たった二文字の香りと重さ

 卒業式、静まり返り、滞りなく無く終えたその時、担任の先生が、
「最後の一言、山下、任せた」
「今年も、残すところ後僅かと、なりました、境内に集まる新年を、今か、今かと、行く年くる年……」
「ちが――ーう」
 三年生が、大笑い、誰もが、真ちゃんに注目していた……。
「三年間充実していた。正直に言うと、一年と、三年が楽しかった。退屈させないと言いながら、二年は申し訳ない」
 すすり泣く、男女が。私と視線があった気がした。気のせいではない、私を見ている。

「未熟であった。伝えたい想い、言葉の重さを、噛みしめた」
「この学校に、こなければ、経験できない、貴重な想いだった」
 すすり泣きが、声を出して泣きだしていた。
「先生、みんな、三年間ありがとうございました。また、どこかで会おう」
 そう言って、拍手の中、真ちゃんは、廊下に出ていくと、待ち構えている下級生からの花束、昇降口でさらに、両手では、収まらない、紙袋……。
 私は、言わなくてはと、追いかけるが……全校生徒の女子全員に、囲まれすぎて、輪をくずせず、見守るだけ。

 私の高校生活は、終わりを告げた。

 それぞれが、トランプのダイヤのように、四方に夢を追いかけて行ったのであった――。