二年生になり、貼りだされた紙をみて、私は動く事が出来なかった。真ちゃんの名前は無かった、よね、ちゃこも、皆別々のクラスになった。教室に入ると、女子達は、お化粧をしていた。
一年生の時とは違い、春休みに何が、あったのだろうかと、目を疑った。
周りの勧めもあり、私もお化粧をしてみることにした。リップクリームではなく、初めてつけた真っ赤な口紅。少しだけ大人になったような、気がした。
あれから、真ちゃんから電話は途絶え、学校を探しても、姿は見えなかった。よね、ちゃこも、いないクラス……。私はクラスの女子達に合わせるようにしていた。休み時間、廊下に出て、他のクラスをみわたすけれど、真ちゃんの姿は無い。
教室に戻ると、女子達は、他のクラスとは明らかに違い、年上の彼氏とディスコに行った話、ディスコに一緒についていったら、化粧室で知らない人と……。明らかに、一年生の時の、クラスのお友達とは、違っていた。
男子生徒達は、女子生徒と距離を取っていた、近寄って来ないのだ。昨夜の武勇伝というのであろうか、卑猥な話を教室で堂々と話しあっている、私も呼ばれて、紹介したい人が居ると言われた。
言われるがままに、指定された場所に行くと、告白され、引き下がれない状況の囲いがあり、渋々、受け入れた。夜の帰り道、不意に、初めて唇を奪われた。
どうして? 今、何があったの? その場を走り去り、目に浮かんだのは、真ちゃんの顔だった。玄関を泣きながら開けて、部屋に籠った。どうして、私は……。
付き合いは一ヶ月で、別れを告げた。すぐに、新たな男性から、告白されて、受け入れた。長くは続かなかった。会話が続かない。一緒に居ても、楽しくない。なにより、ドキドキするということが、全くなかった。
学校の廊下を一人で歩き、真ちゃんのクラスを覗いてみたが、どこを探しても、真ちゃんは、いない。合わせる顔もないのだけれど、もしかしたら、という、都合の良い希望があった。しかし、真ちゃんを見つける事はできなかった。
紅や香水の濃い、クラスの女子に真ちゃんの事をきいてみると、年上の彼女が出来て、家に入り浸っているとか、日替わりで、あちこち、手をだしているんじゃない?
そのような事をする人では無いのに、でも、学校にはいない、だから、そういう人なんだって、真ちゃんは、等……。
あらゆる教室を探してみたが、見つからない、一年生の時の男子生徒に声をかけてみたのだが、最近は全く見る影もなくなったと、ただ、貼りだされているテストの順位は一位に、真ちゃんの名前があった。
学校から帰ると、鳴る事がない、子機を睨みつけていた。あれ、私どうして真ちゃんの事を考えているのだろう。もう、居ないのかな、私の事、忘れちゃったのかな。子機を見ても、ランプは光ることは無かった。
私から、真ちゃんに電話をすることもなく、時間だけが、春から、夏へ、そして秋へと過ぎて行った。
クラスの中で、私の会話は減った。言葉数が減っていった。代わりに作り笑いが上手くなった。次第に、私から、同じクラスの友達にさえ、話しかけることが、無くなっていた。
お姉ちゃんは、私を心配しているようで、声をかけてくれるのだが、返す言葉が無かった。涙を流すこともない。
真ちゃんを忘れられないまま、虚無感を埋めようと、声を掛けられ、告白されて、付き合っては、すぐに別れを、繰り返し、流れのままで、行きつくところまでも行ってしまった。
ベッドの上で、天井を見つめて、恋愛とは何だろう、こんなに寂しい想いをするのなら、あの時……。
部屋は、明かりもつけていない、ベッドに横になり、左手を額にあてて、何もかもが、面倒になっていた。全てが、どうでもよくなってきた。朝起きるのが、つらかった。学校に行くしかないから。私、いったい何をしているのだろう……。
一学年上の先輩から、告白されたが、初めて断った。家に帰り、部屋の電気を消し、ベッドに横になっていた。何かを考えること自体、おっくうであった。どうして、私は……。
それからは、独りぼっちの日々が続いた。クラスの背伸びをしている女子達とも、距離をとった。
一人の方が楽であることに、気が付いた。無理に自分を、誰かに合わせる必要が無い。成績は落ちる一方であった。机に向かうが、勉強は進まない。問題の解き方を丁寧に説明して、勉強が面白いと思ったのは、真ちゃんの家に行った時だけだった。
また、どこからか、真ちゃんという、名前が……。
ベッドに横になり、左手を額に当てた、左手を見つめる、真ちゃんと重なった左手、あの時はドキドキしていた。今は誰と付き合っても、ドキドキはしないし、楽しくない。会話が弾まない。
起き上がって、久しぶりに、引き出しを開けた。電話番号のメモ。受話器を手にするが、元に戻した。引き出しのノートには、幸せの四つ葉のクローバーが、あった。クローバーを見つめると、いつぶりだろうか、涙が何故か零れてきた。今の私は、トランプの真っ黒のスペードであった。
告白されて、受け入れるのは、やめることにした。イライラすることもない、瞬きもせず、いったい、私は、何をしているのだろう。助けてよ、真ちゃん……。
私、今何を思ったの、真ちゃん……。
どれくらいぶりだったのだろう、声に出して、『真ちゃん……』
声に出した事で、どうしてだろうか、涙が頬を伝って、ノートを汚した。久しぶりに、声に出して、泣いた。
