【白雪序章】
月が綺麗ですね
其の言葉が出た訳は偶然で在り必然でした。ですが何方か何て関係は無く、私が貴方に伝えた確かな言葉です。
貴方から死んでも良い何て云わせ無い。私と一緒に十年百年千年先も終わり無き終わりを生きて下さい。
貴方が死神でも共に生き続け行く。貴方が何に成ろうと、本当に死神でも構いません。
貴方に云う言葉は代わる事や、貴方が消えて様と私の伝えた言葉は消え無い。
消えたと為ても、何度でも貴方に伝える。
最後に私達は永く永い永遠の迚も幸せな後日談を過ごして行く。
全てを終えた後は二人で
また月を見ましょう。
西暦二〇一六年十二月。
今年で二年目の高校生活は冬休みに入り、私は何度目かの朝を迎えて居た。
此の原込区と呼ぶ場所は、旧い外観の建物が少なく、京都らしく無い現代的な建物が多く立ち並ぶ。私が住み始め進学した高校の在る向原を歩いて居ると、主に住宅街と学校等の教育機関が見える。
斯う為た時期で在る為か、施設からは子供の声は聞こえ無い。空気を伝い聞こえるのは、物静かな強く寒い弱く吹き荒立つ冷風だけ。
何時もの活発さが在る雰囲気を知って居るので、其の何とも云え無い静かさが寂しく感じて仕舞う。寂し気な気分を振り払う様に、私は足を速め歩いて行く。
向原から来た原新は事務所街と和洋の店が建ち並ぶ商業地域で別々に在る。後者の場所を歩き乍ら見渡して居ると陳列窓に映る私が見える。
外見は友達が云う雪肌と『真白の毛』に青眼で、横髪は体の中心で後ろが足首に届く。服装は無地の白服に長手袋を着け、襞飾と衣嚢付きで靴全体が隠れ無い短裳に膝丈長靴です。
意識して着た訳では無いですが、自分の服装が丸で花嫁衣装の様だと感じる。其の事で不意に思う事が有り、私は溜め息を少し出して仕舞う。
今日も見つけられ無いのでしょうか……私の──
運命の相手
私が気が付く頃は既に探し、何故か相手が居る事と何時か出逢える確信から長年に渡り続け今に至る。こんな風に在る事だけ分かる、新月を探す様な私の姿は屹度、迚も異常に見えるのでしょう。
私は『自身の精神が異常な性質を自覚や当然と認識』して居る、俗に云う病愛です。
私の生き方は今更もう変えられ無い、変える積もりも無い。私は必ず相手を探し続け必ず見付け出す。
其の様な事を考え乍ら、今日も出会う事が無い儘で、無慈悲に時間は過ぎ行く。
月光で薄暗く明るい帰路を歩く私の前方には、と或る男性が向こう側から歩いて来る。
『外見』は真白の毛で下三白に赤眼と『縦長の瞳孔』です。服装は手ぶらで国は何処か不明な長外套の軍服を肩に羽織り着て居た。
……縦長の瞳孔?
見間違い? 否、違う、彼れは確かに縦長の瞳孔です。
猫の様な、蛇の様な、竜の、様な……
私に軍服の男性は剣が有る手を右後ろに振り被り突然と襲い来る。男性を見た時点で剣が手に有るにも関わらず、反応する以前に警戒すら出来ずに居た。死を避け様と生存本能で背の方へ動き体勢を崩す。
男性との距離は酷く間の悪い間合いでした。
嗚呼──私は自分が死ぬ事を悟る。
男性は躊躇い無く私の体を深々と斬り付け殺すでしょう。
死ぬ事が恐い、其れ以上に相手と会え無い儘で死ぬ事が未練です。
責めて一度だけ会う事が出来て居たら、何て私は然う残念に思う。
目に映る光景は全て途轍も無く遅い動作で、然う残念と思う事は出来る程に時間が在る。
其の時間で周りを見た刻、死神が居た。
死神は右手で持つ黒い鎌を左下から勢い良く曲線状に振り上げ、私達の間に割り込む。
男性の剣と搗ち合い金属が衝撃で音を立て死神は男性を剣と共に弾き飛ばす。男性は飛ばされ、剣を地面に突き立て勢いを殺す。勢いを殺し切り立ち上がると、剣を引き抜き振り払う様に強く振る。
そして男性の剣を弾いた相手は死神で無く、鎌に見えた太刀を持つ黒衣の人でした。
『外見』の年齢は私の一つ上で十八歳でしょうか。容姿は白肌と下三白に黒い瞳の猫目、他は和洋折衷の美形に中性的な女性顔で、黒毛で髪型は跳ね少年的です。
服装は黒革短背広を羽織り、両手に第二関節迄の手袋を付けて有る。
下は腰巻が有り左右帯輪に大型で長方形の鉄鎖を二個付け、長洋袴の裾が入る紐半長靴を履いて居る。
左に鞘を鎖で巻き吊り提げ左手の小銃と、右手は太刀で柄部分に有る鍔が黒の逆十字と薄明るい刃を持ち黒く、二個の武器を両腰から引き抜いた事が分かる。
死神の様な黒衣の人を私『スノウ・ホワイト』は運命の相手だと確信して居ました。
