた刻に警戒すら出来ずに居たんですが、何か知っていますか?」