――こうして、私の二年生は、終わりを、迎えたのであった。
一年生の時とは違い、春休みに何が、あったのだろうかと、目を疑った。
周りの勧めもあり、私もお化粧をしてみることにした。リップクリームではなく、初めてつけた真っ赤な口紅。少しだけ大人になったような、気がした。
あれから、真ちゃんから電話は途絶え、学校を探しても、姿は見えなかった。よね、ちゃこも、いないクラス……。私はクラスの女子達に合わせるようにしていた。休み時間、廊下に出て、他のクラスをみわたすけれど、真ちゃんの姿は無い。
教室に戻ると、女子達は、他のクラスとは明らかに違い、年上の彼氏とディスコに行った話、ディスコに一緒についていったら、化粧室で知らない人と……。明らかに、一年生の時の、クラスのお友達とは、違っていた。
男子生徒達は、女子生徒と距離を取っていた、近寄って来ないのだ。昨夜の武勇伝というのであろうか、卑猥な話を教室で堂々と話しあっている、私も呼ばれて、紹介したい人が居ると言われた。
言われるがままに、指定された場所に行くと、告白され、引き下がれない状況の囲いがあり、渋々、受け入れた。夜の帰り道、不意に、初めて唇を奪われた。
どうして? 今、何があったの? その場を走り去り、目に浮かんだのは、真ちゃんの顔だった。玄関を泣きながら開けて、部屋に籠った。どうして、私は……。
付き合いは一ヶ月で、別れを告げた。すぐに、新たな男性から、告白されて、受け入れた。長くは続かなかった。会話が続かない。一緒に居ても、楽しくない。なにより、ドキドキするということが、全くなかった。
学校の廊下を一人で歩き、真ちゃんのクラスを覗いてみたが、どこを探しても、真ちゃんは、いない。合わせる顔もないのだけれど、もしかしたら、という、都合の良い希望があった。しかし、真ちゃんを見つける事はできなかった。
紅や香水の濃い、クラスの女子に真ちゃんの事をきいてみると、年上の彼女が出来て、家に入り浸っているとか、日替わりで、あちこち、手をだしているんじゃない?
そのような事をする人では無いのに、でも、学校にはいない、だから、そういう人なんだって、真ちゃんは、等……。
あらゆる教室を探してみたが、見つからない、一年生の時の男子生徒に声をかけてみたのだが、最近は全く見る影もなくなったと、ただ、貼りだされているテストの順位は一位に、真ちゃんの名前があった。
学校から帰ると、鳴る事がない、子機を睨みつけていた。あれ、私どうして真ちゃんの事を考えているのだろう。もう、居ないのかな、私の事、忘れちゃったのかな。子機を見ても、ランプは光ることは無かった。
私から、真ちゃんに電話をすることもなく、時間だけが、春から、夏へ、そして秋へと過ぎて行った。
クラスの中で、私の会話は減った。言葉数が減っていった。代わりに作り笑いが上手くなった。次第に、私から、同じクラスの友達にさえ、話しかけることが、無くなっていた。
お姉ちゃんは、私を心配しているようで、声をかけてくれるのだが、返す言葉が無かった。涙を流すこともない。
真ちゃんを忘れられないまま、虚無感を埋めようと、声を掛けられ、告白されて、付き合っては、すぐに別れを、繰り返し、流れのままで、行きつくところまでも行ってしまった。
ベッドの上で、天井を見つめて、恋愛とは何だろう、こんなに寂しい想いをするのなら、あの時……。
部屋は、明かりもつけていない、ベッドに横になり、左手を額にあてて、何もかもが、面倒になっていた。全てが、どうでもよくなってきた。朝起きるのが、つらかった。学校に行くしかないから。私、いったい何をしているのだろう……。
一学年上の先輩から、告白されたが、初めて断った。家に帰り、部屋の電気を消し、ベッドに横になっていた。何かを考えること自体、おっくうであった。どうして、私は……。
それからは、独りぼっちの日々が続いた。クラスの背伸びをしている女子達とも、距離をとった。
一人の方が楽であることに、気が付いた。無理に自分を、誰かに合わせる必要が無い。成績は落ちる一方であった。机に向かうが、勉強は進まない。問題の解き方を丁寧に説明して、勉強が面白いと思ったのは、真ちゃんの家に行った時だけだった。
また、どこからか、真ちゃんという、名前が……。
ベッドに横になり、左手を額に当てた、左手を見つめる、真ちゃんと重なった左手、あの時はドキドキしていた。今は誰と付き合っても、ドキドキはしないし、楽しくない。会話が弾まない。
起き上がって、久しぶりに、引き出しを開けた。電話番号のメモ。受話器を手にするが、元に戻した。引き出しのノートには、幸せの四つ葉のクローバーが、あった。クローバーを見つめると、いつぶりだろうか、涙が何故か零れてきた。今の私は、トランプの真っ黒のスペードであった。
告白されて、受け入れるのは、やめることにした。イライラすることもない、瞬きもせず、いったい、私は、何をしているのだろう。助けてよ、真ちゃん……。
私、今何を思ったの、真ちゃん……。
どれくらいぶりだったのだろう、声に出して、『真ちゃん……』
声に出した事で、どうしてだろうか、涙が頬を伝って、ノートを汚した。久しぶりに、声に出して、泣いた。
――こうして、私の二年生は、終わりを、迎えたのであった。