月が綺麗ですね
其の言葉が出た訳は偶然で在り必然でした。ですが何方か何て関係は無く、私が貴方に伝えた確かな言葉です。
貴方から死んでも良い何て云わせ無い。私と一緒に十年百年千年先も終わり無き終わりを生きて下さい。
貴方が死神でも共に生き続け行く。貴方が何に成ろうと、本当に死神でも構いません。
貴方に云う言葉は代わる事や、貴方が消えて様と私の伝えた言葉は消え無い。
消えたと為ても、何度でも貴方に伝える。
最後に私達は永く永い永遠の迚も幸せな後日談を過ごして行く。
全てを終えた後は二人で
また月を見ましょう。
西暦二〇一六年十二月。
今年で二年目の高校生活は冬休みに入り、私は何度目かの朝を迎えて居た。
此の原込区と呼ぶ場所は、旧い外観の建物が少なく、京都らしく無い現代的な建物が多く立ち並ぶ。私が住み始め進学した高校の在る向原を歩いて居ると、主に住宅街と学校等の教育機関が見える。
斯う為た時期で在る為か、施設からは子供の声は聞こえ無い。空気を伝い聞こえるのは、物静かな強く寒い弱く吹き荒立つ冷風だけ。
何時もの活発さが在る雰囲気を知って居るので、其の何とも云え無い静かさが寂しく感じて仕舞う。寂し気な気分を振り払う様に、私は足を速め歩いて行く。
向原から来た原新は事務所街と和洋の店が建ち並ぶ商業地域で別々に在る。後者の場所を歩き乍ら見渡して居ると陳列窓に映る私が見える。
外見は友達が云う雪肌と『真白の毛』に青眼で、横髪は体の中心で後ろが足首に届く。服装は無地の白服に長手袋を着け、襞飾と衣嚢付きで靴全体が隠れ無い短裳に膝丈長靴です。
意識して着た訳では無いですが、自分の服装が丸で花嫁衣装の様だと感じる。其の事で不意に思う事が有り、私は溜め息を少し出して仕舞う。
今日も見つけられ無いのでしょうか……私の──
運命の相手
私が気が付く頃は既に探し、何故か相手が居る事と何時か出逢える確信から長年に渡り続け今に至る。こんな風に在る事だけ分かる、新月を探す様な私の姿は屹度、迚も異常に見えるのでしょう。
私は『自身の精神が異常な性質を自覚や当然と認識』して居る、俗に云う病愛です。
私の生き方は今更もう変えられ無い、変える積もりも無い。私は必ず相手を探し続け必ず見付け出す。
其の様な事を考え乍ら、今日も出会う事が無い儘で、無慈悲に時間は過ぎ行く。
月光で薄暗く明るい帰路を歩く私の前方には、と或る男性が向こう側から歩いて来る。
『外見』は真白の毛で下三白に赤眼と『縦長の瞳孔』です。服装は手ぶらで国は何処か不明な長外套の軍服を肩に羽織り着て居た。
……縦長の瞳孔?
見間違い? 否、違う、彼れは確かに縦長の瞳孔です。
猫の様な、蛇の様な、竜の、様な……
私に軍服の男性は剣が有る手を右後ろに振り被り突然と襲い来る。男性を見た時点で剣が手に有るにも関わらず、反応する以前に警戒すら出来ずに居た。死を避け様と生存本能で背の方へ動き体勢を崩す。
男性との距離は酷く間の悪い間合いでした。
嗚呼──私は自分が死ぬ事を悟る。
男性は躊躇い無く私の体を深々と斬り付け殺すでしょう。
死ぬ事が恐い、其れ以上に相手と会え無い儘で死ぬ事が未練です。
責めて一度だけ会う事が出来て居たら、何て私は然う残念に思う。
目に映る光景は全て途轍も無く遅い動作で、然う残念と思う事は出来る程に時間が在る。
其の時間で周りを見た刻、死神が居た。
死神は右手で持つ黒い鎌を左下から勢い良く曲線状に振り上げ、私達の間に割り込む。
男性の剣と搗ち合い金属が衝撃で音を立て死神は男性を剣と共に弾き飛ばす。男性は飛ばされ、剣を地面に突き立て勢いを殺す。勢いを殺し切り立ち上がると、剣を引き抜き振り払う様に強く振る。
そして男性の剣を弾いた相手は死神で無く、鎌に見えた太刀を持つ黒衣の人でした。
『外見』の年齢は私の一つ上で十八歳でしょうか。容姿は白肌と下三白に黒い瞳の猫目、他は和洋折衷の美形に中性的な女性顔で、黒毛で髪型は跳ね少年的です。
服装は黒革短背広を羽織り、両手に第二関節迄の手袋を付けて有る。
下は腰巻が有り左右帯輪に大型で長方形の鉄鎖を二個付け、長洋袴の裾が入る紐半長靴を履いて居る。
左に鞘を鎖で巻き吊り提げ左手の小銃と、右手は太刀で柄部分に有る鍔が黒の逆十字と薄明るい刃を持ち黒く、二個の武器を両腰から引き抜いた事が分かる。
死神の様な黒衣の人を私『スノウ・ホワイト』は運命の相手だと確信して居ました。
